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9話 ギルド集会①

 僕がカウンターの奥に座っていると…マリアがやって来た。

「レン。依頼書ってどこにあるのか分かるか?」

「依頼書?そう言えば依頼書ってどこだろう?」

「依頼書か。あぁ確か向こうの柱にギルド連盟からの依頼書が貼ってあるだろ?であそこのカウンターにあるのがウチで独自に受けた小口の依頼だぜ。姐さんのレベルなら前者の方がいいだろうな」

ルドルフは魔術書に視線を止めたままそう答える。

「そうか。感謝する」

マリアは壁の掲示物を見始めた。そう言えばギルド連盟って何なんだろうか?

エレーナに尋ねると彼女はこう説明してくれた。

「ギルド連盟はこの帝都のギルドが加盟しているものですよ。マスターにはお話しませんでしたっけ?」

「聞いてないよ!それよりもギルドって言うものには連盟があるんだね…」

「そりゃギルドなんだからありますよ。互いに情報を共有したり、共同で鍛えたり、何なら時には共闘することもあるんですからね。近々集会日です。ぜひ新米マスターとして親睦のために出てください」

そう言って僕に手紙を手渡す。そこには『ギルド連盟定期会合のお知らせ』とあった。


中には『拝啓~』から始まり、最初に美辞麗句を並べギルドの運営管理に感謝していること、近々盗賊や敵国の蹂躙がひどくなっていること。定期会合の日程などが書かれていた。少し堅苦しいけどね。仕方ないギルドについてより知りたいし行こうかな。



 帝都の端にある『ユニコーン』は中堅の歴史あるギルドである。その中では数人のギルド職員がせわしなく動き回っており、その忙しさは誰でも分かる。ギルドの定期会合は各ギルドの持ち回りとなっており、この中堅のギルドでも様々な準備が行われていた。

 しかし顔は暗い。それも当然彼らにとってギルドの集会など歓迎できたものではない。なぜかと言うと…

「あぁまた冒険者同士がケンカすんのかなぁ…」

ある職員がつぶやく。

今まで何回も手伝っていれば分かるがギルドメンバーは武人が多くその分荒くれ物が多いと言われている。そんなギルドメンバーが一堂に会してしまえば、起こるのは喧嘩だ。

ただでさえいるとケンカすることが多い連中を更に濃縮するという自殺行為。この会合中いくつ拳で机が貫かれるかで賭けが成立するレベルだ。どこもやりたがらないため結果として全員で持ち回りにしてある意味平等と言うことにしているのだった。


「おい!酒を持って来い!」

冒険者たちは酒が入っているようで声も大きくなっている。会議中に酒を飲むとかあまりにも非常識ではないかと言うものもいるかもしれないがこれが常識だ。


こうした冒険者の群れに向かって走る馬車が一台。大きさはそれなりに大きく、車輪は大きい。これを見た冒険者の一人が言う。

「あれは『ケルベロス』か?」

「あぁあのマスターが行方不明になって以来中々後継が決まらず荒れてるっていうギルドか?」

「少し喧嘩吹っ掛けるかな?」

「やめとけ。あそこの連中はまともじゃねぇよ!」

冒険者たちが馬車の周りに集まる。

そして中からある人物が下りて来たのだった。

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