女の子を可愛がった
アタシのベッドの上に寝たきりだった少女は、ポーションを飲んで外傷の全てが数秒かからずに完治し、うぅ…と小さく声を漏らしたかと思うと、ゆっくりと目を覚まし、キョロキョロと周囲を見回す。
「あっ…あれ? ここは? 確か…森で迷って」
「目が覚めた? ポーションが効いてよかったよ」
薬を飲ませ終わったのでアタシは女の子をもう一度ベッドに寝かせるために、そっと手の力を抜いて小さな体を柔らかな布団に傾ける。
「きゃあっ! どっ…ドラゴン!?」
「この子はモルちゃん。アタシの友達だよ。人を食べたりしないし優しいから大丈夫だよ。
そしてここは大樹の根本で、アタシたちの家だよ」
「せっかくキャロルが助けてやったのに、起きがけに失礼な奴じゃな」
荷車サイズのドラゴンが目覚めてすぐ真ん前に居たら、誰でもびっくりすると思う。しかしモルちゃんも別に怒っているわけではないので、気にせず話を進める。
「そっ…そうなんだ。ドラゴンさん、驚いてごめんなさい」
「うむ、許してやろう。ところで小さき者よ。お前は何故、森の奥地に足を踏み入れたのじゃ?」
「えっと…それは…」
女の子が一生懸命理由を考えている間に、アタシは普段使いとは別のコップに、あらかじめポットに貯めていた飲水を注ぎ、そっと彼女の前に置く。
「喉が乾いているかも知れないし、よかったら飲んでよ」
「あっ…ありがとう。んっ…えっ? 何これ! お水が濁ってなくて…美味しい!」
余程喉が乾いていたのか小さな女の子はそのまま、コップが空っぽになるまで夢中になって飲みきったので、そっと二杯目を入れ直す。
それが終わるとようやく人心地がついたのか、彼女は大きく息を吐き、自分の身に何があったのかをポツリポツリと話し始める。
「実は私のお母さんが病気になって、治療には高いお薬が必要になったの。
お父さんは薬代を稼ぎぐためにツェザールの町に出稼ぎに行ってるんだけど、戻って来る前に病気が悪化しちゃって。
その間に私が熱冷ましの薬草を探しに森に入ったら、魔物に襲われて逃げてる間に帰り道がわからなくなって…」
小さな女の子が語ったのはよくある話だった。アタシの両親は流行り病で結局二人共亡くなってしまった。彼女とは年も近いので妹のように思え、何だか放って置けない。
目の前の彼女を救ったところで偽善かも知れないが、この際なので昔アタシが出来なかったことを、ぜひとも成し遂げてもらおう。
「ええと、この薬を持ち帰って飲ませてあげて。貴女の怪我や疲労を治した物だから、お母さんにも効くはずだよ。…多分」
実際に病気に効くかは一度も試したことはないので確かではないが、保存容器も作成手順も悪い昔の薬なので、残り全てをあげても惜しくはない。
それに現在は最新の調合機材を使って専用容器に瓶詰めしているので、古い方は欲しがっている彼女に渡したほうが、カビが生えて腐り、使わずに廃棄するよりはマシだ。
「でっ…でも、私はお金を持ってないの」
「そんなのいらないよ。でも、代わりにいくつかお願いがあるの。
それは村に帰す直前に話すね。それよりもまずは…」
戸惑う女の子を無視して、もっとも最初に作成したポーション瓶を古い順から三本、小さな革袋の中に適当に突っ込んで机の上に置く。
改めて彼女を観察して、次に何をするか決める。
「モルちゃん、今からお風呂を沸かしてもらいたいんだけど、大丈夫?」
「問題ない。妾に任せておけ」
「そっか。じゃあ先に沸かしておいてよ。アタシはその前に、この子にやってもらうことがあるから」
