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脱兎に賭ける!!  作者: 霧広 拓海
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転生第008話  キラメリア教会がゴロツキ団に脅される理由とは??

「さあラビトさんこちらが建物の中になります!!」


「あっミティお姉ちゃん」


「ミティ姉ちゃんその人誰?」


キラメリア教会に入ってすぐたくさんの子どもたちがミティの元へとよって来た。


「こらみんな失礼な事を言うんじゃありません!!この人はラビト・ファースター様、さっき私がゴロツキに絡まれているところを助けて下さった方なんだから」


いや・・俺はただ単に速系スキルを使って奴らが自滅しただけなのだが・・・


「あっあの柄の悪い連中また来たのかよ!!」


「ミティお姉ちゃん、私たちここにいられなくなっちゃうの」


子どもたちの間から様々な言葉が飛び交う。


「そ・・・それは」


子どもたちの言葉にミティが困ったような顔をする。


「おうただいまミティ」


その時扉をあけて1人の老年の男性が入ってきた。


「あっアムナス司祭お帰りなさいどうでしたか?」


司祭って言う事はこのキラメリア教会ファスト街支部で1番偉い人って事か?


「すまないミティよファスト街の冒険者ギルドに何とか助けを求めたのじゃが盗賊ローバー退治を引き受けるほど暇な冒険者がいないとの事じゃった」


「そ・・・そうですか」


アムナス司祭の言葉にミティが落ち込んだような顔をする。


「あのすいません、なぜこの教会は盗賊ローバーたちに脅されているんですか?」


「うん?ミティこちらの方は一体どなたかな?」


アムナス司祭がミティに訊ねる。


「あっ司祭様・・・実は司祭様が留守の間に盗賊ローバーたちがやって来て脅されていた私をこのラビト・ファースター様が助けて下さったんです」


「なっまた盗賊ローバーたちが来たのかこれは本当に不味い事になったのぉー」


(どこの世界にもいるんだな、立場の弱い者を恐喝し、その存在を隅に追いやる下劣な輩が、そしてそれを知っていても見て見ぬ振りをするような態勢が)


俺はふと前世の世界での出来事の事を思い返していた。


「おっと失礼、ラビト・ファースター様とおっしゃいましたかな?ミティの事を助けて頂きまして司祭である私からもぜひお礼を言わせて下さい」


アムナス司祭は俺に向かって深々と頭を下げる。


「司祭様、丁度お礼としてこれからラビト様に食事のお礼をしようとしていたところだったんです」


「おーそうでしたか!!大したものはだせませんがどうぞゆっくりして行って下さい」


「ついでにもしラビト様さえよろしければ子どもたちとも触れ合っていただけるとうれしいです」


「わかりました・・・俺特に特別な事してないですけどそれで喜んで下さるなら幸いです」


アムナス司祭とミティの申し出を俺は心よく受け入れる事にした。


なんだろうこの温かい雰囲気俺は前世でこのようなものを感じた事があっただろうか?


「アムナス司祭様俺腹減ったよー早くしてくれ!!」


「こらお客様の前だぞしっかりせんか!!」


こんな感じのやり取りがあり俺は大勢で食事をとったり、子どもたちの相手をしたりして時間が過ぎて行くのだった。







「ほっほっほ、ラビト様、子どもたちの相手をして下さりありがとうございますじゃ」


「ラビト様のおかげで子どもたち普段は見せないような笑顔を見せていました」


一緒に食事を取り、子どもたちと自由に遊び、子どもたちが眠りについた後


俺はアムナス司祭の部屋でミティと3人でひと息ついていた。


「いえ、俺自身こんな事言うと失礼になるかもしれませんけど、なんかとても幸せな気分になりました・・・ここの子どもたちにとっては司祭様とミティが親代わりなんですね」


「えっちょっと止めて下さい、ラビト様、私はまだ14歳ですよ!!それに私自身孤児であったのをアムナス司祭様が引き取って育てて下さったんです、だから私はその恩返しをするために僧侶アコライトになって少しでも司祭様のお役に立てればと思って」


(何となく分かっていたけどミティもやっぱりそう言う過去を背負ってたんだな・・・)


「あのーすいません、1つ訊かせてほしい事があるんですけど、なんで盗賊ローバーたちはこの教会を自分たちの拠点にしようと考えているんですか?」


俺は率直に思った事をアムナス司祭に訊ねる。


「そ・・それはですなー我々聖職者が例え如何なる理由があろうとも直接手を下す事が出来ないからなんですじゃ」


(な・何だそのよく分からない理由?だけど神に仕える者としていついかなる時も暴力や力を使うのは許されないと言う事か・・・)


「はい、その事に味を占めて盗賊ローバーたちはここを自分たちの拠点にしようと企んでいるんです!!そこで他の冒険者の方に盗賊ローバー退治を依頼したんですけど、あまりにも割に会わないって事で引き受けて下さる方がいらっしゃらなくて」


「そ・それじゃなんのためのキラメリア教会ファスト街支部なんですか!!」


「ラビト様のおっしゃる事も分かります・・・だけどこればかりは仕方がないのです」


(くっそうなるともし盗賊ローバーが大勢でやってきたら一溜りもないな、俺は速系スキルは高いけど恐らく速振りって言葉から力とかは全くないだろうから相手にダメージを与える事も出来な・・・!!!)


「どうしましたラビト様急に立ちあがって!!」


突然立ち上がった俺に対してミティが驚いたような顔をする。


盗賊ローバー退治このラビット・ファースターにまかせて下さい」


俺はそう言うと明るく元気な表情でミティと司祭様を見るのであった。

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