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転生遺族の循環論法  作者: はたたがみ
第1章 民間伝承研究部編
16/165

転生遺族のむかしむかし4

「それじゃあ、縦軸と三角さんの入部を祝して、かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」

「かんぱーい……て、ちょっと待てい!」

「あら、どうしたの虚君?」

「三角さんもみんなもしれっといるけどさ、ここ、()()()だから!」


 現在、民研一同は縦軸とていりの歓迎会を催していた。縦軸の家で。言い出しっぺは作子だ。そして歓迎会は建前である。既に縦軸とていりの入部から既に1ヶ月以上経っているが、久しぶりに虚家に遊びに行きたかったのだ。


「何言ってるのよ縦軸。賑やかでいいじゃない。作子ちゃん、たくさん食べていってね」

「ありがとうございます素子さん。とっても美味しいです」

「もう、褒めたっておかわりしか出ないわよ」


 やけに機嫌が良さそうな縦軸の母素子(もとこ)。突如押しかけてきた民研達に驚きつつも、




「素子さんごめん、縦軸たちの歓迎会やりたいんだけどいい?」

「まあ歓迎会?よくわからないけど、作子ちゃんが言うならもちろんよ。さあみんな入って入って。縦軸準備するからあなたも働いて。ごめんね作子ちゃん、手伝ってもらってもいい?」

「喜んで!」




 と、言うわけで素子自ら歓迎会を仕切り始めたのだ。


「ていりちゃん、縦軸と同じクラスなんでしょ?この子学校ではどんな感じ?」

「そうですね……真面目に勉強してますよ」

「そうなの。うふふ、まさか縦軸にこんな可愛いクラスメイトができるなんて」

「、、、、、!あ、ありがとうございます」

「ていりちゃん、既視感がすごいよ?」

「ふふ、積元さんだって可愛いわよ。それにほら、積元さんって何だか縦軸に妹ができたみたい」

「ほんと⁉︎えへへ……」


 そうして素子がていりたちと打ち解けようとしていたところ、()()が口を開いた。


「あのー?」

「ん、どうした?母さんの料理は美味いよ」

「いや、ええと……何で私までここに?」


 困惑した様子でそう問いかけるのは、先の自殺未遂少女、十二乗(ひとめぐり)(おと)である。作子は何故か民研だけでなく、彼女も虚家に連れてきていた。


「十二乗さん、こういうのは人数が多い方が良いって相場が決まってるのよ」

「でも……」

「いいのよいいのよ。第一あの状況であなただけ置いてくのは酷じゃない。遠慮せずに、ほれほれ」

「……いただきます」


 作子に押し負けた音だった。




 賑やかな時間は過ぎていく。素子も混ざり、学校のことや他愛の無い話で盛り上がったのだった。




「素子さん、今日はありがとうございました。私は微たちを送っていきます」

「ええ、またいつでもいらっしゃい」

「じゃあね縦軸、勉強しろよ」

「分かってるよ。ほら、さっさと三角さん達送ってきな」

「また明日、虚君」

「縦軸君、バイバイ」

「お邪魔しました」


 ドアが閉まり、虚家は先程より静かになった。

 片付けをしていた縦軸に、素子がやけにウキウキとした様子で話しかける。


「ねえ縦軸」

「何?」

「どっちが本命なの?」

「…………え?」

「もう、とぼけちゃって。三角さんと積元さん、どっちのことが()()なの?」

「……はああ⁉︎」


 露骨に混乱する縦軸。そしてその様子は素子を調子に乗せていく。


「三角さんは凛としてて綺麗だし、積元さんは何だか可愛い妹って感じだし、縦軸はどっちがなのかなーって。十二乗さんは初対面なんでしょ?じゃあやっぱり2人のどっちかに決まりだわ!」

「待て待て待て待て。僕は2人のことをそんな風には……」

「ええ〜、そうなの?あんな美少女たちに囲まれてるのに…………!もしかして」

「え?」


 何かを閃いたような顔で縦軸の肩を掴む素子。その顔には揺るぎない意志が宿っている。


「そうね!何てったって歳は離れてても幼馴染みたいなものだからね」

「い、いや、母さん、何を言ってるの?僕には訳が分からないよ」

「母さんは縦軸のことを応援するわ。絶対に、作子ちゃんのことを射止めなさい!」

「…………違う、そうじゃなーーーい!」


 残業を終えて帰ってきた父秀樹(ひでき)が見たのは、めっちゃ必死に何かを説明する縦軸の姿だった。




 ていりたちは音と別れ、3人になっていた。


「いやー、今日は楽しかったー!ね、微」

「うん!縦軸君のお母さんの料理、すっごい美味しかった!」

「それにしても驚きました。虚君の知り合いが先生をやってたなんて」

「あはは、鳩高に入学したってのは知ってたけどね。まさか()()()()()()()微のところに集まるとは……」


 そんな会話をしていたとき、作子はあることが気になり、2人に訊いてみようと思った。縦軸本人や、()()()()()をした直後の音がいる前では訊きづらかったのだ。

 立ち止まり、2人と向かい合う。


「ねえ、2人とも」

「ん?」

「どうしたんですか?」


 縦軸本人も嫌がって話さないだろう。だがその時はこれを機に自分が話せばいい。


「縦軸のお姉さんのこと、知ってる?」

 虚縦軸の発音は真田幸村と同じでお願いします。

 あと名前についてレビューを書いていただいて嬉しかったのでここいらで解説を。

 気付いてる人もいらっしゃると思いますが地球組、および異世界組の一部の名前は数学や科学にちなんでます。


虚縦軸、愛→虚数

三角ていり→ピタゴラスの定理

積元微、傾子→微分積分

指村対→指数・対数

入江弦→sinθ

左位記→位取り記数法

原前作子→虚数 i (ちょっと強引)

十二乗音→2の12乗根

カール・ツインステアーズ→1+2+3+……+100

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