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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

隣の日焼け少年に、まだ不安だけど会いたい!

作者: 石川 瑠佳

 日焼けが、やって来る。私は色の白い肌を見ながら、そう考えた。

 風を切って来る。形のいい紙飛行機が、どこまでも折った人を信じて飛んでいくようで、人生の深みを私に思い出させてくれる。

 自分を信じていいんだって、いい音を出せたときの嬉しさが甦る。彼は美しい。

 日焼けは動きがしゅんびんだ。スバヤイ。そして優しい。

 私はいつも待っている。彼が、戻るのを。愛しているのかは、知らない。ただ、速い走りの彼が不思議なのだ。

 もう、戻ってきた。速い…。

 暇ってのは分かっている。

 私は少し軽いダンベルで時間を使っていた。

 …引きこもりだ。夢野初雪は私は、どうも少し太陽と相性が悪いんだ。週に二、三日は家に居ないと落ち着かない。彼は逆だ。時定久彦。

 彼は太陽がある限り、外に出ないと落ち着かない。(夏は休んだり、常識は持っている)

 子供の頃から、そうだったな…。私は軽くギターを弾いて鳴らした。

 同学年であった彼は小学校に通っていた頃だった。私がブロックの形状組み立て遊びにはまっていたので、私に合わせて家で遊んでくれたのであった。

 彼は作るのが早くてパパッと作り上げてしまってはいたが、いつも私が欲しいブロックを尋ねて、探してくれていたのだ。

 私が作っていたのは、『星、UFO、城、海、北海道、九州、花の園、静岡など』そして、完成すると誉めてくれたのだった。「初雪ちゃんの作品はいいね。“これ以上ダメ”が無い的な感じで。僕、自分の手が大きくなったような気がするから楽しい」

 彼のは超難問暗号読解のような完成具合で誉めるには九十年ぐらいかかりそうだった。彼は私の作品に、自分が進みたい理由を流れを感じて受け取ってくれていた気がする。自分の、行きたい未来はこっちだよ。


 中学に上がると、彼は陸上の部活が忙しく、私は帰宅部だったので疎遠になった(時々、軽く話す程度)。

 十九歳…。久彦君は大学に入っても陸上部に所属し、マラソン大会や駅伝の選手にも選ばれた。

 私はと言うと、十七歳の頃からギターを始めた。「夢野初雪は独学出のミュージシャンになる」という野望を持っている。

 ブロック組み立てを職業にするのは諦めた。様々な不可能になる複雑な理由があって、崩れた。ぼんやりとしか考えたりはしていなかったけど。私なら趣味ブロック遊び、契約。まだ趣味、気晴らし業務にしておこう。すごい事、起きたりもあるかも。


「弦の限界を超える」コレが私が一番盛り上がったときに言う言葉だ。

 スッ、スッ、スゥズウアッ。私はステップを踏みながら、ギターを弾く。

 私は音を組み立てブロック創作のときのことを思い出しドンドン、色んな場所へ撒いていった。響きが弾んできた。響きが手をつないでいく。音はどこへ止まる。この位置がいい。空中へ飛んで行け。

 音楽の渦になる。音がメロディーになる。「天高く上がるリズムたちが雪のように天から音楽が降りそそぐ」

 唄は音の合間を埋めていく。すごく多い言葉は、絶対に必要という訳では無い。一日のうち二十秒ぐらい考えてしまう、言葉を入れる。私は音の音階の壁に触れ、今日思っている事を報告する。

 音楽は礼儀正しい人みたいでいいアドバイスをくれる。私の神経はギターと合致をしていた。

 題・『澄みわたった、降りそそぐ景色』


 〈晴れ、くもり、正解、孤独、常識、ドロー。おせっかい、ハッピー、お日様、クレイジー、とんかつ、舟、沈黙、ドッコイドッコイ、トーストをかじる、滅びの悲しみ、散れ散れ、光のストリートビュー〉

 すると不思議とメロディーの波の上でサーフィンをした。私自身は海の深い、波の上です速く走って軽やかに進む。

 そのうち知っているモノを見つけて、段々、動きを遅く進ませた。

 私は歌詞の一番大事な心を持って最後の一音を、弾き終える。


 ただ、少し広いところでやらないといけない。

 前、ゴミのポリバケツをひっくり返したときは、慌てた。後、スピーカーを使っていたときは、コードに足がひっかかって転んでしまった。

 とにかく、私は夜、治安がいいところで弾き語りをしていた。

 学校も行ってない。

 たまに、こっち方面に用事があったのか久彦君は私に気が付いて、走るのを止めて、聞いていってくれたりもした。

 そんなとき、私は幸せだったのだ。太陽と仲良くなれた気分になれていたから。

 縁がない。家が隣という、場所にしか強みのない私には太陽はまぶしかった。

 だけど、話しかけてみよう。私は、意外とアクティブさのある女なのだ。


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