異世界へ④
村の門の前でリリを見つけた時のことを話す、、
「ふーん、そうなんだ。」
どうやらライはリリに好意を持っているのだろう。
俺の話よりリリをチラチラと見ているようだ
「だけどなんで冒険者でも、兵士でもなにのにそんなに強いんだ?」
「そう!私もそれが聞きたかったの!なんかすっごい高い木の枝までピョーンって跳べるし!」
ふむ、それについては俺も気になっている。もしかすると、ここの世界の住人は魔力によりある程度身体能力を底上げされているため、自力の身体能力にはそこまで高くないのかもしれない。
その分俺は魔力のない世界で身体を鍛えたぶん、更に魔力で底上げされた・・・ってことなのか。
まぁ、今考えても仕方のないことだな。
「俺の出身はここからかなり遠い所でね。そこで少し問題があってな、こっちの方に旅をしてきたんだ。それに前の国で軍みたいなところで働いていてね、それで少し戦いの心得があるんだよ。」
嘘はついてない。
出身の日本は間違いなく遠く、
前職は群であって軍ではなく、なにげに中途半端であった。
それに戦いについては防衛の意味で必要だったしな。
「へぇーそうだったんだ!だから、$%’’(()$#”!?」
「$#&=’??$%&!!」
あぁ、魔法が切れたのか、またリリが棒を振っている。
するとボンヤリとリリがひかって、、いや、光ってるのは俺か。
なるほど、俺に魔法がかかってたのか。
確かにそうではないとライの言葉がわかるはずもないしな。
「す、すいません、言葉わかりますか?」
「大丈夫だ、ありがとう。」
「なんだ?トシはこっちの言葉わかんねぇのか?てか翻訳の魔法知らないで旅とかよく今まで何とかなってたなぁ。」
「俺の国では魔法といったものがなかったんだよ。」
「え?そうなのか?珍しいとこもあるんだなぁ。」
「それなら私のお母さんに習ってみませんか?魔法!」
珍しいのか、こっちではだいぶ魔法が一般的みたいだ。
「いいのか?そんな勝手に見ず知らずの俺なんかのために。」
「そんな!私のことを助けてくれたじゃないですか!それに何もお礼できてませんし。」
助けたっていっても、リリは少し服を切られただけだしな、確かに俺が居合わせなかったらどうなってたかは想像も容易ではあるが・・・。
「そっか、リリの母さんは魔法つかえるもんなぁー。あ、そうそう、盗賊の捕縛の報酬はいよ。」
三人の盗賊はいつのまにか別の衛兵に連れられて行ったみたいで、代わりにライが俺に硬貨のはいった革袋を渡してくる。
「報酬?」
「あぁ、こっちの国では犯罪者は衛兵が預かってその引き換えに捕まえた人に報酬として硬貨を渡すんだよ。まぁかなり安いけどな、あいつらは後々大きな町に連れていかれて恐らくは無償労働か奴隷落ちになるだろうなぁ、過去にもなんかやってそうだし。」
ここは奴隷制度があるみたいだ、奴隷か・・・・。
それと過去の犯罪についてはなんか魔法道具で見ることができるそうだ、それらを考慮して罪の重さを決めるそうだ。
「それより!うちにきてくれませんか?」
リリがぐいぐいと腕を引っ張ってくる。
ライがすっごい目でこっちを見ている。
「わ、わかった。一度リリの母親に会ってみて、もしよければ翻訳の魔法について教えを乞うとしよう。」
「はい、じゃあ行きましょうか。ライ、またね!」
「・・・・・・・。」
ライがすごく睨んでいるがリリは気づいてないようだ、
リリに引っ張られてやっとガンサ村に入ることとなった。