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激闘の幕明け

「どうしてこんな時に。」

詩織しおりは嘆いていた。

(私は日頃の行いが悪いのかな。)

昨日も散々相手にした黒狼20匹ほどに囲まれていた。

黒狼たちは綺麗に円陣を作り、詩織を包囲していた。

「今日は朝から気合を入れて髪をセットしてきたのに。」

10年ぶりに出会う幼馴染との再会を楽しみにしてたのに。

さっきメールを送ったら、一緒に学校に行けることになってウキウキしてたのに。

「全くもう。」

ブレスレットが茶色に光、錬成により地面から刀を取り出す。

本当に間の悪い奴らだと思った。

「どうしてくれんのよ!!」

怒声と同時に構えを作り、行動に入る。


炎舞八えんぶはちかた!!」

ブレスレットが赤く光、詩織はその場で回転し始める。

「炎陣!!」

弧を描く太刀筋で、敵をなぎ払おうとする。

しかし、黒狼たちは一歩引いて、詩織の攻撃を受けないようにした。

詩織の刀の軌跡の炎が弧を描いていて黒狼たちが詩織に近づけないように炎の壁を作った。

炎陣は360°の範囲攻撃ではあると同時に、自分の範囲を守るための技だ。

当たったとしてもダメージになりにくいのがネックではあるが、距離を取ることにおいては優秀な技だった。

(だけど、この数相手じゃ守りに入りすぎるのも危ない。まずはこの包囲網を突破しないとね。)

現在20匹の黒狼とは先ほどより距離を取ることに成功したものの、綺麗な円陣を崩さないでいる。

思考を巡らせる。この事態を収拾するための最善の策を。

(やっぱり、一点突破するしかないかな。その後包囲網の外からまとめて炎桜えんおうで決める。全部まとめて、消すことはできなくても、これで状況が少しは改善されるはず。)

そう決めると行動に移すのは早く、すぐに次撃に備えて構えを取る。

右手を後ろに引き、左手を峰に添え。

炎舞参えんぶさんかた!!炎槍えんそう

鋭い突きが炎の渦をつくり、一点へと飛ぶ。

渦は周囲の黒狼たちを飲み込んでゆく。

陣形を崩すことに成功し、突き崩した穴に向けて駆け出す。

(よし。そこを抜けたら、炎桜で。)

「残念。そこは罠ってやつだ。」


そこには周りこんできたであろう二足で立っている狼がいた。

大きさも普通の黒狼の倍はある。

体つきがよく、人間であればボディービルダーのようだ。

「ワーウルフ」、日本語で人狼。抜けようとした穴にはそれがいた。

「魔人」。魔獣が進化した姿。魔獣も生物である以上強くなるのである。

強くなってきた魔獣は形を変えて魔人へと進化するのである。

魔人は魔獣と違い各々の意思を持っている。

知識の面でも成長するため、より強力な相手となる。

しかし、そのため何百の魔獣を倒してきた詩織自体、魔人と出会うのが初めてなほど希少な存在なのだ。

そんな希少な存在が今この場にいた。

先ほどまでは、姿も見えなかったはずなのに。

「なんで、魔人がこんなとこにいるのかって顔だな。魔人には、たまに進化前の姿に化けられる奴がいるのさ。覚えときな。まっ、いまここで死ぬんだけどな。」

高く挙げられていたワーウルフの鋭い爪が、詩織の胸にめがけて振り下ろされた。

(避けられない。)

詩織は死を覚悟した。

走馬灯のようなものが頭によぎる。

お父さん、お母さんの顔。つらかった剣道の稽古。ガーディアン・オブ・スクールでの毎日。

そして、夕陽で少年と約束を交わした時のことも。

(隼人くん。)

恐怖で目をつぶる。


しかし、その爪が自分の胸を貫かないことに詩織が気付くまで数刻かかった。

黒髪の少年がワーウルフの爪を銃で受け止めていたのだ。

(この人ガーディアンの方?)

しかし、その少年はフロンティアの制服を着ていた。

さらに言うと、フロンティアの生徒に銃の魔法具化をしたものもいない。

ならこの両手に銃を持っているのは誰なのか。

そう考えていると、少年はこういった。

「危なかったな。」

少年はそう言って振り向いた。

「大丈夫か詩織。」

その顔は昨日見た写真にいた少年。私の幼馴染、来島隼人くるしまはやとだった。

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