ベッドの上で呆然とする小さな女の子の手を引いて立たせて、慌てて靴を履いたことを確認する。
モルちゃんとは一旦別れて、自分が先頭を歩いて道案内をしながらログハウスの外に連れ出すと、外の景色を一目見た女の子は感嘆の声をあげて完全に棒立ちになる。
「うわぁ! すっ…凄い! もしかしてここが天界なの? 私…やっぱり死んじゃったんじゃ…」
「いやいや、死んでないから。ちゃんと生きてるよ。ここが大樹の根本だって最初に言ったよね?」
そう言えば女の子がここに来た時は気を失っていたので、景色は見ていなかったことを思い出す。
今の大樹の根本は一ヶ月前とは違い、小さな妖精や精霊たちが楽しげに遊び回り、美しい草花が咲き誇っている、今は昼だが夜になるとそれぞれが好き勝手に光を放つ。。
今回は見知らぬ少女が居るので皆は遠巻きに様子を伺っているが、それでも幻想的な光景なのは確かだ。普段の見ている村や森との違いに驚くのもわかる。
この世のものとは思えない景色に見惚れている間に、アタシはマイホームの周囲を二十四時間警備している竜兵を大声で呼び出す。
すると森の切れ目から大きな足音を響かせながら、一分もかからずに自分たちの目の前までやって来て、そこでピタリと立ち止まる。
「ひっ! 白銀のきょっ…巨人!?」
「貴女を助けてくれたうちの竜兵だよ。こちらから攻撃しない限りは危害を加えないから安心して」
「そっ…そうなんだ。助けてくれて、ありがとうございます」
まだ小さいのに頭を下げてお礼を言えることに感心しながら、竜兵には今からこの子も守るようにと一言だけ伝えて、もう一度周囲の巡回に戻るようにと命令する。
美しい草花を踏み荒らさないように気をつけて静かに去って行くのを見て、言葉を喋れず感情もないアンデットのはずなのに、色々と学習しているんだなと感心する。
アタシも再び移動を開始して、すぐに毎日利用している用水路の前に到着する。そのまま木の板を張った洗い場から水面を覗くと、今日も清らかな湧き水が流れているのがわかる。
「着いたよ。着ている服を脱いでよ。今から全部洗うから」
「えっ? …えっ?」
「手分けして洗えばすぐ終わるよ。あっ。洗濯板と石鹸は自由に使っていいよ。
ほらほらっ! さっさと脱いで!」
洗濯板と石鹸は、ツェザールの町の貴族やお金持ちの間で流行っている凄い道具だ。特に石鹸は服だけでなく全身の汚れもみるみる落ちるので、アタシもモルちゃんもすっかりお気に入りになってしまった。
それでも昔住んでいた村では名前すら聞いたことがなかったので、お買い物リストには入ってなかった。しかし前回はこちらの素材の売値に対して、貨幣と買い物リストの物々交換でも全然釣り合わなかった。
そこでオーナーのクリストフおじいさんの紹介で、アタシの知らない王族貴族ぐらいしか使用しない、高級品や生活必需品を山程購入させることで、ようやく釣り合いが取れたのだ。
結果的に大型馬車にギュウギュウ詰めにしても、三台も必要なってしまったが。
人前で肌を見せることを戸惑っている女の子を、埒が明かないので強引に裸にひん剥き、着ている服や靴もまとめて木桶の中に入れる。
そのまま近くに立てかけてある洗濯板を手で掴み、清らかな湧き水が流れる用水路で石鹸を付けて洗い始める。
「あの…私の服は…?」
「今洗ってるからちょっと待ってて。洗濯板はもう一枚あるから、貴女はそっちをお願い」
素っ裸になった女の子を無視して洗濯を続行する。適度に力を抜いて無心で洗う。竜兵に運ばれて来た時から感じていたが、彼女はかなり臭うのだ。
