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第二話 byてぃむたむ
少ししてタオルを手に持った高瀬が帰ってきた。受け取るために立とうとした。
でも気付いた時、私の視界には天井と……高瀬の顔があった。
「えと…あの…何?」
「濡れてる子猫がいたら…連れて帰りたくならない?」
顔が近すぎて冷静さを保てなくなった。できる限り隠す努力をしている。
「さ、さすが文系の言うことは違うね…ハハ。あ、でも、この体勢はさすがにまずいんじゃない?」
目の前の高瀬の真剣なまなざしが、痛い。押し倒されたベットからは心地よい高瀬の匂いがする。でも今の私には、それが妙にリアルで耐え難かった。
直前までちょっと襲われたりして……と甘い妄想をしていた自分が馬鹿だったと思う。
実際自分より大きな男の人に迫られると、ただただ怖い。
「俺は、その連れて帰った猫とじゃれたいなーって思ったわけ。」
「そんなっ……うそ…でしょ?」
涙が頬を伝う。
「…泣くなよ。俺、こんなことしてまで手に入れたいほど夏目ちゃんが好きだったんだよ。」
「なら、素直に言ってくれたらよかったのに。これじゃ私……」
「高瀬のこと嫌いになりそうだよ……。」
Written by てぃむたむ