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運営を利用しよう

 会場から出た俺らは、まっすぐ俺の部屋に集合。

 俺、ツインテ、ポニテの三人で作戦を会議を行った。


「じゃあ、現状をまとめるわね。まだ生きているのは、私達三人。それから耳ピアス、茶髪、指輪、シャギーの七人。この中で村人だと解っているのは私達三人とシャギーの四人よ」


 机のイスに座るツインテの解説に、床に座る俺は、


「いつのまにか容疑者が三人にまで絞られたんだな」

「あうぅ……でも数が少ないということは今夜、わたし達の中の誰かが殺される可能性も……」

「怯えても仕方ないでしょう」


 俺のベッドに腰を下ろすポニテを、ツインテがフォローする。


「じゃあポニテ。そろそろ貴方の能力を使うわよ」

「あ、はい。それで、指輪さんと耳ピアスさんと茶髪さんの誰を調べますか?」

「指輪よ」


 意外な答えに、俺は眉根を寄せた。


「おいおい、さっき容疑者にあがった茶髪や妙に偉そうな耳ピアスのほうがいいんじゃないのか?」


「確かにそうね、でもファーストステージでメガネ君も学習したはずよ。議論での言動と、人狼かどうかは関係無いって。それにそうね、村人だった時、与しやすいのが理由かしら」


「与しやすい?」


「ええ。仮に耳ピアスを調べて、彼が村人で職業が解ってそれからどうするの? 彼の性格上、こちらの事情を話しても味方になってくれるか。あとは茶髪と指輪だけれど、臆病な指輪のほうが、仲間になってくれやすそうだわ」


 同じく怯えてばかりのポニテが賛同する。


「あ、わたしならむしろ是非仲間にして欲しいです」

「ほらね、だからポニテ、指輪を調べてくれるかしら?」

「はい、えーっと」


 ポニテは目を閉じて、しばらくそのままでいる。

 今頃、ポニテの頭の中には指輪の情報が流れ込んでいるんだろう。

 ポニテが目を開ける。


「あっ、わかりました。指輪さんは墓守さんです」

「「墓守?」」

「はい、でもどんな能力かはちょっと」


 ポニテは申し訳なさそうに頭を下げる。

 でもツインテは首を振った。


「構わないわ。それに私はファーストステージで探偵だったから、能力までは解らないのは承知済みよ。それに貴方のおかげで、容疑者は茶髪と耳ピアスの二人に絞れたわ。じゃあ、指輪と交渉に行きましょう」

「仲間にするのか?」


「ええ。それで墓守の能力を聞いて、使えそうならそれで人狼を見極めるわ。明日の議論で人狼が解れば、四人になるまえに、五人でゲームをクリアできるわ」


 俺らは立ち上がる。


「よし、行こうぜ。おいエーコ、エーコいないか!」

『はーい♪』


 ベッドの下からいきなり登場するエーコ。

 豊かな爆乳が大きく弾んだ。


「お前ワープするならもっと別のところからにしろよ」

『いえいえ、ワープではなく最初からベッドの下にいたんですよ♪』


 ニコニコ笑顔のエーコに、俺は『え?』を首を傾げる。


『メガネ様を帰ってきたら驚かせようとベッドの下で待っていたら両手に花で帰って来たのでこれから始まるめくるめく桃色ワールドを想像しながらいつ混ざろうかと悶々しておりました♪』


「お前ただの変態だな!」


『それで、わたくしに何用でございますか? いえいえ解っていますですよ。ずばり指輪様の部屋番号ですね?』


「話が早いな。その通りだよ」


『ではわたくしめに着いて来て下さい♪ 他のプレイヤーに見つからないよう案内して差し上げますよ♪』


 ツインテが、エーコに疑念の眼差しを向ける。


「運営側が加担してもいいの?」


『この程度であれば問題ありません。むしろ運営を上手く利用するものゲーム攻略のカギでございます。チームであれば、今どこにいるか教えて差し上げますし、他のプレイヤーの部屋を聞くぐらいも特に問題ありません♪』


 エーコは舌を出していやらしく笑う。


『利用できるものは全て利用する、それが真のゲーマーでございますよ♪』

「そうね」


 ツインテはエーコと向き合う。


「私達をこんなゲームに巻き込んだのは癪だけれど、今は利用させてもらうわ」

『はい♪』


 俺達三人は、エーコの案内で指輪の部屋へと向かった。

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