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第21話嘘の終わり、真実の扉

サンディの質問は容赦なく浴びせられ、メリサは嘘の盾を、一言、また一言と、積み上げていくしかなかった。喉から滑り出る嘘の一つ一つが、喉を掻きむしる砂のように感じられた。しゃがれて、痛い。彼女は顔をそむけた。サンディの突き刺すような視線にも、ゆっくりと光を失っていくミラの瞳にも、もう耐えられなかった。


「私は……ただ、ジャミル様のことが、心配だっただけです。」


その名前が、彼女の最後の短剣だった。そして、その武器は、的確に的を射抜いた。


隣で、ミラは、見えない平手打ちを食らったかのように、はっと息を呑んだ。その瞳の輝きは弱まり、そして消えた。見慣れた虚無が、そこにはあり、メリサの心をも抉った。


だが、サンディは揺るがない。その眼差しは、もはやパニックに陥った少年のものではない。縄張りを偵察する、捕食者のものだ。その目は、空っぽの玉座のような椅子をなぞる。目の前の、きれいに磨き上げられた大理理石の床に目をやる。引きずられた跡も、争った形跡も、ましてや、一滴の血痕すらない。完璧すぎるほどの、この整然さこそがおかしいのだ。メリサの発言よりもずっと大きな声で、嘘を叫んでいた。


少女は、何かを隠している。そして、そのやり方は、ひどく、上手かった。上手すぎた。


サンディは、長く息を吐き、無駄な視覚的探索を打ち切った。物理的な証拠は、ここには見つからないだろう。別の角度から、攻めなければ。彼は振り返り、まだ床を見つめて固まっているメリサを、まっすぐに見据えた。


「一つだけ、質問があります、メリサ姉さん。」


メリサは、苦い味がする唾を飲んだ。隠そうとしたためらいと共に、彼女は口を開いた。「どうぞ。他に何を聞きたいの、サンディ?」


「俺は、メリサ姉さんが寝る前に話してくれた物語に出てくる、サム探偵じゃない」と、サンディは言った。その声は、落ち着いているが、鋭かった。「証拠を見つけるのは得意じゃないし、あなたの言葉の全てを理解できるほど、頭も良くない。」


メリサの世界が、間違った軸で回転したかのようだった。これは、彼女の知っているサンディではない。世界を救うという大きな野望を抱いた、無邪気な少年ではない。驚くほどの大人びた口調で発せられたその一文は、彼女から千もの言葉を奪い去った。


サンディの隣で、ミラの息が詰まった。先ほど沈んだ心臓が、今や鼓動を止めたかのようだ。血が、血管の中で凍り付き、今しがた弟が口にした言葉を、消化できずにいた。


「でも、何か、腑に落ちないことがあるんです」と、サンディは続けた。不意の、俊敏な動きで、彼はメリサの後ろに回り込んだ。女主人マトリアークの執務室の静寂の中、ジッパーが下ろされる音が、甲高く響いた。


「鞭の跡も、痣もない。腕にも、足にも、背中にも。」


メリサの背中がこわばり、肌に触れる冷たい空気の感触を感じた。サンディの声が、今度は、すぐ耳元で、再び響いた。「あなたは何をしたんですか。そして、本当は何を隠しているんですか、メリサ姉さん? なぜ、正直に話してくれないんですか?」


再び、静寂が場を支配した。だが、今やそれは、より重く、より息苦しかった。サンディの言葉の一つ一つが、見えない棘となって、メリサの防御の心臓へと、まっすぐに突き刺さる。


彼女の砦は、崩れ落ちた。嘘にはもう、隠れる場所などなかった。


真実だけが、唯一の出口だった。どれほど、苦い味がしようとも。


一世紀もの時間をかけているかのような、ゆっくりとした動きで、固まっていたメリサの唇が、ついに、持ち上がった。「すべてを、話すわ」と、彼女のかすれた声が言った。「でも、一つだけ、条件がある!」


