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第1章 俺、クソゲーから異世界へ


俺は、日本という社畜国家で

学生ニートをしている男である。

名前は、まぁ…お前らが勝手に付けてくれや。


ここは、大人気オンラインゲーム

「バトルプレイヤーオンライン」

通称BPOの中にある砂漠ステージだ。

このゲームは、主に銃で撃ち合うゲームで

仲間と協力してボスを倒しに行くという

冒険要素もあればプレイヤー同士で戦う

PvPも出来るということで人気があった。

だが!それよりも人気が出るきっかけとなったのは

コントローラー操作ではなく

意識をゲームの電脳世界へと

コンバートする事により、

自分の体の様に動かせるという事だ!


俺も、そのゲーム業界の画期的なイノベーションに

心惹かれ始めてしまった1人である。


だが、このゲームは日本一のゲームへと

なることはなかった…


なぜなら…民度が低い!!!


このゲームをやってる奴らみんなクソなんだよ!

(まぁ…俺もその一員ではあると自覚はしてるよ)

なにがクソかって?いいだろう。

優しい俺が教えてやるよ!


まず、このゲームのPvP制度はかなり緩く設定

されているため街中以外のフィールドなら

どこでもPKが出来てしまう。

その為、ボス狩ってたら後ろから殺して

横取りするなんて当たり前。

PvP対戦してる奴らの横から弾幕をお見舞いして

仲良く殺してあげたり、

無実のプレイヤーを後ろから追いかけてナイフキル

してあげたりと、かなり酷い…


あと、このゲームの特色である自分の動きで

操作するという事に関しても問題があった。

女プレイヤーにセクハラをする男プレイヤーが

多発したのだ!



そういった問題を速攻、運営は改善してくれた。

してくれたんだが…でもダメだった。



PvP制度は承認制となり急にキルされることは

無くなったがそれはナイフ・銃に関しての話だ。


そう、手榴弾は敵味方関係なく殺せる設定なので

自爆特攻してくるテロリストなんかが現れたのだ。

その為変わらず横取りは無くならず

横槍は入りまくる。


セクハラに関しても出来ないようプレイヤー同士に見えないバリアみたいなのが出来た。が、

それを利用して通せんぼする輩が現れた。


もうハッキリ言ってキリが無いのだ。

(ちなみに、今あげた例は皆俺もやってきた

ことでもあるので詳しいのだ。

・・・なんかごめんね。)


そして、このゲームをやる奴は

どんどん減っていった。

最終的には、あと1時間でサービスを

終了という状況になるほどには…


という訳で、俺は今あと1時間で終わるゲームを

最後の最後まで楽しもうとフィールドを

駆け回っていた。


俺は何をしているかと言うと俺以外にもいる

最後まで楽しもうとするプレイヤーを

爆撃してまわっているのだ。


そっと、俺は砂の山のてっぺんから手榴弾を2つ

下に転がした。


ドォン!ドォン!

「シャー!2キルじゃあ!馬鹿なプレイヤー

ばっかだなぁ!」

これは決して親父ギャグではないぞ!


「おっと、あいつらこっちに来やがった。

なら!俺のKar98kの藻屑にしてやるぜぇ!」

パァン!カチャ パァン!

先程、銃によるPKは出来なくなったといったが、

運営は頭が足りないようでこの銃だけはPK出来るという謎のバグが起きているのだ。

だが、それを直す事ももうあるまい。


何度も言うがもうじき

この世界は無くなるのでな!


「よし!満足したし、エリア移動するか。」

俺は、砂漠エリアから古代都市エリアへと

移動した。

このエリアは新しく出来たばかりなので

あちこちバグっている。

それを修正する前にゲームが終了する為

そのままである。


歩いていると目の前に見慣れない建物があった。

古代都市というより未来都市にあるだろ!と

ツッコミたくなるような外観の建物である。

「あれ?こんな建築物あったけなぁ?

まっいっか。入ってみよ。」

俺は、入ってみることにした。

「中も寂れた感じしねぇーな。

むしろ近未来感あるじゃん。」

物珍しそうに中を歩いていると、奥に扉が見えた。

「なんだ?あそこだけ扉あんじゃん。」

俺は、扉へと走り出した。

段々近づく扉を見て思った。

「はぁ?この扉デカすぎだろ!」

俺の身長は170cm程度だが、

この扉は俺の背丈の3倍はあった。

「なんでこんなバカでけぇ扉があんだ?

