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エロい妄想が止まらない

「流石はニンゲン様。我々では思いつかない事を考え実行に移すとは。感服致しました」


 夕食を食べ終わり、一緒に廊下を歩くエマが、優しい横顔を見せてくれる。


「そんな、大したことじゃないよ」


 僕は恐縮して愛想笑いを浮かべた。

 エマの顔に影が挿す。


「そうですか大したことじゃないですか。じゃあそんな大した事すら思いつかなかった我々はなんなんでしょうね。そうですよね、どうせ私達動物ですし、万物の霊長であるニンゲン様に比べたら……」

「大した事あるよ! 僕めっちゃ凄いよ! うん、僕凄い!」


 両手でグッと握り拳を作る僕。エマはからかうような顔で、


「冗談ですよ」


 と笑った。


「ニンゲン様は優しいですね」


 隣を歩くエマが、僕の手をきゅっと握った。


 手から伝わるエマの体温が心地よくて、僕はつい握り返してしまった。すぐに手を緩めるけどもう遅い。


 エマのからかうような笑みは、嬉しさを伴った綺麗な笑みに変わる。


 その笑顔に魅せられて僕は……


「いけませんニンゲン様ぁ!」



 キャロがチョップで、僕とエマの手をカットした。


 うん、当然だけど、僕の専属メイドであるキャロ、ニーナ、ムチポ、マワリちゃんもずっと後ろからぞろぞろと着いて回っていたよ。


 キャロは僕を抱きしめながらエマを警戒。


 声を荒げた。


「気を付けて下さいニンゲン様! メイド長はニンゲン様の優しさに付け込み、その純情無垢にして潔白なニンゲン様の純潔を我が肉体に染め上げるべく虎視眈々と狙っているのです! 今だってあの笑顔の下はウマ族特有のインモラルファンタジーが渦巻きニンゲン様をウマ族秘伝のヒップバックシェイキングで!」


 ゴリュッ という音がした。


 耳でその音を聞いてから、僕はキャロの頭がエマに、腰がニーナにそれぞれ反対方向から蹴り飛ばされた事を知った。


 キャロは女子にあるまじきポーズが床に倒れて、女子にあるまじき表情で痙攣している。


 ていうかパンツ丸出しで白目を向いてよだれを流していた。


「ではニンゲン様、参りましょう」

「う、うん」


 マワリちゃんとムチポがキャロの足と手を持って、担架のようにして運んだ。


 いいのかな、あれで。


 とはいえ、キャロのせいで、僕はエマを意識せざるを得なかった。


 そういえばエマって馬なんだよね? じゃあ、腰の強さも……


「可愛い人ですね」


 視線を上げると、エマと視線が合った。


 見透かされた。


 僕は恥ずかしくてうつむいた。

 

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