28話 言論は戦闘に勝ることもある
御前会議が終了し、皇帝が退出した後で僕らは楽になる。
「いやぁ~良くあの流れの中で言えたねレン」
「し、新人が出過ぎた真似を……生意気ですみません」
「ハハハ!いいよいいよ。あの貴族連中も陛下への忠誠心はあるし根が悪い奴らでもないんだけどさ、もう少し実情も知ってほしいよね。抑えの一人であるアランがフェードアウトした後の治安の悪化の可能性についてもさ。大体本人不在で裁判ができるかってんだ」
カナタはそう僕をたたえた。次いでアリーシャも口を開く。
「でも凄く分かりやすい説明だったわよ。この年にして弁舌家の素質があるわね。その説明で靡いた貴族衆も多かったと見るわね」
「あの交渉力は凄かったな。本当に戦闘以外何でもできんじゃねぇか?」
もう一人いたギルドマスター「サーペント」のガイルも声をかけてくる。
「まぁレンのスタータス一覧では弁舌能力も交渉能力もカンストだから当然さ!」
「そうですか。お二人ともありがとうございます」
僕は二人に頭を下げる。
席にはまだルーン子爵たち貴族がいる。
「貴族の方々もありがとうございました」
僕が頭を下げると貴族たちも
「うむご苦労」
「ごきげんよう」
等と挨拶を返してくれる。ルーン子爵に目を向けると
「フン。陛下の前であれだけ賛成取り付けられたら何も言えんわ。運が良かったわな」
相変わらず苦言を呈していた。
「ルーン子爵もありがとうございました」
「礼を言われる筋合いはないがな……これからワシらは作業だよ。貴様らが言ったタイガの処断に関する作業はワシら下級貴族が行うのだ」
ルーンは頭をかく。
「まぁルーンだって貴族なんだから仕事はちゃんとしないと」
「王家の分家で公爵家の次男坊のカナタさんはお気楽なことで。幸せ層で良かったです」
ルーンはカナタにも苦言を呈するが彼は笑顔を崩さず、僕に耳打ちする。
「ルーン子爵はね。好いていた人がギルドに入っちゃって幸せそうにしてるからギルドが気に入らなくてしょうがないんだ」
めちゃくちゃ人間的じゃん!
「何か仰いましたかね。最強ギルドのエリートマスターさん?」
「ハハハ!ここはこのフェニックスのマスターにして公爵家の血筋のカナタが書類は手伝ってあげるからさ」
そうカナタは言って僕とアリーシャ。ガイルを連れて部屋を出て行った。
「そういえば今日はアランさんいなかったけどどうしたのかしら」
「議論対象かつ陛下に合わせる顔が無いとかでってことで不参加だったみたいだぜ」
アリーシャの質問にガイルが返答する。
「へぇ~アランってめちゃくちゃ堅苦しいね……まぁ処分も何もないし後で会いに行こうよ」
「まぁそうだね。ほらここが詰め所だから護衛を迎えに行こう」
「喧嘩してないでしょうね……」
「まぁアーロンとマリアはそう言うところあるかもしれない……」
「この前どのマスターが最強かで大揉めしてたわ」
そういう議論もあるのか・まぁ4人とも強そうだからなぁ……
「まぁ僕のギルドメンバーはそんなことないよ」
「ふぅん。レンのギルドはどうして揉めないのかしら」
僕は深呼吸して続けた。
「僕は戦闘能力最弱だから最弱のマスターはすぐに決まるから!」
僕がそう言い放つと三人はキョトンとした顔をしていた。




