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第24章論理と罠の境界で

古い倉庫の中の空気は重く、鼻をつく埃と、腐った木の匂いで息が詰まりそうだった。忘れ去られたガラクタの山の間で、静寂が息を殺している。メリサとサンディの視線が交錯した。どちらも鋭く、同じ、口に出されない問いを投げかけていた。――ミラは、どこに? 彼女がここにいないことは、良い兆候ではなかった。


「中を調べるべきだ、ミラがいるかどうか――」


サンディの言葉は、空気に溶けて消えた。衝動に駆られ、彼は戸口で凍り付いているメリサを通り過ぎようと、前へ飛び出した。だが、一つの手が、それより速かった。メリサが、その腕を掴んだ。その動きは、素早く、力強い。サンディの動きは強制的に止められ、その体は不意の力に、わずかに後ろへよろめいた。


「待ちなさい、サンディ!」と、メリサは囁いた。その声は、毅然として、低い。彼女は、サンディの体を自分の方へ向かせた。「軽率な行動はしないで! ミラに、本当は何が起こったのか、私たちには分からないのよ。これは、私たち二人を誘い出す罠かもしれない。」


サンディは、少し息を切らしながら見返した。「じゃあ、どうしろって言うんだ?」と、彼は尋ねた。その声は一オクターブ上がり、パニックがその縁を這い上がってきている。「ミラが、ユンおば様とタイニー姉ちゃんに罰せられるのを、黙って見てろって言うのか!? 私たちが練った計画が、失敗するのを――」


再び、その言葉は遮られた。「計画は、失敗しないわ」と、メリサは素早く割り込んだ。その目が、燃えている。「論理的に動けば、ね。」


論理。その一言が、まるで平手打ちのようにサンディを打ち、彼を黙らせた。驚きの声が、その唇から漏れた。


「そ、それなら、今、何をすべきなんだ、メリサ姉さん!?」


その口調は和らぎ、ほとんど絶望に近い、囁き声へと変わっていた。彼は、まだメリサに掴まれている腕を引いた。「この深刻な問題を解決するために、次のあんたの計画は何なんだ?」


メリサは、すぐには答えなかった。二つの質問が、淀んだ空気の中に漂う。彼女は一瞬目を閉じ、パニックで濁り始めた頭脳を、無理やりクリアにしようとした。この混乱の中に、突破口を探して。一秒。二秒。


「アイデアがあるわ!」と、彼女は囁いた。その目が開かれ、先ほど揺らいでいた鋭さが、再び燃え盛っていた。「ただ乗り込むなんて無理よ。使用人たちが、どこにでもいる。陽動が必要よ。」


その視線は、サンディを捉えて離さない。「すぐに行動したいんでしょ。今すぐ、厨房近くの廊下へ行って。そこに、古い陶器の皿を置いた棚があるわ。……何をすべきか、分かるでしょ。」


サンディの目は一瞬見開かれ、そして、理解に満ちた、薄い笑みがその唇に浮かんだ。「少し、騒ぎを起こせばいいんだな?」


「その通り」と、メリサは言った。「盆を落とすか、何かを割りなさい。裏の廊下から、少なくとも一人か二人の使用人を引きつけるのに十分な、大きな音を立てて。それをやったら、私に二分だけ時間をちょうだい。私は、上の階のタイニーの部屋を調べる。誰かを隠すなら、そこが一番、論理的だわ。」


短い頷きが、二人の契約の印となった。もう言葉もなく、サンディは踵を返し、走り去った。その速く、静かな足取りは今、裏口へと向かっている。厨房へと。


メリサは一瞬、呆然と、扉の向こうに消えていくサンディの背中を見つめていた。その影が完全に消えた時、彼女は深く息を吸い込み、覚悟を決め、そして倉庫から一歩を踏み出した。その目的地は今や、明確だった。タイニーの部屋へ。