彼女はその言葉を宙に漂わせ、ぎこちない指つきで、背中のジッパーに手を伸ばそうとした。頼まれもしないのに、サンディが一歩前に出て、その手が、手際よくジッパーを一番上まで引き上げた。その後、彼は再びメリサの正面、ミラの隣に立ち、待った。


緊張した数秒間の後、ようやく、サンディが答えた。


「その条件とは?」


「この秘密は、誰にも言わないこと。シルヴィにも、ジャミル様にも。」


メリサは顔を上げ、二人の子供を、彼らが今まで見たことのない眼差しで見つめた。真剣で、絶望的な眼差し。


サンディとミラは、互いに視線を交わした。無言の会話が、二人の間で行われる。短い頷きが、答えとなった。


「はい。この秘密は、誰にも言わないと約束します。」


答えたのは、ミラだった。その声は、毅然として、確固たるものだった。そのルビーの瞳は再び燃え上がり、驚きから生まれた、新たな確信を映し出していた。


それで十分だと感じ、メリサは深く息を吸い込んだ。わずかに震える人差し指が、固く閉ざされた一つの扉へと向けられる。その瞬間、サンディとミラの目もまた、メリサが指し示したものを追った。


「あの部屋の中で」と、彼女は言った。「私は、デルヴィ奥様を、血まみれで意識がなくなるまで、殴りました。」


「なんだと!?」


サンディの叫び声が、鋭く、信じられないという響きで、空気を切り裂いた。隣では、ミラが両手で口を覆い、その目は恐怖に見開かれている。


「理由が知りたいのなら、黙って、私の話を遮らずに聞きなさい!」と、メリサは一喝した。


反論はなかった。サンディとミラは、その場で凍り付き、待った。


「強制されたから、やったの」と、メリサは続けた。その声は、今や震えていた。「あの部屋の中には、子供たちの写真が何枚もあって、『売却済み』と『失敗作』っていう印が押されてた。つまり、この孤児院の子供たちの中には、街の貴族の家に、一度も養子に行かなかった子がいるってこと。健康で、孤児院のルールを破らない子は、『売却済み』の印。逆に、ルールを破った者は、罰を受ける。」メリサは一旦言葉を切り、唾を飲んだ。「……すなわち、『死』よ。」


メリサの口から出る言葉の一つ一つが、氷の塊のように感じられた。冷たく、致命的に。孤児院の暗い秘密は、ついに暴かれ、嵐のような力で、サンディとミラを打ちのめした。


サンディにとって、それよりもっと恐ろしいことがあった。『ルール違反』と『死刑』。その言葉が、耳の中で木霊する。背筋を、冷たいものが駆け下りた。彼は、自覚していた。自分が、あまりにも多くのルールを破ってしまったことを。彼の運命は今や、あの倉庫の中の支配者が、失神から目覚めるまでの、時間の問題だった。


「メ、メリサ姉ちゃん」と、ミラがか細く呼びかけた。その声は、途切れていた。「う、嘘だよね……? 冗談、言ってるんだよね……?」


「嘘じゃないし、冗談も言ってないわ、ミラ!」と、メリサはきっぱりと言い返した。「この目で、見たの。だから、ここから出ようって言ってるの。一刻も早く。」


「どこへ?」と、ミラは再び尋ねた。その声には、明らかなパニックが滲んでいる。「どこへ行けばいいの? 私たちには、この孤児院以外の家はないし、外には、この罰から匿ってくれる家族もいないんだよ。」


「あるわ!」


メリサの声は、二人の疑念を断ち切るように、毅然として、確信に満ちていた。彼女は、目の前のパニックに陥った顔を見つめた。「もし、私についてきてくれるなら、あなたたちは、この全てから助かる。」その眼差しは二人を捉えて離さず、今しがた二人を襲った嵐の真ん中に、一筋の希望を、約束していた。

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