転生第003話 いざ冒険者ギルドに登録するはずが!!??
「ふぅー少し時間はかかっちまったけど、何とか冒険者ギルドの登録料を集める事が出来たぜ!!」
俺はその後、速系スキル強奪と速振りされた能力を活かし、悪どい方法でお金を巻き上げた連中を探しては資金を集め、どうにか冒険者ギルドの登録料に必要な分の資金を集める事に成功したのであった。
「・・・とは言っても、やっぱりこのやり方で資金を集めるのはあまり良い気分はしないな」
そういくら悪どい方法でお金を巻き上げた連中からとは言え、自分がやってる事もその悪どい連中と同じなのである。
「ま・まあ、冒険者ギルドに登録する事が出来れば、真っ当に資金を集める事だって出来るはずさ!!」
俺は自分にそう言い聞かせ自分のやってきた事を何とか正当化しようとする。
「さてと、冒険者ギルドの登録料に必要な5000シリンは基本スキルである箱の中にしっかりと入れてある・・・ようするに箱は手に入れたものを入れておく便利機能のスキルみたいなものだったって事だな」
基本スキル箱のおかげでとりあえずものの持ち運びに苦労すると言う手間もどうにかなさそうである。
「よし!!それじゃ冒険者ギルドに行きますか!!」
俺はそう言うと冒険者ギルドを目指し向かうのであった。
ファスト街冒険者ギルド
「ここが冒険者ギルドか!!よし中に入ってみよう」
俺はゆっくりと扉を開けた。
「ようこそ・・・ファスト街の冒険者ギルドへ・・・って!!きゃあいつの間に」
冒険者ギルドに入ってすぐ受付嬢のお姉さんがびっくりした声を上げる。
(うん、やっぱりそう言う反応になるよね)
速振りにされたためか自分では普通に歩いているつもりでも他の人から見たらもの凄い俊足で突然俺が目の前に現れたように見えるのである。
「すいません・・・驚きますよね僕生まれつき物凄く俊足に生まれてきたらしくてみんなにびっくりされるんです・・・」
俺はそう言って愛想笑いをしておく。
「そ・そうなんですか・・・突然目の前に現れるからびっくりしてしまいました」
受付嬢のお姉さんはそう言いながらも何とか俺の説明を理解してくれたようだ。
「あ・あのすいません・・・冒険者ギルドの方に登録したいんですけど・・・」
とりあえず俺は目的達成を優先させるべく早速本題を切りだした。
「あっ冒険者ギルド初めての方でしたか・・・私は受付嬢のアイシアです」
(この受付嬢のお姉さんアイシアって言うのか・・・よく見ると中々かわいらしい人だな・・・)
「それではまずは冒険者ギルド登録料として5000シリンお支払いをお願い・・・」
(もし冒険者ギルドに正式登録する事が出来たらこんなかわいらしい女性冒険者ともいっしょにパーティーとか組めるのだろうか・・・あれ?・・・なんだ何だか勝手に手が動いて・・・)
「特殊速系スキル強制強奪発動!!」
「えっ!!」
次の瞬間俺の手は受付嬢のアイシアの方へと伸びていた。
(なっ・・・なんだ・・・)
俺は慌てて目を開ける・・・すると!!
「きゃっきゃあー何これー!!」
なんとそこに下着姿になった受付嬢のアイシアの姿があった。
そして俺の手には受付嬢の制服が握られていたのである。
(こ・・・これは間違いなくやばい状態!!)
「そ・そこの少年を捕まえて!!」
受付嬢のアイシアが大きな声で叫ぶ。
(と・・・とりあえずこの場は!!)
俺は一目散にその場から逃げ出そうとした。
「逃がさないわよ変態!!」
冒険者ギルド内にいた複数の冒険者が俺の事を捕まえに動きだす。
「強制強奪」
「えっ!!」
「ぎゃあ!!」
「いやーん!!」
しかしどう言う理由か俺の事を捕まえに動きだした女性冒険者たちの装備を俺は無意識の内に手にしていたのである。
(ななななな・・・なんだよこれ!!!!!)
どう言う理由か自分の意志に反して速系スキル強奪が発動しているらしい。
「とりあえず・・・・速度を上げてどこかへ隠れないと!!」
俺はそう思い今まで使ってなかった最初から使えた最後のスキルを使う。
「速系スキル速足!!」
こうして俺は何とか街の路地裏の方へと逃げ込んだのであった。
「はぁーはぁーどうしよう物凄くやばい事になったぞ」
俺が冒険者ギルドから逃げ出しておよそ3時間くらいが経過していた。
ファスト街の表通りには俺の人相書き書かれた手配書が張られている。
「くそ・・・これじゃ冒険者ギルドはおろかこの先生活して行く事も出来ないぞ!!」
慌てて逃げてきたため俺は何とか必死でためた冒険者ギルドの登録料の5000シリンを冒険者ギルドに置いて来てしまったのである。
「現在俺が手にしているものと言えば自分の意志に関係なく手にしている受付嬢のアイシアさんの制服および女冒険者の装備衣服他3点の以上4点か・・・」
俺は一応それらを箱のスキルを使って消しておく。
当然であろうそのまま女性の衣服を持っていたらそれこそ捕まえて下さいと言っているようなものである。
「仕方がないとりあえずはこの路地裏で大人しく身をひそめてどうするか考えるか・・・」
俺がそう思いうゆっくりと動きだそうとした時だった。
「もしもしそこの少年どうやらお困りのようだね!!」
「えっ!!うわぁーいつの間に!!」
突然声をかけられ俺はびっくりして飛び上がる。
「うん?普段はそうやって他の人々を驚かせてきたのにいざ自分がやられると同じ反応をするんだな少年」
声の主は真っ黒フードの被った衣服を身に纏ってサングラスをかけた声からして中年の男のようだ。
「あ・・・あのあなたは一体何者ですか?」
俺は恐る恐るその中年の男に声をかける。
「まあ・・・詳しい話は後にしてとりあえず私についておいで少年」
男はそう言うと俺に手招きしてついて来るように促す。
(うーん、絶対怪しい匂いしかしないけど・・・でも背に腹は変えられないし・・・)
色々と考えた末俺は男に着いて行く事を選ぶのであった。