スタッフさんと結婚?
一瞬、納得しようになって、俺は頭を振った。
「人間をペット扱いかよ! 随分偉そうだな」
『神ですから』
今度こそ俺は黙ってしまった。
『人類は自分の土地に食べる目的で家畜を飼育しますよね? そうです、こちらの例えのほうがわかりやすいです。我々は神です。神が作りだした地球に神が作りだした人類。貴方がたは、家畜に偉そうと言われて反省しますか? 駒のようにとか言われて、家畜を自然に帰しますか?』
「それは……」
シャンタAのやわらかい手が、俺の頭を優しくなでる。
「な、なんだよ……」
『だからそういじけないでください。貴方がたは動物を下等と見下し道具のように扱い、殺して食べる為に飼育しますが、その一方で愛玩動物を愛で、家畜も美牛コンテストなど品評会に出品したり、優秀な馬を種馬として大事にしたり、動物の供養やお墓も作るでしょう?』
「あ…………」
俺は、ダメなのに、喉の溜飲が下がってしまう。
『畜産者にしても、大事に育てた家畜を出荷する時は悲しくなるし、まして怪我や病気、または搾乳効率が悪くなったから殺処分となれば……いやな気分になるでしょう』
シャンタAがほほ笑む。
『わたくしはメガネ様に、デスゲームのプレイヤーとして最高のプレイとエンターテイメントを我々に提供して欲しいとは思っております。ですが、メガネ様に死んで欲しい、とは思っておりません』
まずい、このままだと心を許してしまいそうだ。
こいつは、こいつらはアフロとパンクを殺した邪神の、邪悪な神達なんだ。人類の敵のはずだ。
『メガネ様がスーパープレイで、多くのプレイヤーを生還させる。わたくしは、そんな結末も見ごたえがあると思います。だから頑張ってくださいね♪』
最後はいつもの調子で、明るく笑うシャンタA。
そして、
『あ、そういえばシャンタ達の中には人間の男性と夫婦生活をしてから出戻りしている子が結構いるんですよ♪ わたくしはまだ経験の無い処女ですが、わたくしを魅せるプレイをしてくれたらわたくしが』
「戦意そがれるからストップ!」
俺は力の限り叫んでしまった。
『そうですか? 夫と子供の寿命が尽きて戻って来た子は人間との夫婦生活は楽しかったと言っていたので、少々興味があったのですが。と、特にその、夜がすごかったと、いやんっ』
両手を頬に当てて、顔を赤らめるシャンタA。
俺はシャンタAの爆乳に視線を落として、鼻の奥に血の匂いが広がった。
「こ、これからデスゲームに挑むんだから、余計なことは言わないでくれるか?」
『あ、はい』
「まったく」
そのまま俺はご飯を食べ終えて、少しイスに座って休んだ。
食べたばかりですぐというのもなんなので、また放送がかかるのを待つことにする。
「おいシャンタA、そういえばお前、やっぱりプレイヤーに加担とかはしてくれないんだよな?」
『ええ、それはもちろんですよ♪』
「ふーん、じゃあさ、せめて他にどんな職業があるのかだけでも教えてくれないか?」
『それもダメでございます。どのような能力の職業があるのかわからない、それもまたこのオールジョブ人狼ゲームのだいごみですので』
「ちぇっ」
『でもちょっと考えれば解る事ですが、やはり他のプレイヤーの事を探る職業は多いですよ。指定した人の職業を調べる職業はあります。メガネ様は村人が解る占い師でしたね』
「そうそう、ツインテとキンパツは村人なんだよ」
『ではお二人のサポートがお仕事ですね。残念ながらお二人の職業を明かすことはできませんが、あのお二人が人狼でない以上、彼女達も自分の職業の力に沿った言動をするはずですので』
「おう、そうだな」
『はい♪ ではそれそろ会場へと向かいましょうか。本日は私がお連れ致します』
「お前が?」
『ええ、もう皆様には我々はファンタジーの住人だと認識してもらっていると思いますので、思い切って、えい♪』
不意に、シャンタAが俺を抱きよせる。
「え?」
白い爆乳の間に挟み込まれた。
露出過多なバニーガール衣装は胸のを隠す布も極小で、生乳の、素肌の感触が俺の両頬をやわらかく、そして確かな弾力で包み込んだ。
「~~~~~~ッッッ!!!?」
『ワープ♪』