もしかして隠しボスとかか!?

それは殺るしかねぇ!」

俺は、両手でその扉を押した。

「なっ!何だこの扉!バカでけぇ上に

バカ重すぎだろ!

クソッタレがァァァ!」

俺は馬鹿力で扉を開けた

俺さっきからバカバカ言いすぎだろ。

気をつけよっと♪

部屋の中に入ってみると、部屋の中央に

謎のスイッチを見つけた。

「なんだこりゃ?これを押せってことか」

俺はスイッチを押した

カチ!ゴゴゴゴゴ!!!

突然部屋が揺れ始めた。

「うお!?なんだ地震か!?」

バーン!

開けた扉が勢いよく閉まった。

「なんだなんだ!?

どっかから隠し通路が出てくんのか!」

と、ワクワクしていると揺れが治まってしまった。

「はぁ!?なんも起きねぇーのかよ!

やっぱ糞ゲーだわBPO!

そりゃ!終わって当然だわボケェ!」

俺は、イライラしながら部屋を出ようとした。

しかし、

「はぁー!?扉ビクともしねぇじゃん!

クソ!ここでゲーム落ちんの待つしかねぇか。

幸いあと3分だから大人しく待ってやるが

マジで運営いい加減しろや!」

俺は、更に苛立ちながらも

町に戻らないとログアウトできない為

ゲームがサービスを終了するまでの3分間を待った。


そして、3分が経過したのだが…


「あれ?ゲーム落ちねぇんだが。

もしかして時間間違えたか?」

俺は、ウインドウを開こうとコマンドを唱えた。

「システムコマンド。オープン・ザ・ウインドウ。」

だが、俺の呼びかけ虚しくウインドウが

開くことはなかった。

「ちょ!ちょ待てよ!なんで開かねぇんだよ!」

まぁ、そりゃあ。

サービス終了したなら動かないよね。

「やべぇ!どうすりゃいいんだ!

俺はこのまま死んじまうのか!?」

てかゲームの中で餓死とか出来るんすかね?

某マ○クラでもあるまいし

「とりあえず、扉を思いっきり押して

ここから出るしかねぇか…」

俺は、助走をつけて扉に突進することに決めた。


「・・・行くぞ」


ダッダッダ バーン!


扉は勢いよく開いた!が、その先には何も無かった。


真っ暗な空間へと俺は突進の勢い

そのまま突っ込んで行った。

そして、足場の概念がある訳もなく落ちていった。

「ぎゃあああ!!!」

そのまま俺は、落ちながら意識を失った。

俺がビビリな訳じゃないよね?

みんなそうなるよね?







「おい!貴様起きろ!」

俺の睡眠を妨げたのは見知らぬ女の声でした。

寝ぼけながらも俺は返事を返した。

「んー?なんだよー。今日も

学校行かねぇーってばー」

「何を訳の分からない寝言を言っている!

早く起きろ!さもなくば痛い目に遭うぞ!」

どうやら親ではないらしい。

なら、これは夢を見ているのだろう。

「もーうるせぇなー夢なら俺好みの

優しいお姉さん出てこいよなー」

「貴様!いい加減にしろ!」

ゴン!

「イッテェェェ!!!

お前馬鹿か!そんな鎧着てんのに

人の頭殴ってんじゃねぇよ!」

俺は、気づくのが遅れていた。

自分の状況がどうなっているのか。

「悪いのは貴様だ!幾ら言っても訳の分からん

寝言を言うばかりで起きぬから!

体に分からせたのだ!」

「てかなぁ!お前夢の中の人間が

人殴って良い訳ねぇだろ!

てめぇはご主人様である俺の安眠の為に

その訳の分からん甲冑脱いで膝枕しとけや

ボケェ!」

「だから!貴様はさっきから夢、夢と、

何を言っている!?これは、全て現実だ!

意識が混濁しているのなら

医者に見てもらいに行け!」

人を頭のおかしい人扱いですかこの女?

1回男の恐ろしさを分からせる

しかないようだな。

紳士な俺は、あまり手荒な真似はしたくは

なかったがそっちがその気なら

この女の為にもやるしかないよな?

俺は、この女をひん剥いてやろうと

考えたその時。


ヒュー ドガーン!!!


どこからともなく俺の5メートル左側を

大砲の玉が落ちてきた。

「ぶべぇ!?」

当然、その風圧で俺は思いっきり

吹き飛ばされた。

そこで、俺はやっと気づいた。

「な!なんだココはぁ!?

