~5章~第94話海弟と夢見る少女
うわ、今日も遅れた……。
言い訳を、後書きでしましょうかね……。
空気が澄んでるぜバカヤロー!!
「平和って素晴らしいぜ」
「お前の平和の先には地獄が待ってるぞ」
「今回は、頼ってこなかったもんね」
……荒んだ人生送ってますな、海弟。
……やっぱり、他人事じゃないよね……。
っていうか、もう学校の中だし無理だし。
「こうなったら、世界に混乱を招いてやる……」
「冬休みの宿題ができなかったからってそれは……」
青空!
まず、できるかできないかで悩みなさい!!
俺は、まだ人間です!!
「とは、言ったものの、断言できない自分がいる」
「いつまで続けてるの?」
「……え?」
なんと。
早送りより早い時間のペースでもうHRのようだ。
きっと、ここで宿題を集められるだろう。
俺は、ここで地獄を見るだろう。
「はい、宿題を回収―――」
死んだ……。
「の前に、転校生を紹介する」
神よ。
俺を見捨てなかったんだね。
「入って―――」
「こんにちわ~」
……俺に絡むな。俺に絡むな。俺に絡むな。俺に絡むな。俺に絡むな。俺に絡むな。俺に―――
「人が話している最中に割り込むな。習わなかったか?」
「すいませんでした~。えぇ~と、自己紹介ですよね?」
周りの奴等が吼えている(主に男子)。
だが、俺は騙されない。
コイツは、本物だ。
関わってはいけない。
本能ではなく、体に刻み込まれた古傷(色々と)が痛む。
「えぇ~と、私の名前は瓜生 水都です。えぇ~好きな―――」
聞いちゃいけない。聞いちゃいけない。聞いちゃいけない。
「んじゃあ、席は佐藤の隣で」
よっしゃセーフ。
佐藤君は窓際の席で俺の一つ飛ばして隣だから……。
……俺の隣じゃん……。
「それでは、宿題を―――」
「緊急回避Lv4 不屈投げ!!」
俺は負けないぜ!!
「あ、先生。宿題一式全部窓の外に落ちました」
「よし、お前は今日残って補習だ」
俺は、本当に生きていていいんだろうか……。
「教室の隅っこだけ雰囲気が……」
「風紀が乱れ―――」
「これ以上、登場させてだばるだぁああ!!」
あぁ……俺泣いてんだな……。
☆
昼休み。俺は、うまく転校生を避けるようにしながら屋上へ急ぐ。
影流としか、昼飯を食べられない俺ってどうなんだろう……。
「お、影流早いな」
「いや……コイツがな……」
「海弟~~」
俺は体を傾けて避ける。
さて、昼飯だ。
「いいのか?」
「あぁ、いいんだ(バタン」
俺は、階段のところに猛火(今は炎夏だけど……)を置いて鍵を閉める。
「コイツもか……」
「この学校はある意味、怪奇的かも知れんな」
「やめてくれ。っていうか、俺のクラスに来た転校生はお前に任せる。俺は手に負えない」
「逃げたら何の解決にもならんぞ?」
「だから、お前に頼んでいるんだ!!」
お前なら、何かしらの技を使って、アレをどうにかできるはずだ。
「ふぉふふへは、ほほへひはんはふはふひほんへはほ?」
「見事なまでに理解できない……」
まさか、影流に天然属性がプラスされたんじゃないだろうか……。
「放課後、海兄さんが部活に呼んでだぞ?」
「えぇ~と……」
「補習か?」
「まぁ、そんな感じで……」
「それなら、補習の方は―――」
「揉み消さないで!!っていうか、俺は演劇部に入ってないから!!」
文化祭のは成り行きだから。
本当に成り行きだから。
……成り行きで召喚された俺って……。
「悲しいな……」
「ネガティブだな……」
まぁ、そんな感じで昼放課は終わり、午後の授業。
英語のリスニングだ。
勿論、日本語から異世界語、さらに先週魔界語まで覚えた俺に、英語を話せないはずはない。
だが、サボる。
決して、話せないわけではない。
「屋上の風が……さむ~い」
あぁ、もっと寒くなってきたよ……。
どうしよう、魔法使って暖める?
