お友達になりましょう!(1)
ほのぼのパートです。
すぐ次出します。
明日 彼の様子をエリックと共に見に行く事に決め、できればお話…いや、欲を言えばお友達になりたいなぁ~なんて思っていた私はお茶の時間を共にする為に自らお茶菓子の準備をしていた。
やっぱり子供と言えばお菓子でしょ!!
やっぱり定番はクッキーかな?
獣人の子って何を好むのかしら?
…キツネ。
…ダメだ。おいなりさんしか思い浮かばないわ!
そして今からおいなりさんはハードルが高すぎる。
材料が用意できる気がしない。
(そもそもお菓子ではないしね)
よし、この件が落ち着いたら農作や食品輸入のプロデュースを始めよう!!
クッキーだけじゃ味気ないから、シュークリームはどうかな??
こう見えてなんでもできるように母に仕込まれているから、お菓子作りだってお手の物なのだ!
厨房のマシューに手伝ってもらうことにした。
「お嬢様、これは一体何になるんですか?」
ひとまとめにした材料を見たマシューが尋ねる。
「これはね、シュークリームの材料だよ!こっちがカスタードクリーム用。こっちが生地に使う材料ね!」
マシューの反応を見る限り、シュークリームもカスタードクリームも存在しないらしい。
この世界の人が気に入るかどうかわからないけど、ちょっと多めに作っておこうかな?
マシューに好評価だったら、父様とおじい様にも差し入れしよう☆
クッキーはバタークッキーにして、さっくり仕上げて~。
あー、久々にいつもの味が食べれる~!!!
この世界の料理が美味しくないわけではないんだけど、やっぱり慣れ親しんだ味がいいな。
よし、ひと段落したら 醤油やみりん、味噌も作ろう!
クッキーがこれだけ硬いんだから、みんなせんべいとかもすきだったりする?はぁ…ぬれ煎食べたくなってきた…。
もち?小豆?あんこ?あー、和菓子も食べたい。
いや、まずは米よね!!
なにより米を作りたいのよ、わたし。
パンも好きだけど、さすがに飽きるわ…。
炊きたての白米に焼き鮭がBEST!!
はぁぁぁぁ、やっぱり日本食食べたい!!!
そんな事を考えながら作業していくと、あっという間にできあがった。
見た目は完璧!!!
マシューと一緒に試食してみる。
パクッ。モグモグモグモグ。
うん!美味しい!!
ちゃんといつも通りの味にできて大満足✩
一人頷いていると、となりで固まっていたマシューに気がつく。
あれ?もしかしてお口に合わなかったかな…?
明日 彼にあげるのはやめといた方がいい?
そう思った瞬間マシューが叫んだ。
「うまぁぁぁぁぁぁぁーーーいぃ!!!!!」
ひぃっ?!
私は心底びっくりして、椅子からずり落ちる。
「ああああ、申し訳ございません!!
あまりの美味しさに叫んでしまいました!!」
「そ、そんなに美味しかった?」
「ええ!!こんな美味しいお菓子は食べたことがありません!!
クッキーもなんとも言えないサックリ感。
シュークリーム……でしたっけ?こんなにふんわりした生地にとろっと甘い濃厚なクリーム…。今までに味わったことがない美味しさです!!!これは 売れますよ、お嬢様!!」
!!!!!!!!!
なに?売れる………だと??
生涯独身貴族を貫くために事業を始めようとしているわたしには聞き逃せない言葉だ!!
これは試す価値ありかも。
(メモメモ…)
「マシュー。今後いろんなお菓子を作りたいと思うの。また協力してくれる??」
「もちろんでございます!!!なにか必要な材料があれば事前にご用意いたしますので、お申し付けください!」
よし、これで生涯独身計画も少しずつ形になりそうね!
むふふふふふ✩
明日、エリックと狐の彼と食べる分。
父様とおじい様の分。
いつもお世話になっているマリンの分。
そして念のため、1~2人分のクッキーとシュークリームのセットを残して、ほかは使用人のみんなで食べてもらうことにした。
多めに作ったから、みんなどっちかは食べれるかな?
明日がいい一日になるようにお願いして眠りにつく。
バタバタした1日だったからさすがに疲れたようだ。
目を閉じるとすっと意識が沈み、深い眠りに落ちた。
狐の彼と仲良くなれますように……
ローゼンベルク男子は皆甘党です✩