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セカンドステージ

 気が付くと、俺らはホテルのホールのソファに座っていた。


「ここは……そうだ、ツインテは?」

「いるわよ」


 ツインテは、すぐ隣のソファに座っていた。

 すぐ近くにシャギーとオールバックが寝ている。


「ここは……」

「さっきのホールとは違うわね。ほら見て、ソファの配置が少し違うし、ソファが一つ増えているわ」


 冷静な対応に、俺は唖然とする。


「よ、よくそんなところまで覚えているな……」

「男よりも女の方が家を見ているとは言うけれど、本当ね。女子なら、これぐらいの違いはすぐ気付くわよ」

「そ、そうなんだ…………なぁ、ツインテ、さっきはごめんな」

「何故謝るの?」


 不思議そうに首を傾げるツインテ。

 でも、俺は謝りたかった。


「だってさ、結果としては俺、さっきのゲームでミツアミにまんまと騙されたわけだし。考えてもみればツインテの言う通りだ。俺がちょうど二階に言った時にミツアミが泣いている状態で談話室にいるなんて都合がよすぎる。きっとあいつ、ずっと俺を騙す機会をうかがっていたんだ」

「……そうね」


 ツインテは、冷静な表情で語り出す。


「貴方の言う通り、貴方は騙されやすくて情に流されやすいお人よし、このゲームで生き残れたのが不思議だわ」

「むむ、辛辣だな……」

「本当の事でしょ?」


 それでも直接言われるとなんかグサっとくるな。


「でもメガネ君。貴方はキンパツさんの作戦を支持したわ。ジョブが大事、ジョブでゲームを進める。いい考えよ。私も人狼ゲームは初めてだけれど、貴方の言う通り、動かないと始まらない、なら職業の力を積極的に使った作戦を展開しましょう」

「お、おう!」


 俺は握り拳で答える。


「それに実は、貴方には感謝しているのよ」

「感謝?」


「ええ、結局、最終日前に自分の職業をバラしたのは貴方だけだもの。勇気ある行為だわ。貴方が私を村人だとみんなの前で宣言してくれたから動きやすかった。貴方が職業を暴露したからこそ、ミツアミは貴方に近づいて、そのおかげで私は彼女の正体を見破ることができたのよ」


「まぁ、結果論だけどな」

「その通り、結果論よ。でも、やはりそれが結果であり真実。運も実力のうちよ」

「……」


 これって、フォローしてくれているんだよな?


「ありがとうな、ミツアミ」

「お礼を言うほどのことでは、メガネ君、あれ」

「ん?」


 振り返ると、空席のソファのすぐ上に、黒い影が浮かんでいた。

 中から中高生くらいの男女が落下。

 天井の穴から落ちて来るようにも見えた。

 ソファにやわらかく落ちた連中は、みじろぎをして、目を覚ました。

 一緒にオールバックとシャギーを目を覚ます。


「うおお、まだゲーム続くのかよ、俺の安堵感を返せ~」

「うわぁ……最悪……」


 新しく落ちて来た連中は、


「うおっ! お前ら誰だ!?」

「お前らこそなんだよ!」

「なんだここは、俺らはゲームクリアしただろ!?」

「なんでまだここにいるの!?」

「ふぇええええん!」

「あわわわわわわ!」


 色々と騒がしい事になっていた。

 人数は八人。

 俺らと合わせると、一二人だ。


「なぁツインテ。この人達って……」

「ええ、どうやらゲームをやらされていたのは、私達だけじゃないみたいね……」


 今度はこの一二人でオールジョブ人狼ゲーム。


 でも、今度の俺は少し気が楽だった。


 俺は一人じゃない。


 ツインテと協力して、俺は少しでも早く人狼の正体を暴こう。


 そして一人でも多くこのゲームから生還するんだ。


 俺は覚悟を決めて、このゲームに臨んだ。


  

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