*ラジオ
僕はラジオが好きでよく聞いていました。
テレビよりも、声だけで楽しませてくれるラジオの方が凄いと思っています。
それにチューニングを合わせる作業もなんだかかっこいいと思います。
なので暇さえあればラジオを聞いていました。
夏休みのある日いつものようにラジオを聞いていると、コマーシャルで、僕の好きなアイドルが、深夜の生放送番組にゲスト出演すると流れてきたのです。
どうしても聞きたいと思ったのですが、お母さんは深夜ラジオは聞いちゃだめだというのです。
夜更かしはよくないから、テープに録音して聞くか、ポッドキャストで聞きなさいというのです。
僕はその時「はい」と言って口答えしませんでした。
お母さんの言うとおり、いつ聞いても同じだから、後で聞いてもいいと思いました。
でも、そのアイドルのSNSを見たら、コーナーでお便りを読むと書いてあったので、どうしても生放送を聞きたい思ってしまいました。
お便りはもう受け付けていて、リアルタイムじゃなくてもあとで聞けるかもしれないけれど、やっぱり録音じゃなくて、生放送を聞きたいと思ってしまいました。
夜になって、いつも通り夕食を済ませると、僕は自分の部屋に戻り、一休みしました。
深夜放送を聞くために、先に少し寝ておこうと思ったからです。
目が覚めると、ちょうど番組の始まる十分前でした。
電気を付けずに夜中に動くのはスリルがあります。
音が漏れると嫌なので、イヤホンをして、ラジオの電源を入れました。
チューニングを合わせると、番組が始まりました。
初めて聞くパーソナリティのテンションについて行けませんでしたが、アイドルが出ると思うと、我慢できます。
あいさつと、ゲスト紹介が終わり、いよいよお目当ての人物の登場、と言ったところで突然、電気が付きました。
「アンタ! 寝なさいって言ったでしょ!」
お母さんがなぜだか気が付いたよう、部屋に入ってきたのです。
僕はイヤホンをしていたため、全然気が付きませんでした。
驚きのあまり「うわあ」と声を上げてしまいました。
そしてお母さんはラジオを取り上げて部屋を出て行きました。
やっぱり、お母さんが一番怖いです。