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試練終了
「みんなー、解毒剤だよー」
『ニンゲン様!?』
『何!?』
みんなと、爬虫類の子達が全員驚愕の色に顔を染めた。
僕は時間が惜しいからさっさと解毒剤をみんなに見せる。
「ほら、早くネイアとノックに使って上げて」
慌ててポーリーはノックに、リーベルはネイアに解毒剤を吞ませた。
すると、二人は苦しそうな顔を緩めて、ゆっくりと目を開けた。
僕はネイアの顔を覗き込む。
「大丈夫ネイア?」
「……!? ニ、ニンゲン!?」
ネイアはびっくりしたように目を開けて、僕を突き飛ばした。
「ああ、あんた何やってんのよ!?」
「何って、ネイアとノックのために解毒剤を持って来たんだよ」
「え?」
ネイアの頬がちょっと赤くなると、僕の後ろからポーリーの嬉しそうな声が聞こえる。
「ノック、もう苦しくないか、よかった……」
「ポーリー……心配をかけさせてわるかったな……」
まだ意識の朦朧とするノックの体を、ポーリーは嬉しそうに抱き締める。
あの二人って仲悪くなかったっけ?
僕は首を傾げてしまった。




