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12話 商人の護衛に行こう

 ある日僕がギルドでサラたちと話をしていると扉を開けて中にスーツを着た男が入って来てこう言った

「毎度~フィン商会ですわ~」

「お疲れ様~貨物はそこに置いといて後でルドルフとかアーロン辺りに運ばせるから」

僕はそう顔を上げて答える。訪ねてきた男はフィンと言って総合商社のフィン商会のトップだ。あまり大きいところではないが扱う商品に独自性があり、帝国お墨付きの商会となっている所である。当然このギルドにも物を搬入しているのであって…

「そいで上級回復薬50セットに特級回復薬10セット…砥石セット。それから各メンバーが個人でお買いになった商品も搬入しておきますので納入お願いしますねぇ」

フィンはそう言って眼鏡を弄りながら台帳に記入をしていく。僕が全て払い、その後ソファに座って少し会話をした。

「ケルベロスの新マスターが少年やて聞きましたけど…アンタですか。ヒスイ村の商人の息子さん」

「はいお久しぶりです!レンです。お願いします!」

「ふぅん。まぁ昔からの知り合いやし、金払いは良いんで構わないですけどね」

「金払いって他の所は違うんですか?」

「うんまぁ粗方の所はちゃんと払いますけども。場所によっては半年も待たされて…」

フィンはそう肩を落とす。まぁ商人もいろいろと大変なんだろうなぁ…特に権力組織相手だと権力を笠に着て威張り倒すのも珍しくはない。

「しかも…今度は珍妙な素材を用意するように言われて…それ探すのに今からお袋に行かされるんですわ…」

「は、はぁ…」

僕がそう答えていると、後ろからサラが声をかけて来た。

「じゃ、商人の護衛が必要じゃん」

「まぁそうやなぁ…って護衛してくれるんか?」

「まぁ一応戦闘職のギルドだし…何人欲しい?」

「そうやなぁ…」

フィンは考え込む。

「普通に4人でええわ。そんな大規模な隊列率いるわけやないしな」

「ふぅん了解。言い出しっぺのサラとシルフィは確定として…後のメンバーだね」

僕はそうとだけ言って受付中のエレーナさんに声をかける。

「今動けるのって誰だったっけ?ジョージはダメ?」

「ジョージさんはパーティで今ダンジョン探索中ですね」

「そうか…じゃあアーロンは行ける?」

「アーロンさんは…今筋トレのし過ぎで筋肉痛になって屋敷で寝込んでます」

「うっ…じゃあルドルフは?」

「さっきまでいたんですけど。色鉛筆と新聞握って走っていきました。あれは夕方まで帰らないでしょう」

「何でウチの男衆はこうなのさ」

シルフィが苦言を呈する。

「ルナ様は夜だけしか動かないし…マリアは?」

「マリアはいます。呼んできましょうか?」

「頼むね」


しばらくして鎧を着たマリアがやって来た。

「やぁレン。今回は商人の護衛の依頼か?」

「まぁそうなるね。サラとシルフィも一緒」

僕がそう説明するとフィンが口をはさむ。

「ほな。4人と言ってたやんけ。あと一人は誰にするん?」

そうは言ってもなぁ…今ウチにいるメンバーってさっき言ったのでほぼ全員なんだよね…

僕が考えているとマリアが肩を叩く。

「ならレンが行けばいいじゃないか」

「何で僕が?!」

「安心しなよ。ウチらが守るからさ」

「うんうん…」

えぇ…まぁ人数以内なら仕方ないか。エレーナさんの方を向くと。

「気を付けて行ってください。留守番はしておきますから。今までも私で事務作業を回していたので」

そう苦笑しながら言われたので僕も行くことに決めた。



こうして僕、マリア、サラ、シルフィで馬車に乗り込むことになった。

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