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第23章オリヅルランの記憶

幼い顔、顔、顔――エズの恐怖、モモギの無邪気さ、エルヴィンダの眼差し――が、メリサの脳裏をよぎり、その足に絡みつく重い鎖となった。心配が、息が詰まるほど固く彼女を締め付ける。あの子たちから遠ざかる一歩一歩が、裏切りのように感じられた。


彼女は、正面玄関の戸口で、ぴたりと立ち止まった。その手は、空中でさまよっている。


(行かなきゃ)と、彼女は心の中で囁いた。疑念と戦うための、呪文のように。(あの子たちのために。今、私が諦めたら、あの子たちの命が危ない)


その決意が、新たな力を体に注ぎ込んだ。手のひらが、冷たいマホガニーの木に触れる。大きな扉を音もなく引き、外からの光の筋が、廊下の薄暗がりをゆっくりと追い払っていった。


扉が半分ほど開いた時、見慣れた前庭が彼女を迎えた。その視線は、テラスの隅にある、二つの古い素焼きの鉢に釘付けになった。その中では、彼女が幼い頃から世話をしてきたオリヅルランが青々と茂り、白い縞模様の入った緑の葉が、まるで挨拶するかのように、優雅に弧を描いていた。


苦い、薄い笑みが、その唇に浮かんだ。その植物は、過去からの亡霊のようだった。彼女を、ある晴れた朝へ、そして、「奥様」という言葉がまだ温かく感じられた、あの頃へと引き戻していく。


***


湿った土と、刈りたての草の香りが、空気に立ち上っていた。


「メリサ……その植え方、間違ってるわ。」


デルヴィの、土にまみれた大きな手が、メリサの小さな手を優しく導いた。


「えっ!? 本当ですか、奥様?」と、幼いメリサが、その無垢な瞳を丸くして尋ねた。


デルヴィの笑い声は、温かく、軽やかで、普段彼女を覆っている支配者のオーラを、一瞬だけ消し去った。「深さが、浅すぎるの。もっと深く掘らないと、後で根が外にはみ出してきちゃうわ。」


幼いメリサは、感嘆と困惑が混じった目で見つめるだけだった。奥様が小さなシャベルを器用に使って、穴を深くしていくのを、ただ見守っていた。デルヴィが汚れた手の甲でこめかみを拭い、そこに土の跡を残すと、メリサは反射的に、自分の師を真似て、同じ仕草をした。


それを横目で見て、デルヴィの笑いが、また弾けた。執務室の書類の山からくるストレスの塊が、その笑い声と共に溶けていくかのようだった。訳が分からず、メリサはただ、気まずさに顔を赤らめるだけだった。


「な、なぜ、笑うのですか、奥様?」と、メリサはどもりながら尋ねた。


「ううん……」と、デルヴィは小さく呟き、首を振った。メリサが予期せぬうちに、その大きな手が上がり、彼女のこめかみに触れた。冷酷な命令に署名できるその指が、今や、優しく、彼女の顔の土の汚れを拭っている。「あなたは、本当に器用な子ね。……いつか、私の子供も、あなたみたいになってくれるといいのだけれど、メリサ。」


支配者の顔に、心からの微笑みが浮かんだ。そして、幼いメリサにとって、その微笑みは、彼女の世界全体を照らす光だった。


「よし!」と、デルヴィは元気よく言い、手を引っこめた。「さあ、その苗を土の中に入れて!」


「うん!!!」


元気いっぱいの返事と共に、メリサはその花を植えた。彼女が忙しくしている間に、デルヴィは立ち上がり、少しの間その場を離れた。数分後、彼女は戻ってきた。メリサは、静かな朝の光の中で輝いて見える、燃えるような赤い花弁のヘリコニアに水をやっているところだった。


「メリサ……」と、デルヴィは、両手を背中の後ろに隠しながら、呼びかけた。「あなたに、あげるものがあるの。」


「何ですか、奥様?」


「じゃーん!」


デルヴィは、小さな鉢を差し出した。


「これは、私のお気に入りの観葉植物。オリヅルラン、学名は『クロロフィツム・コモスム』っていうの。アメリカで買ってきたのよ。今日、たくさん手伝ってくれたから、そのお礼。」


お礼? メリサは、呆然とした。


「お、奥様、本当にこれを私に? きっと、お値段――」


デルヴィは、メリサの右手を掴んで、その言葉を遮った。「値段のことなんて、気にしないで。大事なのは、この子を、きれいに育ててあげることよ。」


メリサは、震える手でその鉢を受け取った。その心は、溢れんばかりの幸福感で満たされていた。


***


その記憶はあまりにも鮮明で、あまりにも温かく、胸を焼くようだった。メリサは、はっと我に返り、冷たい現在へと引き戻された。彼女は激しく頭を振り、目の前で微笑むデルヴィの幻影を追い払おうとすると、急いで庭を横切った。


乾いた午後の風が、裏の倉庫へと急ぐ彼女の顔を打った。庭には使用人の姿は見えず、全ての雑務は屋敷の中に集中している。ただ、遠くで麦を育てる農夫たちを、挨拶も交わさずに通り過ぎただけだった。


ほどなくして、古い倉庫の建物が、目の前に現れた。彼女は、その重い木の扉を押した。蝶番が、静かに軋む。


そこには、サンディが、もう待っていた。だが、静かに立っているのではない。腕を組み、不機嫌そうな顔で、行ったり来たりしている。


「遅いよ、メリサ姉さん!」と、サンディは開口一番に言った。


「ごめんなさい。エズとモモギとエルヴィンダに、少し足止めを食らって」と、メリサは答え、その目はすぐに、薄暗い倉庫の隅々へと走った。「ミラはどこ?」


「それを、あんたに聞こうと思ってたんだよ」と、サンディは、腕を下ろして言い返した。「さっきから、俺一人だけなんだ。それに、知ってるか……?」


メリサは、黙って、続きを待った。


「退屈で死にそうだったんだ!!!」と、彼は唸った。「もう三十分も待ってるんだぞ! 遅刻だ! むかつく! むかつく! むかつく!!!」と叫び、まるで飴玉をもらえなかった子供のように、色褪せたタイルの床を足で踏み鳴らした。


メリサは、その小さな嵐が収まるのを待った。彼女は背を向け、外に広がるトマト畑に目をやりながら、頭を高速で回転させた。廊下からここまでの道のりを再生し、見た全ての人物を、心の中で点呼していく。


「シルヴィ、ベル、マルシャンダ、ミホ、ササ、ダウニー、テア、ミエ」


全てが、普通に見えた。誰もが、それぞれの持ち場にいた。だが、何かが足りない。何かが、おかしい……。


「待って!」


そして、稲妻の一撃のように、彼女は気づいた。目が見開かれる。(……ああ!)


彼女は素早くサンディの方へ向き直った。彼の怒りは、もう少し収まっていた。


「サンディ!」と、彼女は鋭く呼びかけた。「さっきここへ来る途中、タイニーとユンを見なかった!?」


その二つの名前を聞いて、サンディの甘えた声は一瞬にして消え去った。その子供っぽい顔は硬くなり、真剣で、警戒に満ちた表情へと変わった。


「み、見てない……」と、彼はためらいがちに答えた。恐ろしい可能性が二人の心に浮かび、その目が大きく見開かれる。「まさか……」


「ミラが、タイニーとユンに連れて行かれたんだわ!」と、メリサは素早く続けた。二人は互いを見つめ、その表情は同じように強張っていた。彼らの計画が、始まる前に、既に崩壊してしまったことに気づいて。

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