異世界へ⑥
俺はリリの母親より昼ご飯をごちそうになり、さっそく魔法について教えてもらうこととなった。
「トシさんは、魔法がどういったものなのか分かりますかぁ??」
「魔法ですか、正直俺には不思議な力としか。」
事実である、俺の知る限り地球に魔法といったものは存在しなっかた。
もしどこぞの宗教の奇跡といわれるものが魔法だと言われればなんともいえないが。
ちなみにリリは今買い物で出かけている。
「えぇ、その通りなんですよぉ。」
「ん?」
「魔法については今だによくわかってないのですぅ、遠い昔からずっと学者が研究しているみたいなんですが、謎が多いみたいなのですぅ。」
「そうなのか、俺はてっきり何かしらの公式や理論があるのかと・・・。」
「理論ですかぁ?そーいいったものはよくわからないですねぇ。現在わかっていることは魔力は人に生まれながら宿っていること、また、それを使って不思議なことができるといったとこでしょうかぁ。」
ふむ、魔法のことはこっちでもよくわかってないのか。
すると魔法で、日本のアニメや漫画のような派手なことはできないのか。
「ふむ、それでは魔法はどのようなことができるんですか?」
「そうですねぇ、まずは今トシさんにかけてある『翻訳』の魔法みたいな精神魔法でしょ、あとは水を出したり、火種を作ったりでしょうかぁ。」
思っていた以上に地味なものなのか。
まぁ現実はそんなものか。
「国の軍にいる魔法使いの人たちはもっとすごい魔法を使うみたいですよぉ?なんでも戦争で使えるぐらい殺傷力の高い魔法をつかうそうです、怖いですねぇ。」
やはりあるところにはあるのか。
するとそういった魔法については門外不出かなにか、または問題があって一般人には使うことができない可能性があるな。
「そういった魔法は一般の人は使うことが出来ないんですか?」
「そおゆう訳じゃないんですがぁ・・・、単純に体内の魔力が足りなくて発動しないんですよぉ。」
「なるほど、大きな魔法にはそれ相応の魔力を使用する必要があるんですね?」
「その通りですぅ。」
つまり100程の魔力しか持っていないのに500の魔力を使用する魔法については使えないってことか。
「それではぁ、まずはトシさんの魔力量を確認しますねぇ。あまりに少ないと魔力を魔法として顕現することができませんのでぇ。」
それは困る。せめて翻訳の魔法は使える程度あればいいが。。
緊張した面持ちで魔力量の測定を待つ。
今俺は両手を握られた状態でまつ
「あら?あららららら?」
リリの母親、リサさんは驚いた顔をしている、
もしかして魔力が少ないのか?
そうであってもおかしくはないのだが・・・・・。
「トシさんの魔力・・・・・すっごい量ですよぉ?」
「ふむ?」
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どうやら俺の魔力はリサさんいわく、常人の数倍、下手すれば数十倍あるそうだ。
詳しくはよくわからないと言われてしまったのだが仕方ないだろう。
それにしても魔力があってよかった。
これで翻訳については問題がなくなるし、ほかの魔法についても使える可能性がある。
どうせなら魔法を使ってみたいと思っていたところだ。
「それでは早速魔法の使い方をおしえてもらっても?」
「え、えぇ、いいですよぉー。」
「よろしく頼みます。」
「はい、わかりましたぁ。それでは早速簡単な魔法からしてみましょうか。」
「うむ」
最初の一歩といったところか、
+++++++++++++++++++
「ふむ」
「えっとぉー、ここまで魔法を使えない人がいるとわぁ。」
リサさんが申し訳なさそうに俺に話かけてくる。
俺は魔力は膨大な代わりに、それを使用して魔法を使うことにセンスがないようだ。
今まで魔法なんて見たこともないため『魔力を体で感じる』や、『魔力を体外に出す感じ』というのが理解しがたい。
魔法とは魔力を体外に放出し、それに自分のイメージを植え付け火を出したり水を出したりするみたいなのだが、うまくいかない。
イメージしやすい様に言葉を発しながら、つまり呪文のようなことを唱えながらするといったこともしたが、そもそも魔力を感じれていない今では無駄なようだ。
「とにかくぅ、練習してみましょう。」
幸先は悪いようだな。