好きな子を教えなさい
「最後までシたかったら。私の仲間になること……どうする?」
「……っ……っ……っ…………」
もう、俺は思考力を失っていた。
全身の骨がトロけて、
体が言う事を聞かなくて、
だらしなく口を半開きにしたまま、
白目を向いて返事をしようとする。
もういいじゃないか。
やっちゃえよ。
別に悪くない。
そうだ、生き残るのが目的なんじゃないか。
じゃあ生き残る為にチームを組むのは当然。
肉体関係だって、向こうの方から誘っているんだから悪い事じゃない。
誰も損をしない。
全員幸せになれる方法で……
その時、俺の頭に、ツインテとポニテの顔が浮かんだ。
待てよ。
考えてみろ。
俺は快楽にあらがいながら考える。
ミュールは、プレイヤーの男達を操作する。
なら、必然的に投票で死ぬのは女子。
人狼が男だった場合も、人狼が狙うのはミュール以外の女子。
「駄目だ!」
俺は叫ぶ。
「え?」
「俺には……守りたい奴がいる。でもお前のやり方だと、そいつが死ぬかもしれない。だから俺は、お前のやり方には賛同できない……」
「…………」
ミュールは俺から体を離して、意地悪く笑う。
「ふ~ん、アナタ、好きな女の子がいるのね」
「え!? だ、誰も女の子とは」
俺が大声を上げて驚くと、ミュールはくすくすと笑う。
その顔はなんだか可愛かった。
「解るわよそれぐらい。だって童貞君がここまでされて拒むなんて、好きな子への義理立てしかないもの。う~んそうねぇ。アナタ、職業は?」
「へ、兵士」
「じゃあこうしましょう」
取引を断ったのに、ミュールは機嫌を損ねるわけでもなく、明るい顔で提案する。
「まずアナタは毎晩私を守る事。それからアナタの好きな子を教えてくれる? 可能な範囲で、私はその子が死なないようにするわ。そのかわり」
ミュールの人差し指が、俺の胸をトンとつつく。
「アナタは私に投票しない。これでどう?」
「…………」
火照りきった頭を必死にクールダウンさせながら、俺は考える。
「条件をつけさせてほしい」
「条件?」
「ああ。俺は、あくまで可能な範囲でお前に投票しない。だから……もしもお前が自身が人狼だって解ったら、お前に投票するかもしれない」
「いいわよ」
即答だった。
「だって私は人狼じゃないもの。私のチーム、糸目と狐目とコンタクトも人狼じゃないから、人狼は私にも誰なのか解らない。だからそうね、今夜誰が死ぬかは解らないわ。それで、アナタの好きな子って誰よ。お姉さんに教えなさい♪ 誰々ツインテ? それともポニテ?」
急にミュールの顔つきが、妖艶な淫魔から、耳年増な女子に変わる。
こいつのキャラがわからない……
「りょ、両方だよ」
「二股? 童貞のくせにやるわね。でも解るわ。ツインテって私とは種類は違うけど凄い美人だし、ポニテも胸は、悔しいけど私と同じか、ちょっと勝ってるかもね。いいわ。じゃあ可能な範囲で、ツインテとポニテには投票しないわ。明日の議論では女子のツケヅメかアイプチに投票するわ」
「なっ!?」
「だって女子は私の言う事を聞かないもの。でもアナタと今約束したから、ツインテとポニテには投票しないであげるわ」
「っ……茶髪とシャギーは、なんではずしたんだ?」
「私可愛い子好きなのよ。だからあの二人を殺すのは後回しにしてあげるの。ツケヅメかアイプチが人狼なら、シャギーと茶髪も助かるわ」
「そうか…………」
でも、二日後か三日後には殺されるかもしれない。
歯噛みする俺に、ミュールは冷静な声を落としてくる。
「考えなさい。このゲームは確実に毎ターン人が死ぬのよ? これだけは覆せない。じゃあ問題は誰を殺すか。自分の大事な人をどうやって殺さないようにするか。アナタに聞くけど、大好きなツインテやポニテが死ぬのと、見ず知らずのアイプチやツケヅメが死ぬの。どっちがいいの?」
どっちにも死んで欲しくない……は無理だ。なら……
「解ったみたいね。言っておくけど投票するのは私よ。アナタじゃない。むしろアナタは、大好きなツインテとポニテを守ったのだから誇っていいわ」
「…………」
俺が何も言えないでいると、ミュールは。
「じゃあ、これはサービスよ、じゃあね」
ミュールの爆乳が、俺の下半身の一部を挟み込んだ。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?




