フォースステージ四日目
ゲーム四日目。
『昨晩の犠牲者はタコヤキさんでーす』
初めての犠牲者はみんなは驚く。
でも、ポニテは昨晩も誰も選んでいない。
これはきっと、猟師のしわざだろう。
そして意外な事に、
「悪い……オレだ」
黒シャツが自白した。
「そんな黒シャツ、てめぇが」
「違う赤シャツ。俺は人狼じゃない、俺は猟師なんだ! 昨日、緑シャツが人狼じゃなかったから、メガネと迷ったけど、緑シャツを人狼だって決めつけていたタコヤキが怪しいと思って、射殺対象にタコヤキを選んだんだ! でも、でもだ! 今言った通り俺は猟師だ! 人狼じゃない! もしも猟師のフリをした人狼なら、こんなフリになる自白しないだろ!」
「ぐっ、確かに」
赤シャツは悔しそうに顔を歪めた。
「じゃあ誰なんだよ人狼は!? おいぽわぽわ! まさかお前、占い師になりすました人狼じゃないだろうな!」
ぽわぽわが両眉の端を垂らす。
「ふゆう……それは酷いよぉ……」
メラメラが、ぽわぽわの頭をなでる。
「酷い事言うんじゃないわよ! 言っとくけど、ぽわぽわはアタシのソウルメイトよ!」
オープンフィンガーのグローブをつけたメラメラが、ぐっと握り拳を作って反論する。
今回の議論は、赤シャツとメラ前らが言い争う形になった。
そして投票結果は……
『では皆さん、大画面をどうぞ♪』
赤シャツ 二票
赤シャツが円卓の上に跳び乗り、叫ぶ。
「待て! 俺を殺したらダメだ! 俺は、俺は呪われた者だから」
赤シャツの背後の出口から、二本の金属アームが伸びて来る。
それは赤シャツと……青シャツを廊下へ引きずり込んだ。
一瞬の出来事で、誰も反応出来なかった。
廊下の奥から響くマシンガンの音。
状況が理解できない俺らに、ニャルが説明を始めた。
『残念ながら赤シャツさんは人狼ではありませんでした。そして彼は呪われた者だったのです♪ 彼の呪いで、青シャツさんは道連れになってしまいました♪ では、明日の議論をお楽しみに♪』
メラメラが拳を握る。
「ちっ、なんつう迷惑な職業よ! ていうかニャル! もう五人しかいないけど、今夜の襲撃でプレイヤーが死んだら、明日は議論無しでゲーム終了?」
『はい。ゲームは四人以下になったら終了ですので。人狼の夜襲が成功したらゲーム終了ですよ』
メラメラが、名前通り両目を闘志で燃やした。
「よし、じゃあ明日が最終日。もしも人狼が夜襲に失敗して議論になったら、アタシが人狼を見つけてやるわ!」
逆に俺は、究極の選択を迫られていた。
そう……今夜ポニテが誰かを襲撃すれば、確実にポニテは助かるのだから……
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職業名 猟師
能力
ゲーム中に一度だけ、夜、指定したプレイヤーを殺せる。この効果は人狼よりも先に行われる。
運用
単純かつ強力な効果。
処刑とは別枠でプレイヤーを殺せるので、自分がこの人は怪しい、と自信を持って疑っている人をこっそり選ぼう。
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