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第25章封じられた扉の向こうに

息を吸うたび、ガラスの破片を吸い込んでいるかのようだった。薄暗い廊下の空気は淀み、胸を圧迫し、肺が縮んでいくように感じられた。彼女には力がある。だが、ユンのように、衛兵たちの盲目的な忠誠心を支配しているわけではない。そして今、彼女はここで、この廊下の角で、身動きが取れずにいた。時間は、容赦なく、彼女を蝕んでいく。


二分。倉庫でサンディと交わした約束が、今や、自身の心臓の鼓動よりも大きく、耳元で時を刻んでいる。時間は、ゆっくりと、同時に、駆け足で過ぎていく。息の詰まる、矛盾。助けが必要だった。だが、周りの壁は沈黙し、助けになりそうな者たちは皆、計画された騒ぎに釣られて、厨房にいる。


その背中は、まだ冷たい壁にぴったりと張り付いていた。動いていない。動けずにいる。


「……ちっ!!」


一言、歯の間から、抑えられた、絶望的な唸り声のように、それが漏れた。彼女は、眉間に深い皺が寄るほど、固く目を閉じた。下唇が、痛むほど噛みしめられる。両手は体の脇で固く握りしめられ、その指の関節は、圧力で白くなっていた。手詰まりだ。


だが、その虚無の中、何かが閃いた。一つの、無謀な計画――いや、これは狂気以上だ――が、彼女の頭の中の霧を焼き払った。その目が見開かれ、壁にぶつかっていた虚ろな視線が変わる。そこには、純粋な絶望から生まれた、冷たい決意の、恐ろしい光が宿っていた。


「……もう、あの手を使うしかない」


一息吸い込むと、彼女は壁から身を離した。ためらいは消え、今や、鋼の決意が、隠れ場所から、シヅとイーグルスの方へとまっすぐ向かう、彼女の一歩一歩を導いていた。


その音のない足音が、静かな廊下に響く。最初に気づいたのは、シヅだった。


「おい、見ろよ」と、シヅは、隣のイーグルスを軽く肘で突きながら、囁いた。「メリサ様がこっちへ来るぞ。」


「何しに、ここへ?」と、イーグルスが、同じように低い声で返した。


「馬鹿!」と、シヅは悪態をついた。「俺に聞くな。」


彼は一歩前に出て、メリサの行く手を遮り、固く閉ざされた扉を守るイーグルスを一人残した。メリサが近づいてきた、まさにその時、シヅは片手を上げ、その手のひらを前に向けた。止まれ、という、世界共通の仕草。威圧するのに、声は必要なかった。メリサの足が、止まる。


「メリサ様、ここで何を?」


その問いは、鋭く、直接的で、彼女の防御を突き刺した。だが、平静の仮面は、メリサの顔に固く装着され、内側で荒れ狂う嵐を隠していた。


「ユンとタイニーに、大事な用があるの」と、彼女は、できるだけ気楽な口調を装って答えた。「そこを、どいてくれるかしら、シヅ?」


シヅは手を下ろし、そして傲慢な仕草で、胸の前で両腕を組んだ。彼は、自分の立場を楽しんでいるかのように、わずかに目を細めた。「申し訳ありません、メリサ様」と、彼はきっぱりと言った。「ここを通すわけにはいきません。ユン様からの、ご命令ですので。」


チッ……!!


か細い舌打ちが、ほとんど聞こえなかった。メリサ自身にだけ、分かるほどに。彼女は長く息を吸い込み、沸騰し始めた怒りを、腹の底へと押し戻した。


「一つ、教えてあげるわ、シヅ……」


メリサは、わざと言葉を区切り、二人の間に重い間を作り出した。シヅはただ黙って、侮蔑するように、わずかに眉を上げた。


「あなたは、奥様に拾われた、ただの平民」と、メリサは続けた。その一言一言は、冷たい正確さで発せられた。「覚えてる? あなたがまだ七歳だった頃。私たちが初めて、あの不潔な場所で会った時のこと。あなたをここへ連れてくるよう、奥様に言ったのは、この私よ。私の助けのおかげで、あなたの人生は、ずっと良くなった。」


