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【俺(私)の辞書に我慢とか遠慮なんて言葉はない】/【忘れられない】
【俺(私)の辞書に我慢とか遠慮なんて言葉はない】
「ふはは!」
「きゃー怪人よー」
「待てい! この私、正義の味方が許さんぞ! この攻撃をくらえ!」
「ぐおっ! 痛っ! 貴様、その攻撃が俺に効くからといってそればかりしてくるんじゃない! もうちょっと流れを読め!」
「脚本になぞ縛られはせんぞ! なぜなら(お題)から!」
【忘れられない】
この町に長年住んでいる儂からの忠告だ。大きな栗の木のあるあの坂道は通らない方がいい。三十年前の寒い冬、儂はそこで肋骨を折る大怪我をした。その五年前は膝を痛めた。さらにその二年前と四年前にも大小様々な怪我をしたことを事細かに憶えている。何があったかって? それは憶えていない。