『断片たちの座席』
掲載日:2026/02/01
とりあえず読んでみてください。
Ⅰ
吊り革の白い輪が
ゆっくりと揺れている
Ⅱ
その揺れに合わせて
どこかの陽ざしが
胸の奥で
ひとりでに息をしている
Ⅲ
知らない午後の校庭
沈んだ影だけが
砂の上に残っていた
Ⅳ
そのかけらたちが
私の思考をかすめながら
気づけば座席を満たしていく
Ⅴ
電車は
行き先を告げぬまま進んでいる
私の記憶のかけらたちも
いつの間にか流れてきたのだろう
Ⅵ
窓に映る顔は
私のはずなのに
ときどき
どこか他人の眼つきで
こちらを見返してくる
Ⅶ
次の駅で
降りるべきなのは
私だろうか
それとも
まだ胸の奥で揺れている
あの校庭の影たちだろうか
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