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ふつうの人  作者: 佐久間ユウ
第2部 発展
13/30

第1部までのあらすじ

 ずいぶん前に中断し、発表をひかえていた「ふつうの人」の連載を再開しました。ひさしぶりに読みかえしてみると、内容が古くなっていました。小説の時代設定は執筆当時の2014年のままにします。あらすじを書きましたが、第1部も合わせて読んでもらえるとうれしいです。

 桜木航平は東京でミュージシャンになる夢をいだいていた。飛騨高山の実家の牧場では、航平が作曲したピアノ音楽を厩舎の牝牛に聴かせていた。そんな航平を心配した両親が、岩井好美との見合い話を息子にもちかける。航平はその縁談から逃げ、キーボードを背負って上京した。


 航平は東京駅で鷺下純一にスカウトされ、彼の経営する〈バー・ヘロン〉で演奏することになる。キーボード担当者が出演できなくなり、その代役を頼まれたのだ。そこで航平は、専属バンド〈ウォークインジグザグ(千鳥足)〉のボーカルの奥村華と知りあった。


 航平の演奏は、バーの客の好評をえた。鷺下は、バンドのキーボーディストの義男と、サポートの航平との演奏対決を企画する。客の投票でまさったほうが、バンドの正キーボーディストになるのだ。


 義男はその対決で圧倒的な演奏を披露する。航平は敗北を覚悟した。そんなおり、義男の演奏が暴走をはじめた。ついにはナイフを振りまわし、華に襲いかかろうとする。義男は薬物中毒者だった。


 義男は麻薬取締官に取りおさえられ、事態は収拾した。航平は正式にバンドのメンバーになった。〈ウォークインジグザグ〉は、義男の事件で世間の注目をあつめ、SKIミュージックからメジャーデビューが決まった。

 

 2014年の春である。



 主な登場人物


 桜木航平(23) キーボーディスト。コンポーザー。

 岩井好美(よしみ)(23) 航平の見合い相手

 鷺下(さぎした)純一(55) 〈バー・ヘロン〉の経営者。コンポーザー。

 奥村(はな)(23)  バンド〈ウォークインジグザグ〉のボーカル

 義男(25)   バンド〈ウォークインジグザグ〉の元キーボーディスト

 ウッディ(25) バンド〈ウォークインジグザグ〉のベーシスト

 どら猫(25)  バンド〈ウォークインジグザグ〉のドラマー


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