表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱兎に賭ける!!  作者: 霧広 拓海
2/20

転生第001話 新しい人生のはじまり??

(うっ・・・なんだ?俺は死んだのか?)


真っ暗闇の中俺はよく分からない感覚の中にいる。


そうたしかに真っ暗なのだ・・・


(たしかパンを万引きしたのを店員と警察に追いかけられて逃げてた途中で車に・・・!!)


そうだ俺は車に衝突して宙高く舞い上がりそのままコンクリートの地面に落ちたのだ。


(そうだ俺はやっぱり死んだんだ・・・でもならなぜ意識がある?)


そうたしかに真っ暗なのだが先ほどからなぜか涼やかな風が当たるような感覚がするのである。


(なぜだろう?もし死んでるはずなら何も感じないはずだ・・・なのになぜだろう?微かに光のようなものも感じるような・・・)


ふとその時微かに感じてた光のようなものが一気に辺り一面に広がった。






「う・・・うん何だ?光のようなものが一気に広がって・・・・!!」


そこまで言って俺は驚いて立ちあがった。


「見える・・・俺は今大きな樹の下の木洩れ日が眩しいところから起き上がったんだ!!」


だけどここは一体どこだろう?どうやら元いた場所とはとにかく別のようだ。


「そうだ!!俺の顔はどうなっている?」


俺はとりあえず自分の顔が見える何かを探した。


するとすぐそばに小川が流れているのを発見した。


「よし、あそこなら・・・」


俺は急いで小川の傍まで行くとそのまま顔を下に向けた。


「なっ・・・なんだこの外国人のような顔は!!」


そこに映しだされたのは今までの日本人の俺の顔ではなく金髪のヨーロッパ人のようなどちらかと言えばかわいらしいような美少年の姿だった。


「こ・・これって一体?」


「おい!!ちょっと良いか少年!!」


ふと背後から女性の呼ぶ声がして俺は慌ててそちらの方に目をやった。


「全く黙って観ておればさっきから驚きすぎじゃ!!」


そこには女性・・・と言うにはあまりに幼過ぎる白髪の小さな少女が立っていた。


「お・・・お前・・・ってか君は一体誰何だ?」


「失礼だな少年!!人に名前を訊く時はまずは自分から名乗るのが礼儀じゃろ宇佐原速人ウサハラハヤト!!」


「なっ!!それを言うなら突然話しかけてきたのは君の方だろう?しかも年下のくせにまるで年寄りのような言葉づかいで・・・うん?うううん!!!!」


そこまで反論して俺はある重要な事に気がついた。


「なっなんで俺の名前を知っているんだよ!!」


そう宇佐原速人それが日本人の時の俺の名前だった。


「知ってるもなにもお主をこの世界に転生させたのはこのワシじゃ」


「て・転生・・・ってき・お前は一体何者なんだよ!!?」


驚きを隠せず後ずさりする俺に対して白髪の少女の姿をした者はニヤリと笑ってみせた。


「宇佐原速人お主死ぬほんの数分前人生をやり直したいと思っておったじゃろう?ワシはそれを見ておった・・・ワシはこの世界の神じゃ・・・宇佐原速人お主はこの世界で人生をやり直すのじゃ」


この世界で人生をやり直す・・・神と名乗るその者の言葉に俺は不思議と高鳴る高揚感のようなものを感じるのだった。


「俺・・・人生をやり直せるのかしかもこの中々かわいらしいイケメンの姿で!!」


「イケメン?何やらよく分からんがその通りじゃ」


「よっよっしゃー!!これでもう脱兎のごとく逃げ回る生活から、ネグレクトされる生活から完全に開放されるんだぁー!!」


あまりのうれしさに俺は涙をながしながら万歳しその場をこれまでにないような素早さで駆け回るのだった。


「おうおうそんなに脱兎のごとく走り回るほどうれしいか・・・ワシも転生させたかいがあってうれしく思うぞ」


この世界の神・・・いやこの俺を地獄の底から救ってくれた白髪の小さな天使は微笑ましく笑っているように見える。


「ほんとの本当にありがとうございます!!それじゃすいませんこれから俺が暮らす家とか家族とかに案内を・・・。」


「それではワシはこれで失礼するぞい」


「えっ・・あのちょっと・・・」


「あーそうじゃ宇佐原速人よ、これからお主の名はラビト・ファースターじゃ!!」


「ラ・ラビトファース・・・?」


「お主が寝ている間にお主のステータスを速振りしておいた」


「そ・そくふり・・・?」


「後はお主の力でたくましく生きて行くのじゃ!!」


「あ・・・あの・・・ちょっと・・・」


「おう!!そうじゃ忘れておった最後にお主に餞別を送らねばな」


「せ・・・せんべつ?・・・」


白髪の小さな天使は今までにないくらいの満面の笑顔でこう言い放った。


「ラビトよ脱兎に賭けよじゃ!!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