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24話 王城に行こう

「本当にカナタの旦那も急に現れる男ですぜ」


 カナタが去り、アラン達も自分のギルドに帰還した後でソファに深く腰掛けたジョージはそう呟いた。


「まぁ僕あの二人に会ったばかりだけど。カナタはいつもそうなの?」


「そうですぜ。ホントにいつどこに潜んでいて来るのか。色々王宮周りの情報もくれるんですがね。俺とかの初期メンバーはそう言うところに伝手が少ないんで」


「うんうん。まぁ僕も悪いけど田舎から上がってきて右も左も分からないからさ」


 カナタは僕らにとっての貴重な情報源だ。同じマスター同士とはいえ大事にしないとね。



 話は変わるが国王に伝えに行くのかぁ……しかも僕直々に伝えに行くとか大丈夫なのかなぁ。舐められたりしないよね……一応聞いてみるか。


「それで今から奏上しに行くんだけど誰か付いてくる?」


 すぐにマリアとサラが返答をしようとしたところで別の太い声が入ってくる。


「それなら俺様が行く。先の戦いではほぼ活躍できなかったのでな」


 アーロンである。彼も恐らく密猟者との戦いに参加したかったのに。体の不調でできず悔しかったのだろう。


「うん。じゃあアーロンに頼むよ」


「レン。いやマスター私も行っていいだろうか」


 次に口を開いたのはマリアだった。マリアはさっきの戦いで疲れているはず。でも参加するのか。


「別にいいけど。何で?」


「アーロンだけだと何をしでかすかしれないからな。ここは私が付いていこうというわけだ」


「そんなことを言ってホントはレンちゃんと一緒にいたいだけじゃ……」


「そ、そんなことはない!私は高潔なエルフ。邪な心など持っていないからな!」


 マリアはさらにそう言い返す。まぁアーロンもマリアも強いし良いか。あんま大挙して訪れても腹に一物あると思われかねないしね。

「じゃあ明日行ってこよう」


「「了解」」

 そうして僕らは自分たちの作業に戻っていった。



 翌朝僕は王城の門の前に立っていた。右側にはマリア、左側にはアーロンが付いている。


「すみませ~ん!」


 声をかけると門の前にいた槍を持った大柄な守衛がこちらを見下ろす。


「何の用だガキ。迷子センターはここじゃねぇぞ」


 ガキ?その言葉に酷く反応したのは両側の二人だった。


「ガキだと?!てめぇ俺様の主君を愚弄する気か?」


 アーロンは何かキレている。マリア……抑えてよ。と思ったらマリアの方も。


「貴様如きがマスターの価値を測るな俗物が」


 マリアは冷酷な目で見上げている。抑えるって何だったのさ。このままほっといたら二人して武器を出しかねない。しかたなく僕は両手で制した。


「はいはい二人とも落ち着いて」


 その言葉に呼応して二人は落ち着く。そして前の守衛に向き直ると。


「ケルベロスのマスターです。王に呼ばれてきました」


 そう告げる。


「マスター?貴様がこの二人の主か?」


「まぁもう少し数はいますけどね……」


「俺にはお前がギルドマスターって言うのは冗談にしか見えないがなぁ。後ろの護衛より弱そうだし」


 守衛はそれでも疑う。マズいよ後ろの二人の覇気が増しているよ。この守衛がミンチになるよ!



 僕の不安は一言で払われた。


「おいおい彼らは大事な客人だよ。僕を信用して通してやってくれ」


「カ、カナタ様?!」


 後ろからカナタの声がした。さすが貴族顔だけでパスできるのか。


「これは失礼しました。それでは」


 守衛が横にずれると門が空き、橋が下りた。こういうからくりを見るとどこか興奮するのは男の性だ。僕たちはそのまま王宮に足を踏み入れた。

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