神、再び
「どうかな、この世界は?」
神は窓の縁に座りながら聞いてくる
「あぁ、久しぶり・・ですね。」
「いいよ、無理に丁寧に話さなくても。この姿にその言葉遣いを維持するのは違和感あるでしょ?」
ふふふ、と笑いながらこちらに向かって歩きベッドに座り込む。
ちなみに俺は一つだけある椅子に座っていた。
「あ、はい、いや、、」
「まぁ適当でいいよ、ふふふ」
なんとなく存在感はすごいのだが、なにせ見た目が少年である。
違和感が半端なく、思わず変な対応をとってしまう。
「それで、この世界はどうかな?」
改めて神はこちらの目を見て質問してくる。
「そうだ、だな、魔力や魔法っていうのはまだよくわからないが、体が自由に動かせる。それだけでもあなたに感謝したい。」
そう言って俺は椅子から立ち上がり深く頭を下げる。
前の世界では仲間の棺か天皇陛下にしかしないものだ。
「ふふふ、いいよ。前にも言ったでしょ、これは神の気まぐれだって」
そう軽い感じで頭を上げるように促された、
「ん?前にも・・・そういえば」
「そう、向こうの世界で僕は言ったよね、もう君に会うことはできないって。」
そうだ、向こうの世界を離れる前そう言われたことを覚えている。
しかし、今現在目の前にその少年はいる、それはどうゆう・・
「少しこっちのほうでも事情が変わってね。君に会うことになったのさ」
そう言いながら一枚の紙をこちらに渡してきた。
「これは・・・・・?」
「そういうことだから。」
神は少し気まずそうに顔を反らす、
「いや、そうではなく・・・」
「ん?どうかしたの?」
俺はその紙を下ろし
「すまない、この字が読めないんだが・・・。」
「へ・・・?」
「すまない・・・」
またしても俺は頭を下げる
「い、いや、いいんだ。あれ?なんでだろ?」
そういうと、顎に手を当てながら考え込む
「うーん、あ、うむ。ごめん少し頭に触るよ?」
そういうと俺を椅子に座らせ、額に手を当ててくる。
するとすぐにボンヤリ額のあたりが青く光る。
「あー、なるほど。そうゆうことか。」
「ん?どうゆうことだ?」
神はなにかを納得したように、何度かうなずく。
「前にも言ったよね、君はあまりにも精神が強すぎるって」
「あぁ、そうだったな」
俺自身は普通より少しぐらい精神面に耐性があると思っている程度ではあるが、
「そのあまりにも強い精神力が僕の力に反発していたみたいなんだよ」
「つ、つまりどうゆうことだ?」
「君の頭の片隅にこの世界の現実を受け入れていないみたいなんだ。こんな世界あるはずがない、きっと死ぬ前に見ている夢なんだってね。」
「な、そんなことは・・・」
「本当に?」
「・・・」
俺は本当にこの世界のことを夢だと思ってはいない。
しかし、それが俺の深層心理までそうと言えるだけの自信はない。
それだけこの世界は前の世界とは違いすぎる。
「でも、徐々にこっちの世界を受け入れつつもあるね」
「そうなのか?」
「少し君の頭に干渉していいかい?」
「それは・・?」
頭に干渉する、少し嫌な予感がする
「別に変なことにはならないよ、少しすっきりした感じがする程度だよ。」
「それなら」
「じゃ、少し目をつぶってリラックスして・・・」
そういった神の手はますます青い光を強くした。