なんで俺はこんな戦場の

ど真ん中にいんだよ!?」

「今気づいたのか貴様!?」

「おい女!これはどういう状況で

俺はなんでここにいんだよ!」

「そういっぺんに聞くな!

ここは危ないからとりあえず

貴様は後方へ逃げてお…

貴様逃げるのが早すぎだろ!?」

俺は、女が言い終える前に駆け出した。

そして、俺は音を置き去りにした…

俺は疲れて立ち止まった。

「はぁ…はぁ…ここまで…くれば

安全…だろ…」

俺は呼吸を整えてから周りを見回した。

「こいつら国同士で喧嘩してんのか?

その割には、死体とか落ちてねぇんだな

この国そんなつえーのか?」

と、目の前で兵士が一人倒れた。

「あいつ死にそうじゃねぇか。

助けに行ってやるか。」

そして、俺は死にそうな兵士に声をかけた。

「おい…お前大丈夫か?

俺が手貸してやるからどこに連れてけば

助かりそうなんだ?」

と、言うと兵士は

「む…無念…」と言って消えてしまった。

その瞬間俺は、

「スティィィブゥゥゥゥゥ!!!」

と叫び空を見上げ泣いた。

もちろんこいつの名前なんか知らないので

独断と偏見で名付けました。

と、まぁ…冗談はよしにして。

なんだ今の?消えたぞ!?

あいつの怪我を見た感じそんな酷くなかったし

痛みを感じてる風でもなかった。

・・・これもしかしてゲームか?

BPOが終わってこれに

切り替わったってことか?

ゲームと分かればやる事は決まっている!!

「荒らすぞぉぉぉぉぉ!!!

システムコマンド!オープンザウインドウ!」

呼びかけに答えるかのように

ウインドウが開いた。

そして、俺は武器を選択、装備した。

「しゃあ!テメェら全員俺のKar98kの藻屑に

してやるぜぇぇ!」

早速俺は目の前の、前を向いている

兵士の頭に照準を合わせた。

「馬鹿め!真の敵とは後ろにいるのだよ!!」

パァン!カチャ

しかし、兵士に当たることは無かった。

決して外した訳ではない。

すり抜けたのだ。

そして、何故かウインドウが開いた。

ウインドウには「それは味方です。」

と書いてあった。

「クソ!PK出来ねぇのか?」

いやまて。それは味方です?

て事は、敵はいいってことか?

つってもどれが敵かわかんねぇ…し…

目の前になんだか赤っぽいオーラを纏ってる兵士が

こっちに走ってきてんだけど?

絶対お前敵じゃん。

「あなたはあたしの1人目の標的に

選ばれました。それを評して鉛玉をくれてやろう」

照準を定めた。

パァン!カチャ

すると今度はウインドウに「1名撃破」と、

書かれていた。

やっぱりだぁ!!

赤いオーラを纏う奴らはみんな敵なんだ!

「ふっふっふ。覚悟しな!!」

と、二人目に照準を合わそうとした瞬間


「本日の闘いは終了となります。

皆、自国へと戻り英気を養って下さい。

次回の闘いは2日後となります。

皆様の更なる健闘を期待します。」

と、大きなアナウンスと共に

ウインドウに終了の文字が出ていた。

「はぁ!?まだ1人しかやってねぇんだぞ!

そんなんで終われるかよ!!」

俺は、照準を合わせ目の前の敵兵士に向けて撃った

すると、弾が撃ったと同時に弾け飛んだ。

そして、

「ルール違反には天罰を」と、

ウインドウに出たと同時に俺は雷に撃たれた。

「な…んで…ゲームで…痛みを感…じんだ…」

そのまま俺は気を失った。



「おい!貴様起きろ!」

本日2度目と呼べる俺の睡眠を妨げる女の声を

聴きながら覚醒する俺。

目を開くとさっきの鎧のお姉さんが立っていた。

「はぁー…マジで死ぬかと思った」

「貴様よく「神の天罰」を食らっておいて

無事であったな。

私はもう助からないものと思っていたぞ。」

あぁー?神の天罰?そういう設定のゲームか?

とも思ったが、自分の体に起きた事が

痛みがそれを否定する。

「・・・おい。ここはどこだ。

なんで俺はここにいんだ!」

「ここは【ネビルス王国】だ。

貴様がここにいる理由などは知らん。

貴様が突然空から降ってきたのだ。」

おいおい。俺はシ○タですか?

