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自衛官よ、異世界へ  作者: TOCCHIN
2/9

異世界へ

「う・・・・ぅ・・・」


 頭が痛い、ガンガンする


「すぅー、はぁぁー、、だいぶ楽になったな。ん?」


 目の前には見渡す限りの草原、空は快晴。そしてなにより、


「体が動く・・・」


 立ち上がるのもスムーズだ、一年も動いてなかったのにもかかわらず体に違和感を感じない。


「ふむ」


 言葉とは裏腹にうれしさが満ちる。1人少しにやついてしまうが仕方ないだろう。


「それにしても、ここはどこだ?」


 目の前は見渡す限り草原。もちろん後ろもだ。まずはとにかく人に会えるところに行くしかない。

ぐっと伸びをしながら下を見ると小さなカバンがあった。それは俺が自衛官の時に愛用していたアサルトバッグだった。色は黒、なぜここに?


「あの少年、神様が一緒におくってくれたのか?」


 ガサガサと中を漁ると、中には水分と食料、それと銃剣が入っていた。水分と食料は大体節約すると2日分、俺なら一週間は大丈夫そうだ。銃剣は銃の先につけるナイフみたいなやつだ、どうせなら銃をがよかったが贅沢は言えないか。まぁ、これでもなんとかなるな。


「さて、どこへ行くとするか。」


 バッグ背負い、銃剣を腰のベルトに挟む。ちなみに今の服装はTシャツにジーンズ、あとスニーカーだ。全部元俺の物のようだ、これも神様なりの気遣いか。


 町や村、せめて道がないか歩いていく必要があるな。

 

 しかし、かれこれ2時間ぐらい歩いているが、まったく身体が疲れてこない。これは魔力とゆうものが関係しているのだろうか。おそらくこの魔力といったものが俺の体を動かす力を補助しているみたいだ。少し前にダッシュとジャンプをしてみたところ、走る速さは車と同程度、跳躍力は恐らく10メートルは上に跳べたと思う。何とも恐ろしい世界だ。ここの世界の住人は皆、元の世界にいるオリンピック選手より優れているのだろう。


 更に1時間ほどあるいたときである、


「!!!!!!!!!」


 何かよくわからない声?が聞こえてきた。外国語かなにかだろう、もちろんここでは日本語は通用しないであろう。


「いってみるか。」


 人との出会いに不安と希望を持ちながらグッと銃剣を握りしめて走り出す。


 しばらく行くと、ひらけた草原に生えた一本の木のそばに人が複数いた。

 一人は少女?それを囲むように3人の男が剣を片手に何か話している。いや、詰め寄っている感じかな。少女らしき子は木を背に座り込んでしまっている。言葉がわからないから何をしてるか理解できない。ただのナンパ?それとも強盗?じつは少女が犯罪者で3人は警官。とは考えにくい、


 走りながらそんな事を考える。残り50メートルぐらいのところで一人の男が剣で少女の服を切り裂く。

 ふむ、強盗か強姦だろう。残り二人のうち一人がこっちに気づいて何かを言っているが、何を言ってるのかわからん。

 とりあえず到着と同時に一番手前の男の顎に銃剣を鞘ごと殴りつける。


「バキャ!」


 骨の砕けるような音がし、それに気づいたほかの男が俺に剣を振り下ろそうとするが、動きが遅い。

 近くの男の懐に入ると肘で腹部を殴打、崩れた顎にアッパーを入れる。そして最後の男は俺を刺し殺そうとしている。遅い、体を半身に、更に剣に銃剣を添えて横にそらす、勢いよくこっちに来る男の顔にフックパンチを入れて黙らせる。


「ふう、以前と同じように身体は動かせるみたいだな。大丈夫か?」


 そう少女に話しかけるが、いきなり現れた俺に驚いたのか、それとも恐怖したのか目を大きく見開いている。


「#%&=~”!??」


 ふむ、何言ってるかわからんが、仕方ないか。


「!」


 少女は棒を取り出して何かをつぶやき始めた、まさか魔法で俺を殺す気か?

 俺は銃剣を前に出し咄嗟に反応できる態勢を取る、

 しかし少女はこちらに笑顔を向けてくる、その瞬間少女が少し、いや、ボンヤリと光った。


「あ、あのー、言葉わかりますか?」


 ん?今度はこっちが驚きで目を見開いてしまう。


「あれ?通じてない?どうしよう・・・。」


「いや、大丈夫だしっかりと通じている。」


「え!?よ、よかったー、あの、さっきはありがとうございました!」


「いやいや、かまわない。君はこいつらに襲われてた、でよかったのか?」


「あ、はい、このあたりに生えている薬草を取りに来たんですが、、なんか変な人たちに追いかけられてしまって・・・。」


 男のほうが悪人か、確定ではないが恐らくそうであろう。なんとか無実の人を殴って捕まらずに済みそうだ。


「どうしたんですか??」


「いや、それよりもこの近くに町か村があるのか?」


「えっと、小さな村なら・・・。」


「良かった、よければそこに案内してくれないか?」


「わかりました!えっとー、、」


「すまない、トシだ。よろしく頼む。」


「はい!私はリリです!よろしくお願いします。」


 そう笑顔を向けてきたのであった。

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