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時の客人(1)

本編にもどります!

あの事件から数日。


実はいろいろと余波が広がっている。




私が助けた狐の耳がついた彼は、『隣国のヴィラドール王国の獣人』と『この国ウィンザー王国の人間』とのハーフなんだそうだ。


獣人とは見た目が動物でありながら、人間のように二足歩行だったり、言葉を話すことができるらしい。さらに人間と違い、身体能力が高いらしく…

獣人とのハーフの子は、あの子のように奴隷としてさらわれることが希にあったらしい。…昔は。



奴隷制度は何代か前の皇帝により廃止されている。だから、本来なら絶対にこんな事あってはならない。

当たり前よね!!



彼があの男に買われた経緯を今必死に調べている最中とのことだが、当の本人がひどい怪我でここ数日感はかなり危なかったらしい。今も話を聞くことすらできない。


うちで保護しているのに私もまだ彼に会えずにいた。





そして余波というのは、奴隷の件だけではない。


私のことだ。


「時の客人」と呼ばれるわたしの存在がばれたらしい。

まあ、あれだけ人目を引けばそうなっちゃうでしょうね。

ここは素直に反省しかない。




理由はよくわからないが、父様はしばらくわたしの存在を隠しておくつもりだったらしい。


そして「時の客人」の存在はこの世界に置いて、とても祝福されるべき存在らしく、恐ろしいことに王家から呼び出しがかかってしまったのだ。




王家ってことは、王様がいるんだよね?

なんかファンタジーってかんじいいい!!!

もしかして、カッコイイ王子様や かわいいお姫様にお目にかかれちゃうかも!!?


内心わたしはちょっとワクワクしていた。


そんな私のテンションをへし折ったのは父様の一言だ。




「このままではアリサが王子の婚約者にされてしまう・・・・」。



.... はい???



婚約者?わたしが??いや、まだ6歳なんですけど?

中身は16だけどね~。



「…父様、わたしはまだ6歳ですよ。この世界ではこんな年齢で婚約をするものなんですか?」



わたしはまさかね?と否定してもらう為に父様に尋ねた。



「いや…通常は14~5歳が一般的だろうな。だが王族は別だ。特に「時の客人」が現れた世代は大きく国家が繁栄している事実がある。なんというか…都合のいい年頃であった場合には王族と婚因関係を結んでいる過去が多くあるんだ。

そして、実は…殿下はアリサと同じ6歳。正しく婚姻を結ぶには都合のいい年回りなのだ。」




がぁ~〜ん!!!

なによそれ………




勝手に連れてこられた上に結婚まで勝手にきめられちゃうなんて!!

そんなの絶対にいや!!!!!

独身宣言も意味ないじゃない!!!



わたしが言いたいことを悟った父様がつぶやく。


「王子の婚約発表があるまで隠しておくつもりだったのに。あの脳筋騎士団めが!!」


おおう、父様口がとっても悪くなっておられます。

お顔もとっても険しくてわたしちょっと怖いです。

騎士団とやらが私の存在を公にしてしまったんでしょうね。きっと。



「父様、「時の客人」がこの国で重宝されている事はよくわかりました。私には意見する権利はないのでしょうか?」


「いいや、もちろん断る権利はある。ただ、その主張が認められるかは別問題だ」



いやいや、それ権利っていうのか?

他になにか術はないのかしら?



「時の客人の意見は国の繁栄に繋がる事が多く、政台や戦、文化…あらゆることにおいて意見を求められることになる。

その代わりとして王家はその度に「時の客人」に礼を尽くす。この繰り返しがアリサの一生につきまとってしまうことになる。うまく立ち回れずに申し訳ない…」


「父様、謝らないでください!!もとはと言えば私が勝手に迷子になったのが発端なのですから。

それに……その話が本当ならばわたしに少し考えがあります。父様、きっと陛下に直接お会いすることになるんですよね?

だとしたら……わたしに任せてはもらえませんか?」



わたし、こう見えて知恵は回るのよね。

悪い方のやつ限定だけど☆


おほほほほほほ~!



次回、ついにあの方とご対面!

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