見られたらやだな~。
「空へ向かって羽ばたけ少女よ!!」
「緊急回避!!直ちにこの場から脱出せよ!!」
く、足が持たない……。
残念ながら俺は後一歩のところで屋上のドアにぶつかった。
いや、それがぶつかってきた。
「いてぇえ!!」
「ふが~~」
あぁ、さっきの声は下から聞こえてきたのか。
それで、ドアを開けた瞬間に俺がドアの前にいたからぶつかったと。
……逃げよ。
☆
「何とか、見つからなかった……」
ここで、ひょっこり現れるなんてことは無いだろう。
だが、この場所に問題がある。
「何故、俺はプールへ?」
よし、思い出していこう。
屋上にいた。
↓
階段を走った。
↓
汗をかいた。
↓
プールへ行こう。
「あぁ、俺もとうとうやられてしまったか……」
「全く嘆かわしいよね」
「気が合うな。俺もそう思った……ところだ」
気づいてないぜ。
あぁ、気づいてないぜ。
っていうか、元からいたぜ。
「驚かないの?」
よし、人間観察だ。
青色の髪。
青色の目。
真っ白な肌。
ウチの高校の冬服。
よし、俺が朝確認した、危険生命物体UMだ。
「何がだ?さっきから、そこにいただろうに」
俺は、驚かない。俺は、驚かない。
「……ホントに?」
疑り深いな……。
まさか、本当は驚いていることを知っているんだろうか……。
自分を騙せずして、他人は騙せずか。
中々いい言葉ですな。
「HAHAHA驚くだって?君みたいな美人には驚いたけど、他に変なところなんてあったかい?」
違和感バリバリ発売中。
っていうか、この少女、何故か笑顔になってますけど、褒められたのが嬉しかったのか?
いや、それはないはずだ。
朝とか、すごい褒められていたはずだ。それはもう、青空並みに褒められていたはずだ。
まぁ、苦笑いしかしてなかったけど……。
「貴方の感性は、人間を遥かに超えています!!」
「……お~い、誰か救急車よんどくれ~」
「気違いじゃないよ?」
「何を仰られますってんですかい?」
「日本語って難しいですね」
一応、これも日本語らしい。
俺は絶対違うと思うけどな……。
じゃあ、日本語の亜種ということにしておこうか。
亜語だ。
「……ぷぷぷ」
「あの~、救急車呼びましょうか?」
「お前にだけは言われたくねぇ!!」
く、コイツ中々やるな……。
「一時停戦だ。俺は授業に戻るぜ」
「停戦ですか……いいでしょう。それでは、私は空を飛ぶための準備をしてきます」
え~と、119と。
「あ~、すいません。ここに気違いを起こした女の子がいるんですが~」
「ちょ、何処に電話してるんですか!!」
「あぁ、そうです。え~っと、場所ですか?」
「無視しないでくださいよ!!」
「掛けてないから安心しろ」
「……本当ですか?」
「HAHAHA嘘はつかねぇぜ」
寒いから、早く校舎の中に入りたい……。
「……信じます。絶対ですからね」
涙目になりながらそう訴えてくる。
まぁ、半分嘘ってことで。
え?何処が嘘だって?
電話を掛けたところまで。
まぁ、相手が誰とは言わないけどさ。
☆
さて、補習……が、揉み消されて部活だ。
俺は、部活に入ってないはずなんだがな……。
ビュ
緊急回避 Lv3 反覆返し!!
「とりゃぁああ!!」
「きゃぁああ!!」
決まったぜ。
「何するんですか!!」
「なんだか、今日は危険の多い日だな~。そうだ、家へ帰ろう」
「無視しないでこっちを見てください!!」
あぁ、そういうこと言わないで。
周りの視線が痛いから……。
「え~と、ウマさんどうしたの?」
「誰が、ウマですかぁああ!!」
おっと、怒ったらしい。
その顔がウマに……何でもない。
「で、どうしてここに?」
「いえ、廊下の端から端まで走ったら空を飛べるような気がして」
「よし、腕のいい精神科医を紹介してやる。世界的名医だぞ?天使が見えるとかほざいた奴だって一般人に戻してくれている」
「天使はいますって!!」
……あ、何か否定できない。
神様とか何とか変な奴が俺の周りにいっぱいいるからかな……。
まぁ、いい。ここは無視だ。
「という訳で、アデュー」
「あ、ちょっと、待ってくださいよ」
何故、転校生徒の仲がよくなっているかよくわからない。
っていうか、何故に俺が信頼を勝ち取ってるの?
周りからの視線が痛いよ?
やめてよ。俺はいたいけな子供なんだよ?
まぁ、人間じゃない発言とかもされたけどさ……。
そんなこんなで、演劇部部室。
「さて、話なんだが―――」
「兄さん、補習の件はありがとう。それじゃあ僕は帰ります」
「お、おい、ちょっと待て!!」
せっかく家に帰れるのにそれを棒に振って堪るか!!
「それじゃあ、一緒にバイトを―――」
「どこから、そんな話が!?」
後で、聞いたんだが、ウマは一人暮らしらしい。
いつか、名前で呼ぶようにと注意され、この日は解散した。
え~、言い訳を始めます。
ブログやらなんやらで今日は集中力を使いました。
そして、仮眠を取りました。
……熟睡でした……。
もう、お分かりの通り、現在に至るわけです。
……それでは!!(逃げた!?