飛○石なんか持ってましたっけ?

「その空から降ってきたって

どういう事だよ!」

「文字通り「降ってきた」だ。

頭から落ちた時はこいつ死んだな…

と思ったがな。」

えぇー。俺自由落下してたの…

しかも頭からって…

「・・・」

俺もしかしてもう死んでんのかな?

「・・い」

いや。でもさっきの雷痛かったしなー

「おい!」

「なんだよ。」

「貴様。自分の現状を理解していないのか?」

はぁ?何言ってんのこのアマ?

だから今考え・・・

そこで、俺は始めて気づいた。

地下牢のような所で体を椅子に

縛りつけられている事に。

「おい!なんだよ!

さっさとこれ解けや!」

「そうはいかない。

貴様には聞かねばならぬ事があるからな

素直に白状すれば命だけは助かるぞ。」

「誰が!てめぇの言うこと・・・

はい!すいません。俺の知ってる事

全て話します。」

文句を言おうとしたらこの女は剣を首元に

突きつけてきやがった。

くそぉ!覚えてろよこのクソアマ!

「よし。では、まずお前は何者だ?」

「俺は日本生まれ日本育ちの

純天然物の自宅警備員だ!」

「ニホン?貴様適当なことを

言うではないぞ!」

ここ異世界ですね。分かります。

俺は異世界転生を果たしたんですね。

「おい!貴様話を聞いているのか!」

「あぁ!?悪ぃな!

俺は今、異世界に来た喜びを噛み締めている所なんだ邪魔すんな!」

「今は尋問の途中なのだがな?

それを放棄するという事は死にたいという

ことらしいなぁ?」

と、鎧の女はニヤァと口角をあげた。

「すっすいませんっした!

なんでも話すので命だけはご勘弁を!」

「はぁ…何度このやり取りをさせる気だ。

そろそろほんとに殺しかねないから

ちゃんと白状するんだぞ?」

「はぁい!」

俺は元気よく返事をした。

こんな返事をしたのは小学校以来かもしれない

「では、もう一度聞く。

貴様はどこから来た?」

「ニホンです!」

「貴様いい加減にしろ!

私はこの16年間生きてきてそのような地名

など聞いたことがない!」

ですよねー笑

ここ異世界ですもんねー

てか。てめぇ年下だったのかよ!

ほんと覚えとけよ!

「知らないのも無理ねぇさ。

何故なら俺は異世界から来た、

救世主だからだ!」

「きゅ…救世主だと!?

それは本当なのか!」

なわけねぇーだろ笑

意外とお前ちょろいな…

敢えてここは乗っかってやるか。

「あぁ!そうさ!

この国ネビルスを救う為

神の名のもとにここに来たってわけだ!」

「な…なんと!?

そうとは知らず私はなんと失礼なことを!

申し訳ございません!

不肖、リリアン・ネビルス

この命をもって償わせて下さい。」

ネビルスだと?

嫌な予感がする。

「イヤイヤ!そんな気にしなくていい。

とりあえず、これを解いてくれるか?」

「そっそうですね!そちらが先でした。

気が回らずお恥ずかしい限りです…」

そう言ってリリアンと名乗る女は

俺を椅子から解放してくれた。

「ありがとう。リリアン

これでお前の罪を許そう。」

「本当ですか?

なんと心のお広い方か!