さっきは緊急事態だったので仕方ないが、おかげでアタシのベッドにも匂いと汚れが移ってしまった。後で布団カバーを交換して、洗濯しなければいけない。
やがて諦めたのか。女の子は全裸のままアタシの動きを参考にしながら、もう一枚の洗濯板を使ってぎこちなく自分の服を洗い出す。
「力を入れすぎると服が痛むから、優しくね」
「はっ…はい。あっ…この板を使うとお洗濯が、かなり楽になりますね」
「でしょう? ツェザールの町で売ってるから、覚えておくといいよ」
そのまま二十分程洗濯を続けて大体の汚れが落ちたことを確認すると、女の子を洗い場で待たせて、洗濯用の物干し竿に服も下着も靴も一緒くたに引っかける。
ついでに近くで遊んでいた精霊に声をかけ、洗濯物を乾かして、乾いたら脱衣所に運んでおいて…と、お願いする。
お礼はアタシが作った料理のお裾分けと約束すると、皆嬉しそうにポーズを取り、早速そよ風を起こし始める。
「お待たせ。ちょっと屈んでくれるかな」
「こうですか? …きゃっ!?」
アタシは少し屈んだ女の子の腰に手を回してお姫様抱っこのように抱えると、そのままお風呂場に向かって真っ直ぐに歩いて行く。
靴まで干してしまったのだから、地面を素足で歩かせるわけにはいかない。力持ちで疲れにくい今の体はこういう時に便利だ。
「靴まで干しちゃったからね。精霊たちにお願いしたから、お風呂から出る頃には乾いてると思うよ」
「あっ…はい」
抱きかかえた女の子が腕の中で小さくを返事をして、そのまま顔を真っ赤にしてモジモジしている。
やはり白馬の王子様でないのが大いに不満なのだろう。だが今だけは村娘のアタシのお姫様抱っこで我慢して欲しい。
そんな羞恥プレイを味わわせながら用水路の上流に向かってしばらく歩くと、竜兵に岩を並べて作らせた露天風呂が見えてきた。
すぐ隣には入浴前の着替えを行う小屋が建てられており、お風呂用の道具もここに置いてある。
中に入ったら女の子は既に全裸なのでその場に下ろして、アタシは作業着を脱いで籠の中に入れる。
「はぁ…凄く綺麗です」
「えっ? 何? 綺麗? アタシが?」
「はい、まるで物語に出てくる女神様みたいです」
確かに肌荒れや生傷は綺麗さっぱりに消えたが、アタシはただの村娘だ。どれだけ着飾った所で貴族の令嬢やお姫様、ましてや女神様なんて呼ばれる程に美しいとはとても思えない。
取りあえず話半分で聞いておいて、女の子にありがとうとお礼を言うと、嬉しそうに頷いた。そのまま柔らかな布を片手に持って、脱衣所から出てすぐ隣の露天風呂に向かう。
「遅かったのう」
「女の子の服を洗濯してたからね。モルちゃん、湯加減はどう?」
「いい湯じゃぞ。キャロルも早く入って来んか」
広々とした岩風呂の湯船に浸かるモルちゃんに、ちょっと待ってて…と断りを入れて、露天風呂の周りに敷き詰められた木目調の床を、目の前の白銀のドラゴンに緊張している女の子を連れて、転ばないように歩いて行く。
「ここに座って」
浴槽のすぐ近くに木製の風呂椅子を置いて小さな女の子に座らせると、アタシは湯桶を片手に持って温かなお湯を汲み、泥で汚れた茶色の髪を勢いよく洗い流す。
「きゃあっ!? 冷た…あっ…温かい? えっ? もしかして、これが全部お湯!?」
アタシも行商人から聞いたときは驚いたが、貴族や王族やお金持ちの人たちは毎日温かいお湯に浸かり、体を綺麗に洗っているらしい。こっちは川での冷たい水浴びか、布での水拭きが精一杯だったというのに、何とも贅沢なことだ。
なので目の前の女の子がお湯をかけられて、一瞬冷たい水だと勘違いする気持ちもわかる。
