なんでもかんでもセルフにするのはいいけれど……
今、日本ではさまざまな店舗でセルフ化が行われていますよね。
ガソリンスタンドやうどん屋さんは昔からあったけれど、スーパーマーケット等のレジは最近からです。(たぶん)
私はスーパーマーケットで有人レジとセルフレジが選べる場合はセルフレジを選ぶことが多いです。並ばなくていいことが多いし、商品ピッと袋詰めが同時にできて早いからです。
ただ、なんでもかんでもセルフにすることに関して、問題を感じることもあります。
・操作方法を統一してほしい
この間、サービスエリアのレストランでごはんを食べました。
食券を買って、自分で水を汲んで、料理ができたら自分で取りに行って、食べ終わったら自分で食器を返しに行く──
どこでも同じ流れですよね?
ただ、そこはちょっとだけ、独自なところがあったんです。
券売機。
ラーメンにしようと決めてました。
千円札を用意して順番を待っていました。
前の60歳代ぐらいのご夫婦がモタモタやってらっしゃいました。どうやら食券の買い方がわからないようです。
わざとじゃないつもりだったんですが、私は咳払いをしてしまいました。
ご夫婦が振り返って、「あっ、お先にどうぞ」と仰ってくださいました。「いいですか? すみません」と私はぺこりと頭を下げて、先に食券を買わせていただくことにしました。
『いくらお年寄りとはいえ、こんなものに何をモタモタしていたんだろう……』
そんなことを思ってしまいながら、お金を入れました。並んだボタンのランプが点きました。迷わずラーメンのボタンをポチッと押しました。
……あれ?
なんにも起こらない。
よく見るとディスプレイがあって、そこに食券の枚数が表示されていました。
あ、これも決定しないといけないのかと思い、『1枚』をタッチしました。
なーんにも起こらない……。
モタモタしているうちに、入れた千円札が返ってきました。
『なんじゃこれ……』と思いながら、もう一度だけ挑戦することにしました。涙が出そうになりました。もう一度だけ最初から操作して、わからなかったら売店でパンでも買って食べよう……。
わかりました。
お金を入れて、商品ボタンを押す前に、食券の枚数を決定し、それから商品を選んだら、無事に食券が出てきました。
わかりにくいよ……。
操作方法についてはどこにも説明は書いてありませんでした。
さっきのご夫婦はどうやら諦めたみたいで姿がありませんでした。
ラーメンを食べながら、ふと見ると、券売機の前に長蛇の列──
わからない方が多いらしく、列はなかなか進んでいませんでした。
確かに団体でラーメン5杯とか注文するなら食券枚数をまず決めて──というのは早く買えるだろうとは思いますが……
5人家族が別々のメニューを注文するならいちいち食券枚数を入力しないといけないあの作りはかえって遅くなるし……
なにより誰でもわかりやすく買えるようじゃないといかんのでは? と、問題意識をもちました。
だって私、あやうくラーメン食べられないところだったんだから!
・人と人の触れ合いがない
筒井康隆さまの漫画にこんなのがありました。(筒井さま、漫画も描かれるんです)
アパートに暮らす夫、妻、小学生ぐらいの男の子──その3人家族の部屋のチャイムが鳴り、『どなたですか?』と尋ねると、『私はお客さんです』と来訪者が答えるのです。
そして入ってきた見知らぬおじさんを家族はみんな歓迎し……
途中もラストも忘れてしまいましたが……
人との関わりが薄くなった未来人を予想した、昭和に描かれた作品でした。
コンビニでポッキーをいつも買います。
セルフレジしかありません。
自分でお金を入れて、お釣りを取って、カウンターに自分で置いたままの商品を取って、お店を出ます。
店員さんは他の仕事をしてたり、店員さん同士でお喋りをしてたり──
『ありがとうございました』がないことが多い気がします。
なんだか筒井康隆さまが予想されていた未来が今、既に訪れているように感じます。
漫画の詳しい内容は忘れてしまったので、あらすじをご紹介できないのが残念無念ですが……。
買い物もネット通販で済ませ、配達は宅配ボックスに──
私はコミュ障で、人間と関わらなくていいならそのほうがいいはずなのですが……
なんだか寂しくなってしまうことがあります。
あと人件費削減になるんなら安くしてほしい!
あと松屋の牛めしは味噌汁いらないから30円安くしてほしい!←