シヅの顎が、硬くなった。先ほどまでの傲慢な姿勢が、ほんの一瞬、ぐらついた。深く、深く埋めたはずの記憶が、今、無理やり掘り起こされたのだ。


「私に、感謝すべきよ。あなたの命を、救ってあげたんだから。もし、私がいなかったら、あなたはとっくの昔に、外で死んでいたかもしれない。これが、あなたの、私に対する――」


「うるさいッ!!」


シヅの声は激しく震え、メリサの言葉を遮った。体の脇で握りしめられた両手は、制御不能に震えている。その目は、涙ぐんでいた。「過去のことを、思い出すなッ。俺は……お、俺は……」


彼の防御は、粉々に砕け散った。メリサは、彼の古傷を、正確に突き刺したのだ。人の過去を以て、その精神を破壊する。この、狂気じみたやり方は、成功した。


それまで、ただ黙って観察していたイーグルスが、今、一歩前に出た。このやり取りは、もう、警護の任務の範疇を超えている。対照的な落ち着きで、彼は、二人に近づいた。


「お二人の時間をお邪魔して申し訳ありません」と、彼は優しく言った。だが、その裏には、毅然とした響きがあった。「一つ、私から、メリサ様にお伺いしてもよろしいでしょうか。」


メリサは黙り、彼に機会を与えた。隣では、シヅが、自分を襲う痛みと屈辱を、まだ飲み込もうと苦しんでいた。


「失礼ですが、メリサ様。ユン様とタイニーに、どのようなご用件で、お会いになりたいのでしょうか?」


イーグルスの質問は、尋問のようには聞こえなかった。むしろ逆だ。この熱くなった状況からの、論理的な出口、一つの提案のように聞こえた。


「ミラを探しているの」と、メリサは正直に、飾り気なく答えた。冷たく、きっぱりと。「あの子に、大事な用がある。あちこち探したけれど、見つからなかった。だから、ここへ来たの。もしかしたら、中にいるかもしれないと思って。」


「なるほど」と、イーグルスは呟いた。彼は、今や俯いているシヅをちらりと見て、そして再びメリサを見つめた。二人の間で、無言の理解が交わされた。短く、しかし意味に満ちた、視線の合図。


「それでしたら、どうぞ、お入りください、メリサ様」と、イーグルスの声は、再び、公的なものに戻っていた。「ただ、タイニーとユン様には、私がメリサ様を通したことは、どうか、ご内密に。」


メリサは、一度だけ頷いた。「心配いらないわ」と、彼女は言った。「この秘密は、漏らさない。代わりに、厨房へ行って、サンディに会ってちょうだい。そして、『用事が済んだら、倉庫で待っていて』と、彼に伝えて。」


二人は、素直に頷き、そして踵を返し、歩き去った。その足音は、重々しく階段を下りていき、やがて、静寂に飲み込まれていった。


ドアの前に、一人。メリサは、息を吸い込んだ。衛兵との用件は、済んだ。彼女は一歩前に出た。もはや、遮るものは何もない。その落ち着きは、これから来る、嵐の前の静けさだった。


手が伸び、手のひらに冷たく感じられるドアノブに、触れた。その落ち着いた表情は消え去り、代わりに、氷のように冷たく、剃刀のように鋭い眼差しが宿った。彼女は、ドアノブを回した。


扉は、音もなく開いた。中の光景は、一瞬、彼女の血を凍りつかせ、そして、その胸の内に、地獄の炎を燃え上がらせた。


部屋の中央で、ユンとタイニーが驚いて振り返り、その目は、彼女の突然の出現に恐怖で見開かれている。だが、メリサの視線は二人を通り越し、一脚の椅子に座らされた姿に、釘付けになった。ミラ。裸で、縛られ、口には布が詰められている。その体は、残虐行為のキャンバスだった。紫と、どす黒い赤の痣が、容赦なく、そこを飾っていた。

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