「じっとしててね。今から髪から順番に洗うから、目も閉じててね」
「あっ…はい」
色々と驚きすぎて言葉を失っている女の子の髪を洗うために、石鹸を左右の手の平でよく泡立ててる。
そして彼女の茶色の髪をワシャワシャと指先で切るように擦り、数日分の汚れを丁寧に落としていく。
髪を一通り洗い終わるとすぐに湯桶でお湯を汲んで、汚れと石鹸を落とす。次は手ではなく柔らかい布に切り替えて、小さな体の上から下へと移っていく。
アタシが念入りに全身を洗い終わる頃には、何故かヘロヘロと腰砕けになり、風呂椅子から立ち上がれなくなった一人の女の子が出来上がる。
「大丈夫?」
「はっ…はひっ、だっ…大丈夫でふぅ」
「取りあえず外に出てると風邪をひくから、湯船に浸かっててよ」
湯冷めするといけないので、露天風呂に彼女をゆっくりと移動させて、岩の壁にもたせかける。
そのまま自分も体を適当に洗ってから浴槽に向かい、モルちゃんと女の子の間にチャポンと体を沈める。
「お待たせ」
「別に待っておらんが、夜には妾にも頼むぞ」
「わかったよ。お昼は一角ウサギのローストにするから、そっちは頼むね」
「ああ、任された」
女の子の体を洗っているのを見て羨ましくなったのだろう。前まではそれ程綺麗好きではなかったのだが、アタシに洗われるのは好きなようで、毎日こうして要求するのだ。
なので火起こしは購入した魔石を使わずに、モルちゃんに直接頼んでいる。役割分担として釣り合っているかは疑問だが、本人に不満がないようなので当分このままだ。
ちなみに魔物の解体で取り出した魔石は完全に倉庫の肥やしになっている。モルちゃん、精霊、妖精にお願いすれば、アタシが魔法を使えなくても問題ないため、魔石は必要ないのだ。
それからはお互いに言葉少なく、のんびりとお風呂に浸かりながらリラックスする。女の子がのぼせる前にモルちゃんと一緒にお湯からあがり、精霊たちが脱衣所の籠の中に運んでくれた服を着るようにと、彼女に声をかける。
「あっ…あれ? この服、前よりも軽くなってるような」
「それはきっと、精霊の加護を得たのじゃろう。
キャロルが乾かすようにと頼んだので、風の精霊じゃな」
モルちゃんが言うには、精霊は人に慣れずに気まぐれなので、加護を得られるかどうかは人柄次第とのことだが、現在マイホームの周りは右も左も精霊だらけで、犬も歩けば精霊に当たる状態だ。
今も女の子を遠巻きに観察して近寄ってこないが、彼女の服を乾かすときに風の加護を与えたようだ。
「今回の加護はそこまで強くないため、風のように速く…とはいかぬが、体が軽くなるため疲れにくく、多少は速く動けるぞ。良かったな小娘」
「はっはい、ありがとうございます」
ビクビクしながら目の前のドラゴンにお礼を返す女の子を横目に、アタシは慣れた手付きで作業着に着替え終わる。もしかして自分の服にも何か精霊の加護を得ているのだろうか。
「モルちゃん、もしかしてアタシの作業着にも精霊の加護が付いてるの?」
「ああ、付いてるぞ。しかしキャロルの場合は混沌としておってよくわからぬ。
この辺りに住み着いた精霊と妖精が、手当たり次第に加護を与えておるからのう。
一匹や二匹ならば、詳しい属性や効果までわかるのじゃが…」
マイホームの周りの妖精と精霊が面白半分に加護を与えているようで。日常生活に支障がなければ別にいいかと割り切る。
ひとっ風呂浴びてサッパリした体で脱衣所から出ると、今度は台所に向かった。もうお昼はとっくに過ぎているので、早いところ食事にしたいのだ。
「一角ウサギのお腹の中から内蔵を取り出してっと。
