転生第004話 再び冒険者ギルドに登録するための方法とは??
「さあ着いたよ少年、ここが私の店だ」
男は路地裏の奥の奥まで来て足を止めた。
「えっとよろず屋・・・黒マント?」
俺は入口に書かれている看板に目を通す。
「とりあえず、話は中に入ってからにしよう」
男はそう言うと店の扉を開けた。
(よろず屋・・・ってこの男ほんとに一体何者なんだ?)
如何わしい匂いがさらに増しながらも俺は男に続いて店の中に入るのであった。
(へぇー思ってたよりも店の中は割としっかりと普通なんだな)
よろず屋と本人が言ってただけあってか店の中にはあちらこちらに様々な商品が並んでいる。
「さあ、さあ少年、見物もそこそこに話を始めようじゃないか」
「あっ!!はい!!」
男に言われ俺は用意された椅子へと腰掛ける。
「それでは軽く自己紹介から行こうか・・・私の名前はオロン・アブール、よろず屋 黒マントの店主さ」
オロンはそう言うとニカッと笑ってみせた。
「あっ俺・・・僕はラ・・」
「そう作らなくても大丈夫さ、ラビト・ファースター 15歳 ヒューマン 男、 能力値は速振り
に特化されているためこの辺りではかなりの俊足の持ち主だと見られる・・・」
「なっ!!」
「現在常時使えるスキルは、基本スキル箱、速系スキル速足そして強奪の3つだが、速振りに特化されていたため基本強奪を使い、悪い事をしていた奴らから冒険者ギルドの登録料の資金を集めて冒険者ギルドへ登録しようとしていた」
「あっあんた一体何者!!?」
「そこでで会った受付嬢のアイシアに欲情し、強制強奪のスキルが発動、せっかくためた登録料の資金をその場に置いたまま逃げ出す・・・それを阻止しようとした女冒険者3人の装備衣服もうついでに手に入れ・・・・」
「だぁー!!もうそれ以上言うな!!」
オロンに自分の全てを露出させられ俺はたまらず大声を上げる。
「ほっほっほそれで冒険者ギルド登録はおろか街に人相書きが出回って真面に表を出歩けなくて困ってるそう言う事だな?」
「ま・・・まあ有体に言えばそう言う事です」
反論出来るものなら反論したいがオロンの言ってる事が真実なので俺は仕方無く首を縦にふる。
「よし、素直でよろしい!!」
オロンは満足気な表情を浮かべると何やら一人頷いている。
「俺・・・一体どうしたら良いんでしょう?冒険者ギルドに登録すれば真っ当でそれなりの稼ぎが手に入ると思ったのに、これじゃ真っ当な生活はおろか・・・指名手配の犯罪者だし・・・」
俺は困ったように頭を抱え下を向く。
「ラビトよ、そんなに悩む事はないぞ!!冒険者ギルドに登録出来る可能性はまだ残っている」
「!!??どう言う事ですか」
オロンの発言に俺は疑問符を浮かべる。
「まずは百聞は一見にしかずだ!!」
オロンはそう言うと指をパチンと鳴らしてみせた。
「なっここは?」
今の今までファスト街の路地裏のオロンの店にいたはずが俺はファスト街まで来る途中にあったある場所へと移動していた。
「それじゃラビトとりあず、強制強奪で手に入れた受付嬢アイシアの制服他女冒険者の装備衣服を私に売るんだ」
「えっ!!おいそんな事出来る理由が・・・」
「良いから良いから私を信じなさい!!」
流されるまま俺はオロンに強制強奪で手に入れたものを箱から出しオロンへと渡す。
「よし・・・それではこれらと引き換えにこれを授ける」
「こ・・・これはウサギの仮面?」
「さあ・・・ラビトよこの仮面をつけて、ガールズハントをしてくるんだ!!」
「はっはぁ!!?ガールズハントってそんな事したらまた強制強奪が発動してとんでもない事に!!」
「大丈夫それで良いんだラビトよ!!」
「一体何が大丈夫だって!!」
「さて私はそれまでにこの辺りに村を作っておく!!」
俺の言葉には全く相手にせずオロンは何やら作業を始めた。
(うっ仕方がない・・・とりあえず言う通りにしてみるか)
俺はウサギの仮面をつけるとそのままファスト街に向かうのであった。
ファスト街入口
(さて・・・何だかんだでファスト街に戻ってきた理由だけど、とりあえずバレてはないみたいだ)
俺はゆっくりと街の中へと入る。
(オロンはガールズハントして来いって言ってたけど普通に声をかけて大丈夫なのか?)
心の中で慎重にそうつぶやきながらも俺はとりあえず女性を探す。
「あ・あのそこのウサギの仮面をつけた人」
とある一人の若い女性が俺に話しかけてくる。
「強制強奪発動!!」
「きゃあ!!」
案の定、強制強奪のスキルが発動し若い女性は下着姿になった。
(ほら言った事じゃないとにかく速足で逃げないと・・・)
俺が慌ててその場から逃げ出そうとした時だった。
「ま・待って・・・」
突如今しがた下着姿にした若い女性が俺の事を呼び留める。
「ご・ごめんなさ・・・」
「私をあなたの村の村民にして下さい!!」
「えっ!!な・・・何ですとぉーーーー!!!!」
予想外の展開に俺はまたしても大声を上げるのであった。