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25話 皇帝陛下との謁見

 カナタの案内で僕らは王城の中を進んでいく。いくつかの角を曲がるとそこに大扉が存在した。


「廊下も広いね。ギルドの廊下の10倍はあるよ」


「まぁいろんな種族がいるからな。巨人族でも通れるくらいのサイズさ」


 まぁアーロンとかも通るわけだしそんなサイズなのかな?それにしても巨人族か……あったことないけどどんな種族なんだろう。


「ここが会場の大広間だよ」


 カナタはそう言って僕を案内する。


 マリアとアーロンに関しては武器を預かられ、大扉の外に待機させることにした。


「陛下。ケルベロスのマスターを連れてきました」


 カナタがそう紹介すると扉がまた自動で開く。


「凄い……王城ともなると技術も進んでるんだね」


「まぁ世界にはもっと技術の進んでいる地域もあるみたいだけど。それこそ古代文明の技術とかは貴族階級でもマニアが絶えないよ」


 カナタは僕に小声でそう伝えた。



 下の広間から三段くらい上にある玉座に座した皇帝は引き締まった顔をした壮年男性だった。身体の大きさは普通だが中にある筋肉は相当なものだ。事前に調べた情報では若い頃はS級冒険者として活動していたという。今は流石に引退したようだが纏う雰囲気は強者そのものだ。


「貴殿がケルベロスのマスターレンか?」


「は、はい!」


 声で威圧されて僕のもとから小さい身体が小さくなる感覚だった。

「そう固くなるでない。我は民と近くなりたいのだよ」


「そうですか。恐悦至極に存じます」


「貴殿の出身はどこかね?」


「帝都から離れたヒスイ村です」


「ヒスイ村か……辺境伯の吸血鬼一族の領地だったか」


「はい良くご存じですね。感心いたしました」


「これでも昔は冒険者として前線で活躍していたのでな。とは言っても現役時代あの方向に遠征することは少なかったが」


 この皇帝、中々知識を持っているらしい。これは侮れないぞ……


「貴殿中々目上の者との付き合いに慣れておるな?」


 早速気づかれた。


「実家が伯爵家の出入り商人だったもので。子供のころから良くついて行かされたんです。ルナ嬢は当ギルドに冒険者登録しましたよ」


「出入り商人の出なのか。なら案外遠い存在でもないわけだ。と言うか伯爵周りの商人と言えば3年前に盗賊に襲われて死したと聞いたが……」


「それが僕の父です。母も病死しそれ以来孤児で……」


「そ、そうか……それは申し訳ないことを尋ねたな」


 皇帝が申し訳なさそうな顔をしている所で隣に控えていたカナタが口を開く。

「陛下。導入の話はここまでにして全体で本題をお聞きになっては?」


「あぁそうであったなカナタよ。それでは残りのメンツも揃っている会議室に行くか。ここでは話も弾まん」


「はっ!このレン・エルドラ。帝国臣民としてお答え申し上げます」


「だから堅苦しいのをやめろと言ったのに……」


 陛下は苦笑して、僕と歩いて行った。

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