第89話最終決戦 ~戦争の序章~
閑話など、入れてこれで100話です。
祝え祝え~。
それと、勇者のバトルシーンもあるぜ。
主人公属性だぜ~。
ハイテンションです。
俺の視界は360度(+a)だ。
そのうちの半分以上をふぇーに任せている。
そして……
「それが使えないとは、どういう了見だ。魔界さんよぉ?」
HAHAHA魔力いっぱいのこの世界じゃふぇーは言い方悪いけど、役立たずですか?
そうなんですか?
あ、でも、大将の場所はわかるみたいだからいいか(魔力が一番でかいから)。
うん、和みは地球を救うんだよ?
いや、救うのは地球じゃなくて、地球人だね。
微妙な違いだけど、意味はだいぶ変わるよ?
それに、エコとかも地球を救うんじゃなくて、最終的には地球人を救うのを目的としてるよね。
まぁ、俺は地球が壊れたって、大切なものだけ背負い込んで異世界に逃げるけどね?
隕石?
あぁ、魔法使って破壊できるよ?
でも、タイミング合わなかったら死ぬよ?
「怒りの方向が変わってるよー」
「HAHAHA何を言ってるんだいネイルさん」
「かいで……ごめんなさい」
く、何て破壊力だ……。
「い、いいから。それにしても、ネイルさん達は妖精見ても驚かないんですね」
とりあえず、話題を変えて―――
「そりゃぁね。ミーネも契約してるみたいだったし。それの姿を見たことはないんだけどね~」
「そうなんですか」
妖精は、契約者にしか名前を言わないし、そいつも恥ずかしいのかなんかだろう。
「そろそろ着いてもいい頃なんじゃない?」
「行きますか?」
「そうだね~、ジャディ君を呼んで来るよ」
「かげるわ?」
「寝かせといてやれ。もしものことがあったときは影流にこの城守ってもらえばいいし……」
「強いの?」
「……俺よりは……」
「……未来ある少年よ。自由とは何かわかるかい?」
「……自由とは……夢です!!」
「ふっ、そこまでわかっているなら、夢を叶えろ少年よ!」
「心の師匠!!」
「何かあったら、この人生経験豊富なネイル師匠に頼りなさい」
「はいっ!!」
新たなる、心の師匠が出来たぜ!!
全く関係性のない話から一気に飛躍し、何故か心の師匠をゲットした海弟は、魔道のイメージトレーニングをしながらネリアがジャディを連れてくるのを待った。
☆
「まさかの展開だな……」
勇者、ミーネはある村で足止めを食らっていた。
「植物系の魔物……炎は……村が燃えちゃうから……直接攻撃するしか……でも、この数だと……」
これこそが、ベルグの伏線だ。
炎で燃やせばすぐに終わるが、村自体に炎が付いてしまう。そして、単体で倒していくのにはかなりの時間が掛かってしまう。
「手伝います」
「ん?誰?」
「魔族軍で将軍をやっているグーダ・ハシェといいます」
「……いける?」
「三十分もあれば何とか」
「……兵力はとっておきたいから……先に行かせて、私達だけで行くよ」
「キツイですね。まぁ、あの勇者様と一緒に戦えるのであれば光栄ですよ」
「いいこと言うわね」
それと同時に前方向にかがみ、ダッシュする。
剣を逆手に持ち、茎を狙って一撃放つ。
葉で防御されたが、まだ甘い。
「光よ!」
剣を持っていた手と反対の手で茎に触れ、光を使って消滅させる。
それにより、傾く植物。
上方向にジャンプし、倒れてきた茎を剣で斬る。
「一体目!!」
「こっちも、一体終わりました」
槍を持って、立っているグーダが言う。
足に、風の補助をかけているようだ。
これは、この世界ならではの戦い方だろう。
「残りは?」
「……根っこでわかり辛いです……見た感じでは十体以上いますね……」
「どのくらい殺れる?」
「……三体ぐらいなら……」
「まぁ、それくらいね……十分で殺るわ」
「すごいですね……」
「ウチのパーティじゃ普通よ」
それと同時に飛び出す。
根っこをたどって、一体目に飛び掛る。
横から襲い掛かる葉を剣で刺し、地面に着地し、力を一気に腕に込めて葉ごと地面に叩きつける。
「『風月―――」
剣を頭の横で片手で持ち、剣に風の魔力を込める。
「―――残光』」
走りこむと同時に、風を纏った剣で胴を薙ぐ。
「次っ!」
砂が、頭上から降ってくる。
それを、体勢を低くし、魔力を溜めギリギリまで寄せる。
「『炎月―――特火』」
炎の熱で体を活性化し、瞬発力を上げ、一気に空中へ上昇する。
「たぁっ!!」
さっき、砂を飛ばしてきた植物を斬る。
倒れるのを確認してから、茎に乗り、また上空へと飛ぶ。
「やぁああ!!」
下にいた植物を斬りながら、着地する。
「はぁ……はぁ……魔力で体力を上げてても辛い……」
村と言ってもかなりの距離があり、そこを走り回りながら剣を振っていたのだ。
動作が軽いといっても、かなりの体力を消費する。
