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この無人島から脱出して見せる  作者: 千内 悠
第一章
2/2

『リミナ島』

───え...嘘だろ...なんで。

助けようと思っても足が動かない

───僕のせいで。

『俺』を押しつぶす罪悪感。

「たすけ...て...───君」



「はぁ!」布団から飛び上がる。

悪い夢を見ていたような気がする。

そのせいか布団がグッショリ濡れている。 「どうなってんだ、」つい声が漏れる。

「霞はまだ寝てる事だし、すこし散歩という名の散策に行ってこようかな?」そう言い『霞基地』から外へ向かった。

「っかここはどこなんだ?見た感じに人どころか動物すらもいないけどなー」

外に出て初めに思った感想がそれだ。

「こんな所で霞は1人で暮らしてたのかよ」

そう言えば霞はかなり嬉しそうにしてた。

「昨日の『霞』がまるで昨日のことのようにって...昨日じゃねーか」一人でボケて一人でツッコんでいる自分が恥ずかしかった。

「ンなことは置いておいて、昨日の霞は俺に積極的に話してくれた、いやー顔からして物静かそうなタイプなのにな」

肩まで伸びた白銀の髪、優しそうな目、顔は丸く誰にでも好かれるような容姿をしている。

「ん?ちょっと待てよ、なんで俺一人称変わってるだ?」前までは僕って言ってたような...そんな気もする...



─────アイツキモくね

────ああマジそうだよね

────『俺』という一人称もキモイんだけどマジ無理、顔にあってねぇし。

─え...?

───え?ごめん居たんだ気づかなかった

───ふざけんな...おまえら


あ、そう言えば『俺』ってキモいって学校で言われたのを陰口で聞いてしまったのだっけ、だから、これまでずっと『僕』の殻に閉じ籠っていた。

もう、その殻に閉じこもってなくてもいいのか、そうか俺はもう俺でいいのか。

「霞はなんて言うかな、やっぱ気持ち悪いって」

「 でも、今のうちに言っておかなければつい俺って言ってしまった時に引かれるかも知れない。

「一応報告するか」

そう言い霞基地へ帰っていった。


「おかえり」玄関をくぐると霞はまるで待ってたかのようにそこにいた。

「ただいま」なぁ霞と言いかけたところで霞が先に口を開いた。

「話したいことがあるこっち来て」そう言い居間へ連れていかれた。

「ここの事教える、ここは『リミナ島』前にも説明したけど無人島、だけどここには二人分食料がある、だから安心して。」

霞はそう言い終え満足気味にこちらを向いている。

「は?待って、もう1回説明してくれ」

全く理解ができない、いきなりここはリミナ島とか、食料がまだあるとか。

「ここはリミナ島という名前の無人島、まだここには二人は暮らせる分の食料が町にある、この家は前にいた漁師たちの寮ここまで大丈夫?」

霞はそう言いながらも続けた

「今からお昼ご飯の調達に行くついでに案内する来て」

霞はそう言い返事も聞かずに出て行ってしまった。

「言っておくけど、ここは時々危険な野生動物が出るから気をつけて」

最後の最後で怖がらせてきた。

「何なんだよ」そう言いながらも霞について行った。


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