流石は神の使いしお方。」

いや。だってお前絶対王女様だろ

そんなん自害させて

俺が神と関係ないってバレた時には…

ろくな運命辿らねぇな。

「気を取り直して、いくつか質問していいか?」

「はい。何なりとお聞きください。」

これはこれで、めんどくせぇな…

「その前にリリアン。俺が神の使いという事はみんなに内緒にしてほしい。

そして、その口調もやめてくれ。

さっきの砕けた感じで

話しかけてくれないか?」

「貴方様の望むとおりに。」

と、言って祈るポーズをとった。

バレないように気をつけよ・・・

「では、質問する。

まず、この国はなぜ戦っている?」

「まず、この世界にはこの国を含む

6つの大国と1つの小国が存在する。

そして、その国々はそれぞれの戦力を

有している。

今までは、持つ戦力を使い殺し合ってきた。


しかし、三日前。

一人の男が世界を改変し、

誰も死なない世界を作った。

そして、男は言った。

「これから始まるゲームで勝ち残った国に

この世界の全ての権利を与えよう!」

と、その言葉通り

この闘いという名のゲームが始まった。

というわけです。」

「つまり。この世界の全てを自由にできる権利為に闘っていると?」

「あぁ。その通りだ」

「で、このゲームのルールと勝利条件は?」

1.誰も死なない。

2.全ての兵士に仮のHPバーが出る。

3.それが全損すると、終了時まで行動不能

4.攻撃方法、攻撃部位によりダメージが変動

5.開始と同時に国の中央に旗が出現する

6.それを奪い、自国へと持ち帰れば勝利

7.先に3度持ち帰った方の国の勝利

8.闘い中、何を行ってもよい

と、主なルールと勝利条件はこんな感じだ。


その時俺は思った。

これはやるしかないだろう!!!

「おい。リリアン

さっきの神の使いってくだり、全部嘘だが

このゲームには俺も参加させてもらうぜ!

こんな面白そうなゲームやらなきゃ損だわ!」

「えっ?嘘だったのか?」

よし、そうと決まったら急いで準備しねぇとな。

「・・・おい。」

「ん?なんだ?」

「貴様は…私をだましていたのか・・・」

そういうとリリアンは剣を抜き始めた。

「いや!?ごめんって!

まさか信じるとか思わねぇじゃん!?

信じたお前も悪いってことでよ。

一旦落ち着こうぜ!?な?」

「許すわけが無いだろう!!!」

リリアンが剣を振り下ろして来たのを

間一髪で躱す俺。

すぐさまリリアンの横をすり抜け地下牢から出た。

そして、

カチャカチャ ガチャ!

牢の鍵を閉めた。

「貴様何をしている!?

私をここから出せ!」

剣を振り下ろしておいて

なに言ってんだこいつ!?

「君は一度ここで反省しなさい。

また後で出しに来てやるから。

まったねー!」

「おい!?嘘だよな?

直ぐに来てくれるんだよな?」

「探索が終わったら来てやるよ♪」

そう言い残し俺は、上の階へと続く階段を登った。

ドアを開けると、一人の兵士が立っていた。

「おいお前!何故1人で出てきている!

リリアン王女はどうした!」

やっぱ王女だったかー

「リリアン王女様は今1人になりたいと言って

地下牢に篭っておられる、俺以外は

誰も近づくなとの事だそうなので

そのように。」

「その様な言葉信じられる訳が無いだろう!

お前王女に何をした!」

と言ってつかみかかろうとしてきたので、

それをかわして事前に用意していた睡眠薬を

口の中にぶち込んでやった。

兵士は速攻寝た。

「やべぇ。俺こんなことしてたら

捕まるんじゃね?」

いや待てよ。やるならもっとド派手にいくか?

・・・・そうだ!!

「ふっふっふ。この国、俺が侵略してやろう!

そうと決まれば王様探しだ!

王様とっ捕まえて全ての権限を俺に譲ってもらう」

それにしてもでけぇ城だなぁ。

どこに王様居んだろ?

とりあえず、更に上の階目指すか。

俺は、今気絶させた兵士から鎧を剥ぎ取ると

それを身につけた。

「うわ。動きづら。

しかもなんかくせぇし。」

だが!これなら隠密行動が可能!

俺はなんて頭がいいんだろうか。

俺は、1階の真ん中にある

大階段を登ることにした。

すると、明らかに大きな扉と

その目の前に兵士が2名立っていた。

あの中に王様がいるってことか。

俺はゆっくり近づくと、

「王様に至急お伝えすべき事がある。

ここを開けてくれ。」

と頼んだ。

「自分の所属部隊と隊の合言葉を言え。」

何それ?そんなんあんのか。

なら仕方ねぇ。

「そんなん知らねぇよ。

いいからここ通せや。モブ」

俺は手に隠し持っていた睡眠ガス入りの

玉を地面に叩きつけた。

すると、2人の兵士は眠り倒れた。

俺はその、2人を横にどかすと

大きな扉を開いた。

中にいるのは、扉の前に全身甲冑の兵士が4人と

奥の真ん中に座ってる白髪混じりの

じじいが王様だな。

俺が1歩、部屋の中に入った瞬間

王様が、「止まれ。」と命令してきた。

それを聞いた兵士4人が俺を取り囲んだ。

「これはどういうことですか?

