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ウサギ族キャロ

 でもそうすると、モチポちゃんのモッチモチの胸が当たって、気持ち良くて色々とマズイ。今夜は興奮して眠れないんじゃ。そんな不安が僕の頭をよぎった。


「ん? ていうかさ、えっと、メイド長がエマさんで、マワリ、キャロ、ニーナ、っ

「我が城にはモチポの他に、ムチポ、プニポ、フカポ、モフポ、ポムポ」


 エマさんが言い上げる名前のセンスに、僕は言葉が出無かった。なんでみんな西洋人っぽい名前なのにウォンバット族だけそんな冗談なみたいな名前なんだろう?


「あとダイフク、オマンジュウ、オハギ、アンコロモチ」

「それ誰がつけたの!?」


 反射反応でツッコんでしまう僕だった。


「昔、貴方様と同じ日本から召喚されたニンゲン様がウォンバット族の名付け親になった時につけたそうです。それ以来、ニンゲン様が与えてくれた名前として子供に名づける者がいるのです。なんでも地球のお菓子だそうですね。厨房に頼めば再現したものを作ってくれます」


「お菓子の名前だって知っててつけているの?」


「はい。ニンゲン様が召喚されるごとに地球の文化が入ってきますので、他にもあると思いますよ」


 色々と酷い世界だな……。


 あとネズミにウサギにウォンバットって、なんでみんなげっ歯類系なんだろう。厳密にはげっ歯類はネズミだけだけど、元になっている動物の歯の形がさ。ほら。


「そういえばネイアは? 僕ちゃんと謝りたいんだけど」


 エマは気まずそうに視線を逸らした。


「あー、あの方はまだ部屋から出てこないようです。お風呂に入ってからずっとですね」

「そ、そうですか……」


 やっぱり、このままはダメだよね?


 明日ちゃんと会って謝ろう。


 女の子におもら……マーキングさせちゃうなんて、そんなつもりじゃなくても謝らないと。


「解りました。じゃあ明日にします。僕はもう寝ますね」

「はい、ではゆっくりとお休み下さい」


 僕とモチポちゃんがキングサイズのベッドに入ると、続けて入ろうとしたキャロがエマに肩を掴まれて、その隙に入ろうとしてきたニーナがキャロに肩を掴まれて、キャロとニーナはエマに引っ張られて行った。


「じゃあニンゲンちゃま、おやすみです♪」


 最後にネズミのマワリが可愛く頭を下げて、退室した。


「ニンゲン様、明りを消してもいいですか?」

「うん」


 僕が頷くと、モチポちゃんは部屋のランプを消して、ベッドの中に入って来た。


 モチポちゃんは僕の右脇の中にすぽっと収まるようにして寝た。


 わき腹にぎゅっと抱きついて来て、体温が伝わって来るのが心地よかった。


 モチポちゃんの耳を触ると、ウォンバットの毛がモフモフして癒される。


 髪質も、すっごくふわふわだった。


 ウォンバットは日本じゃ飼えないから触った事ないけど、本物もこんな感じなのかな?


 そんな事を考えながら、僕は寝ることにした。


 今日は色々な事があったけれど、意外とこれは全部夢で、寝て覚めれば自分の部屋かもしれないじゃないか。


 僕は自分にそう言い聞かせて、難しい事を考えるのはやめた。

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