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チーター少女リーベル

「ビッグママ、ニンゲンを連れて来たぜ」


 洋館の中の一室に、僕、王族の血を引くネイア、王の懐刀であるジャガー族のジュリーが通されて、他のメンバーは廊下で待たされる。


 部屋に通されて、僕は二重の意味で驚いた。


 まず一つ目は、立派な机と椅子に体を預ける女性が白い着物姿だった点だ。


「このお方がアタシらのビッグママ。クジラ族代表貴族のシロナガス公爵家当主、シロユキ・シロナガスだ」


 加えて、レギーが歯を見せて自慢げに紹介したシロユキは、着物姿もさることながら、凄い体格だった。


 まず椅子に座っても分かるけど、僕よりも全然背が高い。


 多分二メートル近くあるんじゃないかな。


 まるで僕が子供になったみたいだ。


 小学生の頃、ソファに座るお母さんとお話しした時の事を思い出す。


 それから、太っているわけじゃないけど、全体的にふっくらとした印象を受けるし、おっぱいが、スイカよりも大きい。


 僕の顔を挟んだら、まるごと隠れてしまうかもしれない。


 って、僕は何を考えているんだ!


 自分を叱咤する。けど、シロユキさんは、ただセクシーなだけじゃなくて、すっごく包容力のある印象をうける。


 ただエッチな意味でおっぱいが大きいんじゃなくて、ビッグママっていう愛称の通り、優しそうな顔立ちや、全身にまとうやわらかい雰囲気が、無限の包容力を感じさせてくれて、自分の全てをゆだねたくなってしまう。


 まるで、お母さんを前にした幼児の気分だった。


 シロユキさんが、慈愛に満ちた表情で、優しくほほ笑んだ。


「貴方が今回のニンゲンさんですね。始めまして、わたしはクジラ族の長を務める、シロユキ・シロナガスです。貴方のご出身は?」


「えと、に、日本です」


「そうですか、日本の方には、先祖が大変お世話になりました。クジラ族が部屋着にしているこの着物は、以前召喚されたニンゲンさんから教えてもらったのですよ」


「そうなんですか?」


「はい。前にも日本人が召喚された事があるのですが、彼はこのクジラ族の領地に長くとどまっていたので。ここは仕事場ですが、わたしの家は木造で日本家屋を意識した造りになっているんですよ、それに」


 シロユキさんの笑みが、オトナの女性としての魅力を含んだ。


「彼の世代で、クジラ族は大変なベビーブームになりましたし。おかげで一族は繁栄しました」

「~~~~ッッ!」


 僕の視線が、どうしてもシロユキさんの、規格外のボディラインに行ってしまう。

それはつまり、前に来た日本人はこの、クジラ族の体を思う存分、好きにして……


「おいニンゲン! ビッグママが南方行きの船を出してくれるんだ。同盟が成功したらすぐにビッグママの子供を作れよな!」


「え!?」


 僕の顔が、首から一気に温度を上げる。


「レギー。そういう事は強制してはだめよ」

「でもビッグママ、アタシ、ビッグママには子宝に恵まれて欲しいんだよ! アタシらの事を娘みたいに可愛がってくれるのは嬉しいけどさ、みんなビッグママが自分の子供を抱く姿を見たいんだよ!」


 急にしおらしく、まるで母親想いの娘同然の顔で熱弁するレギー。


 対して、シロユキは嬉しそうに笑って立ち上がる。

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