「はぁ……向こうも頑張ってるわね……」
見ると、グーダが一体目にトドメを刺しているところだった。
不意打ちはもう出来ないので、地道に倒すしかないのだ。
幸いなのは、特定の場所から移動できないことだろう。
「た、たいへんよぉ……」
城の中で修行はしていたが、ミーネの技術にあう者はいないので、彼女の腕は鈍るばかりだ。
政治の方もやっていかないといけなかったので、旅をしていた時に比べて時間が足りないのだ。
「はぁ……白の剣があればなぁ……」
海弟が持っていることを知らないミーネは、愚痴を呟く。
「そろそろ復帰しますか」
この世界特有の戦鉄を使った剣を持ったミーネは立ち上がり呟く。
戦鉄とは、戦いの為だけに試行錯誤されて作られた鉄のことだ。
「『氷月……冷斬』」
魔力で作った低い温度を剣に伝わらせてマイナス零度以下にした剣戟が次々と植物を襲う。
「あ、あと、後一体で……ふぐっ……はぁ……終わりです」
「こりゃぁ、この戦いが終わったら修行だね。そうだな~……ネリーちゃんだっけ?あの子に任せるのは不安だな……」
次に世界を任せる人物を考えながら戦うあたりはさすが勇者だ。
「えぇ~っと、それで最後だよ」
「そ、そうですか」
かなり体力にきているようだ。
「私、治癒魔法使えるから多少の怪我なら大丈夫だよ」
「そ、それ以前の問題でっ……です。あたった時は、死んでますよ」
「手助けいる?」
「危ないと思ったらお願いします」
「君は偉いね~」
頷きながら、座り込むミーネ。
この時点で、助ける気ゼロだ。
ドシンと、一回音がし、その方向を見ると、深呼吸しているグーダがいた。
「よし、倒したね。追いつくように走るよ」
「ちょ、待ってください。すいません」
「さようなら~~~」
勇者は、仲間を見捨て逃亡した。
☆
あ、アレ?
何で俺達は敵囲まれてのかな?
「何で?」
「そりゃぁ、まだ到着してなかったんでしょ~」
「早く来すぎちゃいましたかね」
何で冷静なんだこの人達は……。
「少し暴れる?」
「壁を背にして戦ってくれるとありがたいです」
「そう、んじゃ道を開くの頑張って」
「はぁ!?」
ちょ、この数を一人でって……。
「死にますよ?」
「男は死んででもやりきることが出来なきゃ生きていけないのよ」
意味が全くわからないけど、ただ一つだけわかった。
『前衛はお前一人だから、殺ってこい』
目がそう語っている。
「わかりました。貸し一です」
「ふふふ、今度何かあったら手伝ってあげるね」
「僕も助けますよ」
まぁ、ジャディさんのほうは本気だしいいか。
「魔力圧縮」
俺の付けた合言葉だ。
ちなみに、一人一人違う合言葉を持っているらしい。
ネリアの場合は「アルディテリア」らしい。
……理由聞きたい?
コホン
あるところに、アルディ・テリアという少年がいました。
その子に片思いする少女もいました。
ここで、わかった人もいるだろうけど続けさせて。
少年は毎日眠ってばかりで起きている間もぼぉっとしていました。
少女は少年の寝顔が好きでした。
待ってください。
ラブコメって……ファンタジーな世界にはそんなことも忘れちゃうぐらいの壮大な何かがありますから。
きっと、ありますから。
じゃあ続きです。
少女の父親は魔道の達人でした。
少女は少年の寝顔を守る為に必死で魔道を習得しました。
恋のパワーってすごいと思うんだ。
ある日、少年は殺されました。
それは、その少年の妹が不思議な力を持っているという噂があったからです。
一気にシリアスですね。
俺ここで暴走したよ……。
少女は少年の妹を怨みました。
そんな最中、少女の父親は言いました。
『人生の中では辛いこともある。だが、本当に辛いのは家族というものがなくなったときではないのか?』
少女は気づきました。
今度は、少女の力を少年の妹の為に使いました。
これでおしまいと……。
いい話でしたね。
……いつの間にか敵が殲滅されてるんですが……。
「いや~、すごいね。一人で倒しちゃうなんて」
「僕達はただの足手まといみたいですね……」
「へ?」
あぁ、暴走か。
自分で話してるうちにやってしまったか。
もう、自分が誰だかわかんないよ……。
「とりあえず、向こうも着いたみたいだし、挟み撃ち作戦で行こう」
「そのまんまですけど、雑魚は排除できますね」
「二人とも顔が悪役になってますよ?あ、僕を置いていかないでください!!」
本格的な戦争、今ここに始まる。
海弟に心の師匠ができました。
それと、勇者にも合言葉のようなものがあります。
今度募集でもしてみましょうかね。
あぁ、それと少しシリアス入りましたね。
誰にでも悲しい過去ってのはあるんですね。
次回 アレが出てきます!!
お楽しみに~。