表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

色々と頭が痛い


その日は不思議な夢を見た


昼間に、リリアンと連れ立つ皇子を見たせいだろう


2人が腕を組み、マーケットを歩いているのだ


そして屋台に無造作に置かれたパンを買い、何の躊躇もなく頬張るのだ


「あり得ないわ…」


目が覚めると、私は思わず呟いた


昨日ロイから聞いた話ではリリアンは男爵令嬢、しかも母はメイドだという話だった


第二皇子と同じクラスなのは、学園で彼女が困らないよう、目を配れるようにとの配慮からだという


王立学園では、王族も婚約者も規範となるべき存在で、生徒でもあり運営に回ることもある


そのため互いに学ぶことも多く忙しく、恋人らしく過ごすことはほとんどなかった


私が痛む頭を揉みながらぼんやりしていると、マーガレットがいつものように


「おはようございます」と部屋に入ってくる


今日はカミリアとマーケットに行くと伝えたので、マーガレットはいつものお仕着せではなく生成りのワンピースを着ていた


そしてまだ何の身支度もしていない私を見ると、「お加減が悪いですか?」と、額に手を当ててきた


「夢見が悪かったの…」


私がこめかみを揉みながらそう答えると、マーガレットはポケットに忍ばせていたハッカ油を私のこめかみに塗ってくれる


「気休めですが…」と言うが、ハッカの冷たさで少しだけ頭がスッキリした気がする


「ありがとう…」


そう言ってようやく、のろのろとベッドから足を降ろした


マーガレットは本当に今日出かけるのですか? と心配していたが、私は「大丈夫」と笑ってクローゼットを開ける


途端、若草色のワンピースを取り出す映像が頭に浮かび、無意識なのか私は同じようにそのワンピースを取り出していた


「いいお色ですね」


マーガレットはそれを褒めて、緑の靴と薄いコートを取り出した

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