私は王様にお伝えする事があり、

参ったのですよ?」

それを聞いた王様は、

「この国を俺によこせ。だろう?若造」

とニヤッと笑った。

「あれ?なんでバレてんのかなー?

もしかして、俺のファンか何かじいさん?」

俺は、平静を装った。

「貴様無礼な!」と、俺を取り囲む兵士が

うるさいのでとりあえず薬で眠らせた。

「ほほう。先程からの若造のその技はなんだ?」

「これはな、睡眠ガスっていって主にモンスターとかの捕獲の時とかに使う奴だよっと!

うわぁ!?」

俺は、睡眠ボールを投げた。

瞬間に腕を掴まれた。

さっきまで玉座に座ってた王様が

目の前に立っていた。

俺は急いで、振り払い右に飛び距離をとった。

「ほほう。意外と良い動きをするな。若造」

「じいさん何もんだ。ほんとに王様か?

それにしては動きがバケモンだぞ。」

いや。マジで!

「お前の思っている王がどのようなものかは

しらんがワシぐらいの歳の者はこれが普通じゃ。

そうせんと昔の争いでは、勝てんからな。」

「やべぇな…じいさんの年代…」

と、話しながらも俺は必死に次の策を考えていた。

どうする…?

普通にやりあっても勝てる気がしねぇぞ…

何かいい策は?隙さえあれば…

いや待てよ?

「爺さん一つだけ聞かせてくれ。」

「なんだ。若造?」

「なんで俺が兵士じゃないと分かった?」

「簡単なこと歩き方じゃ。武を修めておる兵士とは

明らかに違ったのでな。」

「それに気づくとか流石だなじいさん。

でもなじいさん。それ嘘だろ?」

「ほほう。なぜワシが嘘を言っていると?」

「俺がそんな歩き方でバレるようなヘマはしない。

ちゃんと歩き方への意識はしていた。

あと、じいさんさっき明らかに俺が投げてくるのを知っていてそれより先に動き始めただろ?

俺にはそんなふうに見えた。

純粋に反射で動けたってんなら賞賛を送るよ

どうなんだ?爺さん。」

勿論、見えてた訳ない。ブラフだ。

「若造のくせによく見えておるな。

ワシの動きを見えていたとな?ハッハッハ!

その通りじゃ。ワシはお前さんが投げてくる事を

知っていた。

ワシには未来を見る力があるからのぅ。

それを聞いてお前さんどうする?

まだやり合うかの?」

「いや。俺の負けでいいぜ…」

「ほう?これまたなぜじゃ?」

「未来が見えるんだろ?

なら俺の次の動きだってバレちまってる。

なら、勝ちようがない。」

「つまらんの。期待したんじゃがなぁ。

では、ここで死んでもらうかの。」

じいさんは、威圧する様に言った。

「はっはっはっはっは!」

「なんじゃ?

気が狂ったかの?」

「俺には価値がある。だから期待もしたし。

ここまで、生かしたんだろ?

なら、それは何故そう判断したか?

じいさんの未来視がそう判断したからだ。

つまり、口ではそんなこと言ってるが

殺す気は全く無いんだろ?じいさん。」

「カッカッカッ!

やはり、面白い若造じゃな。お前さん

だがのう一つ勘違いしておるぞ?

ワシの可愛い孫娘を泣かした。

ワシはお前さんを殺そうかと

さっきまで思っとったところじゃ。」

「はぁ?俺がじいさんの孫娘を泣かした?」

「んなわけないだろ?

じいさんの孫娘、キレて切りかかってくるような

お転婆っぷりだぞ?」

「あの子はな、暗いところを怖がる。

じゃから、はよ出してやれ!

わしの気が変わる前に!」

「まじかよ…わかったよ!」

俺は仕方なくさっきの地下牢へと戻った。

すると、鼻をすする涙目の女の子が、

膝を抱えて座り込んでいた。

「ごめんな?」

「ぐすん…ぐすん…

貴様を絶対に許さないからな…」

涙目で怒っている姿は可愛かった。

「俺、お前のじいさんに雇ってもらったから。

これからよろしくな。リリアン。」

「なんだと!?お爺様がお前を!?」

元のキツイお姫様に戻ったか…残念だよ。

「俺には利用価値があるんだよ。」

「そんなの私は認めないぞぉぉぉぉ!!!!」

と、お姫様は下品に叫んでおられた。

意外に元気じゃん。

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