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クマ少女ノドカ

「ここが厨房になります。現在は夕食の準備中ですね」


 お城に帰るとネイアの言う通り、僕はエマに城内を案内された。


 今いるのはお城の厨房で、朝食べたご飯もここで作られたらしい。


 厨房の中にはネコやイヌ、ウサギの女の子達が忙しく働いていた。見た目通りだけど、ネコとイヌは肉料理で、ウサギは野菜料理を作っている。


 すると厨房の奥から、コックさんの格好をした、おっとりとした女の子が歩いて来た。


「あ、エマちゃんだぁ、どうしたのぉ~?」


 女の子にしては背が高いけど、歩き方がムチポみたいに可愛い。


 白いコック服は少し大きめでゆったりしているけど、服越しでもおっぱいやお尻が目立ってしまう子だった。


 このおっぱい、もしかしてネイアよりも大きいんじゃ……


 スタイル抜群のライオン族レオナと、トラ族ティア。ライガーのネイアは、その二人よりもずっとセクシーな体付きだけど、この子……この、クマ耳の子は、いい意味でもっちりした子だった。


 まぁ……僕の視線が、つい真横のエマに移ってしまう。


 農耕馬シャイヤー族のエマには負けるけど……


 熊の体重はせいぜい四〇〇キロ。対してシャイヤーウマは一トンを超える。


 視線をクマさんに戻すと、その子は優しそうな垂れ目で、声も表情もぽあぽあしていてやわらかかった。


 一言で言うとクマはクマでも凶暴なクマではなく『可愛い森のクマさん』という感じだ。


「あー、この人がニンゲンさんだねぇ」


 エマさんが言う前に、その子は僕に歩みよると、むぎゅっと抱きしめて来た。


「わたしは厨房でコックをしているノドカだよ。よろしくね♪」

「う、うん」


 ノドカの甘い匂いと、やわらかな体の感触に、僕はだんだんだ意識が薄くなる。


 ニーナみたいにストレートだと警戒しちゃうけど、ノドカは親しみやすい感じで、その包容力溢れる体に甘えたくなってくる。


「ここで毎日おいしいご飯を作ってみんなに食べてもらうのが仕事なんだぁ」


 言いながら、ノドカは僕の首に顔をうずめる。


 唇の感触が生に伝わってきて、僕は体の中から湧き上がる欲望を押さえようと必死になる。


 なんていうかノドカは、ボリュームアップしたムチポだった。


「ノドカ。ニンゲン様は純情なお方なのですから、あまりエッチなことをしてはいけませんよ」

「えっちじゃないもん、もちもちしているだけだもん」


 思考力の落ちた僕は何を思ったのか、自然と口が動いた。


「このままだと襲っちゃうので離れて下さい」


 同時に、ノドカの体が強張るのが解る。解ってから、僕は我に返って凍りついた。



「いやあの今のはちがっ」


 僕が言い切る前に、ノドカは僕の肩を掴んだまま体を離して、濡れた瞳で目を合わせた。


「いい、よ」

「へ?」


 さっきまでぽあぽあお姉さんだったノドカの顔が、恋する乙女のようになる。


「子供の頃から、ママに言われていたの。将来ニンゲンさんが来て、わたしを愛してくれるって。そうしたらわたしもママになるんだって」


 舌ったらずな喋り方で、ノドカは凄い事を口走る。


「子供の頃からずっと夢見て来たんだよ。だからわたしは」


 最後まで言われる前に僕は回れ右、全力疾走で逃亡した。


「おじゃましましたぁああああああああ!」




電撃オンラインでインタビューを載せてもらいました。

https://dengekionline.com/articles/127533/

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