香辛料で下味をつけて切り分けた、エリクシル草、千年茸、森芋、生臭さを消すために世界樹の葉も少量刻み入れ、口をキュッと閉めて…っと。はい、三羽目終わり」
既に下ごしらえは済んでいるので、慣れた手付きで配置にかかる。小さな女の子はお客さんなので、適当な椅子に座って見ていてもらう。
「串に刺し終わったら火の息を吐くが、良いか?」
「うん、いつも通りに弱火でお願い。アタシはその間に、森芋で作った白パンと、飲み物を持ってくるから」
下ごしらえを済ませた三羽の一角ウサギを、暇をしている精霊に頼んで燃えにくくて、細く強靭な蔦を生やしてもらい、お尻と首から中の具材が落ちないようにキツめに縛る。その後は外の石窯まで運んで、鉄の串に刺して内部で固定し、モルちゃんが弱火でじっくり焼きあげるのだ。
完成後の料理を想像したのか、何日もまともな食事を取っていなかった小さな女の子のお腹が元気よく鳴ったので、アタシは準備を急ぐのだった。
遅い昼食に皆で舌鼓を打ち、手伝ってくれた精霊たちにも小さなお皿にきちんと切り分ける。モルちゃんも丁寧に一口ずつ味わって食べており、アタシと食べる量が変わらないのでいつも助かっている。
ドラゴンは飲食の必要が殆どないため、彼女にとっては娯楽の一つになっているのだろう。
それでもアタシの作った料理は好きなようで、いつも嬉しそうに食べてくれるので、毎日の食事を作る身としては気合が入るというものだ。
女の子のほうは一角ウサギのローストを一口食べて放心状態になり、意識が戻った後は貪り食うように勢いよくお腹に詰め込んで、その後は遠慮がちに森芋のパンを何枚かおかわりしていた。
いくらポーションで完全に癒したとしてもやはり飲み薬だ。一時的にお腹がマシになるだけで、三大欲求の一つの食欲を満たしたことにはならない。
ポットから愛用のコップに注いだ世界樹の雫に口をつけながら、アタシは食事が終わって幸せそうな表情を浮かべる女の子に、そろそろ家に帰るように促す。
「かっ…帰りたいのは山々ですけど、どうやって村に帰れば…」
「モルちゃんで送っていくよ。そろそろ日が沈むから白銀の輝きを押さえながら月明かりの中を飛べば、村の近くまでなら目立たず行けるだろうし」
暗くなり過ぎて村の位置がわからなければ、一度森を抜けた街道まで飛んでから探せば何とかなる。念の為にモルちゃんのほうに視線を向けると力強く頷いてくれたので、女の子を運ぶことに問題はなさそうだ。
しかし彼女を返す前に、念入りにお願いしておかなければならない。
「でもその前に、最初に言ったお願いを聞いてもらわないと、村へは帰せないんだよ」
「わっ私に出来ることなら! 女神様に全てを差し出せと言われても、大丈夫です!」
「いやいや、そんな大層なお願いじゃないよ」
何故か若干頬を赤く染め、興奮して受け答えをする女の子に少し引き気味になりながらも、アタシは気を取り直し、コホンと咳払いをしてお願いする。
「ここに来たことや見聞きしたことを、誰にも話さないで欲しいんだよ。
ポーションのことは…うーん、森で迷ってたら親切な冒険者に貰った…とか言って、適当に誤魔化しておいてよ」
「なるほど、つまり女神様たちのことを秘密にしておくのですね! わかりました。決して誰にも漏らしません!」
力強く確約する女の子はいいとして、問題はアタシの作戦が穴だらけ過ぎることだ。この点については元々の頭があまり良くないので、これ以上にいい案が思い浮かばないのだ。
とにかく上手くいきますようにと、居るのか居ないのか不明の神様に祈りを捧げるのだった。