夢じゃなかった…
翌朝になると、昨日のことは悪い夢だったのじゃないかと思えてきた
いつものように身支度を済ませ、いつもよりはぎこちないマーガレットとともに登校し、いつも通りに授業を受ける
そしていつものようにカミリア、ロイと落ち合って食堂へ向かう
席を確保していると、食堂の入り口がわっとどよめいた
思わず3人ともが目をやると、そこには皇子が昨日の女生徒に腕を取られて入ってくるところだった
ロイはさっと私を背中に隠し、カミリアは柱の影になる席へと私の手を引いた
「じゃ、座ってて。ローズの好きなAランチ取ってくるから」
ロイは何ごとも無かったかのように言うと、カミリアとともに食事を取りに行った
私は、夢じゃなかったんだなぁ…とため息を吐いた
そして昼休みの間、皇子と同じクラスのロイに、一体どういうことなのかと詰め寄った
ロイは女生徒が一方的に付き纏っているのは知っていたが、そこまで仲が進展してるとは知らなかったと答えた
昨日起こったことも、教えてもらっていないらしい
けれどそもそも、リリアンは男爵家で差がありすぎるとロイは訴える
カミリアも頷き「さすがに不敬ですわ。きっと何か、気の迷いです!」と断言し、
そんなことより、明日は気晴らしにマーケットに行こう、と提案をした
ロイは「さすがに明日は…」と渋ったが、私は行くことにした