***


大理石の床と、掃除用具がぶつかるリズミカルな音が、その大きな屋敷の背景音楽となっていた。メリサは裏道を選ばなかった。正面玄関から入り、平静を装って歩いた。だが、その歩き方には、どこか奇妙な点があった。その足は、まるで床に触れていないかのようだった。風の吐息のように、軽い。ヤモリが壁を這うように、そのシルエットはほとんど音もなく、滑るように進んでいった。


部屋から部屋へ、何の障害もなく通り過ぎていく。先ほど、自分とエズ、モモギ、エルヴィンダが話していた場所を横切った時、静寂が、違って感じられた。彼女たちの笑い声や会話の反響が、まだそこに残り、心に影を落としているかのようだ。あの無垢な顔が心によぎり、肩の荷が、さらに重くなる。彼女は小さく首を振り、その記憶を追い払った。この任務は、それよりもずっと重要だ。


焦点は、ただ一つ。タイニーの部屋。ミラが、そこにいるかどうか、確かめなければ。


再び、歩を速める。だが、ちょうど子供たちの食堂近くの廊下で角を曲がろうとした、その時。台所の方角から、耳をつんざくような爆発音がした。陶器が粉々に砕け散り、続いて金属が床に叩きつけられるけたたましい音が響き渡る。


サンディからの、合図だ。


(ちっ、思ったより早かったわね!)


と、彼女は内心で悪態をついた。


反射が、彼女の体を乗っ取った。物音の源へと、使用人たちが大挙して駆けつけ始める足音が聞こえた、まさにその瞬間、彼女は影へと飛び込み、身を隠した。その隠れ場所の隙間から、彼女は観察し、耳を澄ませた。使用人たちのパニックは明らかだったが、彼女が探している二つの声は、そこにはない。タイニーの声も、ユンの声も。


「思った通り」と、ほとんど聞こえない声で彼女は呟いた。「あそこにはいない。間違いなく、上にいる。」


廊下が再び静まり返った後、メリサはそびえ立つアンティーク時計の棚の陰から、こっそりと抜け出した。一秒一秒が、あまりにも貴重に感じられる。一歩一歩が、賭けだ。呼吸が荒くなり、女主人マトリアークの執務室の倉庫での、恐ろしい記憶の断片が脳裏をよぎり、彼女のアドレナリンをかき立てた。


今や、彼女はますます近づいていた。あと、ほんの数ドア。だが、廊下の突き当たりの光景が、彼女を、完全に立ち止まらせた。まるで、見えない壁にぶつかったかのように。


タイニーの部屋のドアの前、二つの屈強な影が、石像のように微動だにせず立っていた。シヅとイーグルス。孤児院の規則に最も忠実で、最も狂信的な、二人の衛兵。彼らを通り抜けることは、不可能だった。


メリサは急いで後ずさりし、廊下の角の壁に、背中を押し付けた。心臓が激しく打ち、その目は、二人の衛兵から離れない。


「どうすれば……?」と、彼女は震える声で、自分自身に囁いた。「なんで、あいつらがここに?」


綿密に練り上げたはずの計画が今、粉々に砕け散る寸前だった。サンディに約束した二分という時間が、急速に縮んでいくのを感じた。


(もし、私が『奥様がお呼びです』なんて理由で目の前を歩いたら、間違いなく、すぐに怪しまれる)と、彼女の心は絶叫していた。


冷や汗が、こめかみを伝い始めた。彼女は、痛むほど強く下唇を噛み、両手は体の脇で固く握りしめられていた。


(危険すぎる……軽率な真似はできない……でも、どうすれば!?)


皮肉なものだ。どんな状況でも、常に冷たい論理に頼ってきた自分が、今や、燃えるようなジレンマの罠に嵌っている。思考は、行き詰まっていた。どれだけ必死に考えても、シヅとイーグルスが、どんな策略にも揺るがないだろうことは、分かっていた。彼らにとって、命令は、絶対なのだから。そして今、メリサは、その命令が何であるかを、知っていた。――何人たりとも、通すな。

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