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セカンドステージ終了

「なっ……そんなバカな!?」

「はいウソです」


 耳ピアスの両目がつり上がる。


「君は私をバカにしているのか!?」

「いえ、でもその……これ、ツインテさんからファーストステージの話を聞いて思いついた作戦なんですけど、今、耳ピアスさん、動揺しましたよね?」


 耳ピアスが言葉に詰まる。


「もしも耳ピアスさんが村人なら、探偵に調べてもらったら、自分が村人だと証明できるんだから、喜ぶと思うんです。なのに、どうしてうろたえたんですか? まして、そんなバカなとか」

「そ、それは……」


 茶髪とシャギーの目が、今度は耳ピアスに向いた。


「違う! これは違う! 今のはそうだ、探偵を自称するものがウソの証言をして私を人狼にしたてあげられたらどうする、という不安からくるものだ!」


 茶髪とシャギーの表情は変わらない。

 するとニャルが、


『はいはい、なんだからつまらない感じになってきましたねぇー、今回はもうここで投票しちゃいますか』


「待てニャル! まだ一時間は」


『うるさいですよ負け犬君。私には人の感情が見えますがもう無理ですよ。茶髪ちゃんとシャギーちゃんは貴方が人狼だと信じ切っています。このまま待っても、ただの寸劇を四〇分も見せられるだけですし、もう飽きました』


 円卓の上に投票ボタンが出て、さらに耳ピアスが慌てる。


「待てぇ! 待つんだぁ! 君らわからないのか!? これがこいつの! メガネの作戦だということが……私は、私が死ぬなどありえなっ」


 耳ピアスの首が落ちた。

 いつのまにか、耳ピアスの背後に、日本刀をもったシャンタが立っていた。

 シャンタが刀を納めると耳ピアスの胴体は倒れる。

 それから、大画面に、


 耳ピアス 五票


 と表示された。


『票が半数を超えた時点、君の負けなのですよ』


 ニャルは一度大きく欠伸をしてから、


『では皆さんはサードステージに進出ですので、またがんばってくださいねー』


 みんなは優れない表情で、席を立ち、それぞれの出口へと向かった。


 俺は指輪のことを思い返す。


 あいつは生きたかった。


 そして自分が役に立てた事が本当に嬉しくて、


 でも耳ピアスに殺された。


 耳ピアスの、死にたくないという欲望のせいで……いや、待て。


 それは、同じじゃないのか?


 俺の胸に、冷たい風が吹く。


 死にたくない。



 それは全員同じだ。

 なら、


「なぁ、ツインテ……」

「何? メガネ君?」


 俺はツインテに歩み寄り、尋ねた。


「人狼が助かるには、四人以下になるまで人が死に続けないと駄目なんだよな? なら、人狼になっちゃった人は……」

 俺は、声を絞り出す。

「自衛で人を殺すのは……悪のなのか?」



   ◆



 時間をさかのぼる。

 とある別会場の二日目。

 そこでは、


『おめでとうございます♪ 人狼は彼でした♪ まさか一回目の議論でいきなり人狼を当てるとは、やりますねぇ♪』


 ハイテンションに喜ぶニャルを一瞥して、その男、サングラスは口元に機械的な笑みを浮かべる。


「当たり前だ。何せ私には」


 男はサングラスをはずして、ニャルを視線を交える。


「人の心が読めるからな」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

メガネ

 容姿:C

 幸運:A

 ひらめき:B

 頭脳:C

 精神力:C

 演技:C

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ツインテ

 容姿:A

 幸運:A

 ひらめき:A

 頭脳:A

 精神力:A

 演技:A

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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