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お友達になりましょう!(3)

わたしは昨日作ったクッキーとシュークリーム・ティーセットを並べ、ポットから湯気のあがるワゴンを押しながらゆっくりと廊下を歩いた。




「は~早くおやつ食べたいな~✩」


「今日のお菓子は姉さまの手作りなんですよね!マシューがすごく美味しいって言っていました。父様も楽しみにしていましたよ!」


「うふふ。そうなの!マシューに聞いたらこの世界にはないお菓子なんですって!楽しみにしていてね✩

彼も気に入ってくれるといいんだけど…。

…ねえ、クリス。ヴィラドール王国には行ったことある?

ヴィラドール王国も同じような食文化なのかしら?」


「いや、僕も行ったことはないな。

食べ物は同じようなものを食べていると思うよ」


クリスもいつの間にか砕けた喋り方になっていた。

一人称が僕になってるもんね。


「まずはお部屋に入れてもらえるかしら?

かなり怖がっているようだし..…….無理やりは嫌だから、彼が嫌がるようなら出直しましょう?」


「そうだね」「そうしましょう」





ついに部屋の前に到着した。


『コンコン』

ノックをしてみる。




…………。




あれ?返事がない。

聞こえなかったのかしら?

ではもう1回。


『コンコン』




…………。




あれ?おかしいな??

よし、声をかけてみるか!




「あの〜?こんにちはーー!」


わたしはそっとドアを押してみる。




ドン!!!!!!!!


あれ?!まずい!!!!!

思ったより勢いよくドアが開いてしまった!


もしかして、わたしって怪力?

っていうか。何かにぶつかった?



「いたっ」


小さく、そして思ったより近くから声が聞こえる。



「え???」


少し目線を下げてみると、ドアの後ろで少年が頭を抱えていた。


「ひっ!ご、ごめんなさいいいいいいい!!!!!!!」


彼に目線を合わせて、慌てて謝った。


「あの!ほ、本当にごめんなさい・・・大丈夫・・・?」



私は話しかける。

彼はビクっと体をこわばらせ固まった。


そして沈黙する。


沈黙がこんなに長く感じる事があるだろうか、私は自分にガッカリした。

正直な所、今回の訪問は大失敗である。

仲良くなるどころか、ドアをぶつけで怖がらせてしまった。

これはもう出直すしかないと思い、彼にまた来ると伝えようと息を吸った。




すると意外な事に彼が口を開いた。


「あの……。助けて頂いて………ありがとうございました……。」


私は驚いた。


「え?わたしの事覚えてるの?」


反射的に話しかける。


「はい、意識は朦朧としていましたが、ちゃんと記憶にあります。僕…… あなたに助けて頂けなかったら、今頃は……」


彼は言葉を詰まらせた。



!!!


「私は当たり前の事をしただけだわ!!

目の前で暴力を振るわれている人がいたら誰だって助けるわ!当然よ!!とにかくあなたが無事で本当によかったと思っているわ」


そう言うと彼はなぜか驚いた表情をした。

なぜ驚くの?

私は彼の表情が何を示しているのかわからない。


彼は言葉を詰まらせながら一生懸命先を紡いだ。



「僕のこと・・・だれも助けてくれなかった・・・・

みんな見て見ぬふりで・・・このまま一生・・・・・毎日ぶたれて、蹴られて・・働かされて・・・。

.......….そのまま死ぬんだと思ってた・・・」




わたしはショックだった。

こんな小さな男の子がそんな思いで毎日を生きていたなんて。あの男をもっと痛めつけておけばよかったと本気で思った。



「本当に申し訳ない.……」


彼に向かって、クリスが頭を下げた。




彼はなぜクリスに謝られているか分からないといった顔をしていた。今、クリスの身分を明かすべきではないと思ったわたしは言った。


「彼はこの国に住む者の一人として謝罪しているのよ。

わたしも同じ思いだわ。

あなたの事…もっと早く気づいてあげられなくてごめんなさい。この国の人があなたに手を差し伸べてあげられなくてごめんなさい。

許さなくていいわ。あなたが受けた仕打ちは、私達の謝罪なんかで癒えるようなものではないわ。

ただ……ただこれからはあなたにも味方はいると……私たちはこれからずっとあなたの味方だと、そう思う事は許してもらいたいと思っているの。これも自分勝手なお願いかもしれないけれど…」


私は彼に願うように言った。




もう誰も味方がいない孤独な世界に戻って欲しくはない。あなたの事を理解したい、助けたいと思っている者もいるのだと分かってほしい。


その気持ちが伝わってほしいと願いながら。


彼はうっすら目に溜めていた涙をそっと流した。

本当に辛い日々だったのだろう。

私は彼を抱きしめ言った。



「とても辛かったわね。大変だったわね。苦しかったわね。でももう大丈夫よ。私がいる。あなたを傷つける者を許したりなんかしないわ。あの日から私とあなたは友達よ。友達は助け合うの!今はわたしがあなたを助けるわ!!」



彼はか細い体を震わせて泣いた。


ああ、こんなにやせ細って。

精神的にも追い詰められて。

本当の意味で彼を救える日がくるまで、私は彼の友としてこの世界でも強く生きていきたい。


そう思った。





今日中にこの流れを書き切りたい!

…気持ちはあります!

(要はがんばりますって話)

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