異世界へ②
「あ、あのぉ、、」
少女リリが戸惑いながら話しかけてくる。
「どうした?」
「この人たちどうしましょうか?」
コテンと首を横に傾けながら聞いてくる。
「君の村ではこういったときどうしてるんだ?」
「えっと、村に駐在している衛兵さんに事情を話して引き取ってもらっているかと。前に冒険者の人たちが盗賊を捕まえて衛兵に引き渡しているって話を聞いたことがありますので。」
ほぉ、冒険者とな?それは冒険している人のことか?あたりまえか。
それだとすれば、なんかゲームみたいな感じだな。
「そうか、ならロープとかって持っているか?」
「す、すみません、、、」
確かに普通ロープなんて持ち歩くなぞせんか・・・
それならば、
「なぁ、聞きたいんだが、この木の上のほうにツタみたいのがあるが、あれは丈夫か?」
俺はリリの背にあった木の上5、6メートル先を指さす。
「えっとぉ、どうでしょうか、触ったこともありませんので。」
リリはそう言いながら首をかしげる。
「それならば、」
枝が低い位置にない木だったので、ツタがある近くの枝まで跳び乗ることができた。
「よし」
両手を広げながらバランスを取る。
「え?」
リリは変なものを見るような顔でこっちを見ている。
なんだ?
「ふむ、なかなか使えそうだな。」
ツタを三人を縛ってなお余裕のある程度を銃剣で切って飛び降りる。
「これで三人の手を等間隔に縛ることができるだろう。ん?どうした?」
リリは、ぼけぇーっと目を見開いてこっちを見ている。
「あ、あの、トシさんはどちらから来たんですか?」
なにか変なことでもしたか?
「まずはこいつらを縛ってから話そうか。」
俺は今だに意識がない三人に目を向けて言った。
「そ、そうですね!」
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俺は三人の手を縛り、剣については叩き割った。なかなかに脆い武器だ。
その光景を意識を取り戻した三人は驚愕の目でこっちを見ていた。
そこから俺の言うことをおとなしく聞いて村までの道を引っ張られながらついてきている。
まぁ、顎を砕かれているからまともに話せなさそうだが。
「それで、俺がどこからきたかって話か。」
リリの住んでいる村に向けて歩き初めて少ししたとこで俺は話し始める。
「はい!」
「すまん、やっぱりこの三人を衛兵に引き渡してからでもいいか?」
「え?あ、はい、全然大丈夫です。もし話したくなければ・・・。」
「いや、あまり人に聞かせたくないものなんでな。」
そういいながら捕まえた三人を見る俺に、リリはなるほどとうなずいている。
「ここからリリの村まではどのくらいかかるんだ?」
俺は自分の左腕に着けている腕時計を見て話す。
「それはなんですか?ここからですと、歩いて1時間ほどでしょうか。」
俺の腕時計が珍しいようで、リリが腕をのぞき込んでくる。
「ほぉ、1時間か。もしかして1日は24時間からなっているのか?」
「え?そうですよ?」
リリは不思議そうにこちらを見ている。いや、まだ時計をみてるな。
「あぁ、ここから遠い所に住んでいたんでな。こっちではどうなのかと。」
少し苦しいかな、この言い訳は、
「へぇー、そうなんですか。あれ?いいんですか、ここではなしてしまって!?」
「あぁ、そんなに詳しい話でなければな。ついでに色々と聞いてもいいか?」
「いいですよ!恩人の頼みなら!あ、私のわかる範囲でよければ。」
よーし、じゃあまずは何を聞こうかなっと。
「じゃあ、遠慮なく・・・・」
二人、いぁ、犯罪者含め5人か。
会話しながらリリの村へ向かった。