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8 私はあいつに復讐をしてやろうと、心に誓いました

 食虫植物の体液がいい商売になるかもしれない。それを確かめるべく、千世は剣を片手に森へ一人出かける事にした。ナツは昨日酔っ払って、まだ寝たまんまだ。静かに部屋を出よう。


「...行ってきます」


 念のため言っておく。意味は無い。

 が、これが余計だった。


「どこ行くの」


 ナツは目を覚ますなり俺を呼び止める。


「ちょっと欲しいものがあってな。それを取りに行く」

「もしかして、昨日のヌルヌル?」

「な、なぜわかった!」

「昨日お姉さんと話してたじゃない。内緒話のつもりだったんだろうけど、結構丸聞こえだったわよ」

「くそっ...お姉さん声でかいんだよ。この最強のビジネス話が外に漏れたらどうするんだ」

「一人で行く気?」

「当たり前だ。お前クエスト行きたくないって言うし、二日酔いだし。それにまだ眠いだろ。ゆっくり寝とけ」

「...私も行くわ」

「いや、無理すんなって。食虫植物くらい一人でもいけるから」

「ふーん。あれ、そういえば千世ちゃん、その剣実戦に使った事無いよね? かたや私は2回も食虫植物を倒したわ。こんな頼りがいのある私を置いてっていいのかしら。ね、ね?」

「はぁ。要するに一人になるのが怖いんだな」

「なっ! 違うし! で、行っていい?」

「お前が行けるなら俺は別に良いけど」

「やったー!」


 なんたる喜び様。昨日の落胆っぷりが嘘みたいだ。

 相当一人になりたく無かったんだな。昨日の今日だし、無理もない。


 二人は剣を背負って初めて食虫植物を倒した森。ドMをカミングアウトしたあの森へと向かう。千世は更に謎の包みを片手に持っていた。


「これがうまく行けば、ナツのお望み通り、しばらくクエストをやらなくて済むかも──」

「......」

「──いや、ヘタしたら一生やらなくて済む」

「......」

「冒険家を辞めて実業家として資産を築けるかもしれない、って聞いてる?」

「──うん」

「なんか顔色悪いぞ。大丈夫か?」

「ご、ごめん。なんか気持ち悪い。やっぱり二日酔いかも」

「ほら、言わんこっちゃない。今からでも遅くない。さっさとギルド帰って安静にしてろ」

「うっ...」


 ナツは尋常じゃない量の汗を額に書いていた。そして両手で口を抑える。千世はゾッとする。


「お前、まさか──。やめろよ、こんなところで。トイレ、トイレはどこだーッ!」

「む、無理」

「せめてあそこの茂みでやってこい! ここに吐くのはまずい!」


 と言ってもナツにそんな余裕は無さそうだ。どうにか間に合え!

 千世はナツを鷲掴みにする。そして。


「とりゃあああーー!!」

「うわぁ!?」


 茂みへと投げた。


「...う、うえー...」


 ま、間に合った! よっしゃあ!

 ──いや、喜んでいいのかこれは。


「あーー!! もうお嫁にいけない! うぅぅ...!!」

「気にするなって。どんな嫁だってゲロくらい吐くさ。人間だもの」

「ゲロ言うな!」


 その後何を言っても帰ろうとしないナツ。どうしても一人になりたくないらしい。だから、千世はナツをおぶって歩くハメになった。


 森へと到着。そしてまたしても食虫植物と対面する。


「この一週間でなんべんこいつに会えば済むんだ...」


 剣を引き抜き、初めて実戦の為に持つ。剣先をやつの方に向けニヤリと笑う。


「よし、ナツ。俺の勇姿をその目に焼き付けておけ」

「なにかっこつけてんのよ」

「初陣なんだから良いだろ。──さぁ、行くぜ!」

「はいはい...」


 サイズは今までで最も小さい。しかし油断禁物。昨日と同じくらいの危機感を持って、いざ行かん。


「とりゃ!」


 切ってみると分かる。想像以上に柔らかく切りやすい。手でもちぎれそう。

 茎の断面が顕になる。中には液体がたっぷり溜まっていて、今にも吹き出しそう。

 と、すかさず包みから小さな容器を取り出す。大体500mlのペットボトルくらい。それを被せる。


「来い!」


 目で見るよりもすごい勢いだ。そして量が半端じゃない。コレ一つじゃ絶対足りない。もう一つ持ってきたがきっとそれでも足りない。あっという間に容器は満たされる。二つ目も同じように。三つ目も四つ目もどんどん満タンに──。


「って、どんだけ持ってきてんのよあんた!?」

「20個くらい」

「絶対帰る時の事考えてないでしょ...」


 五つ目が満タンになったところで体液の噴出は止まった。


「もっと切らなきゃ...」


 食虫植物は探してみると意外と沢山生えている。それを次々と切る、切る、切る!

 容器は全て満たされた。しかし、千世は構わず切りまくる!


「ははっ、ふっはははは!! おら、おらぁっ! 止まらねぇぜ!」


 千世が落ち着いたのはついに50体目を迎えた時だった。

 もうヌルヌル。全身体液まみれだった。


「その、剣を振ると別人みたいね」

「はぁはぁ...。なんだろう。俺にも良く分からねぇ。ただ──『斬る』っていう行為はこんなにキモチイイもんなんだなっ...」

「あ、これ完全に目覚めちゃったやつだ」



「議題。これをどうやって持って帰るか」

「私はこんな体だから3つくらいしか持てないわよ」

「俺も体力的に3つくらいしか持てん」

「はぁ、どうするのよ...」

「どっかに台車とか転がってねぇかな」

「んなわけ...」


 ──あった。

 こんな山奥で何も乗っていない台車を押すお爺さんが、救世主の如く目の前に現れた。


「おじいちゃん! 台車貸してー!」

「うわっ、なんじゃ君ら!」

「私達今この入れ物を運べなくて困ってるの。だから台車貸してくれない?」

「それは何が入っとるんじゃ」

「食虫植物の体液よ」

「うげっ。悪趣味じゃのう」

「これで犬型魔獣を倒せるんだって」


 千世は慌ててナツの口を塞ぐ。


「おい、言うなって!」

「ん? なんか言うたか?」

「よかった、お爺さん聞こえてない。...何でもないっすよ」

「うーん。まぁいいわ。台車くらい貸してやる」

「ありがとうございます」


 親切な人がいるもんだ。お爺さんもちょうど街に帰る途中だったと言うのでありがたく20の容器を乗っけてもらった。

 ナツも体育座りで乗っかっている。ずるい。


 お爺さんのペースで歩いた為、街までは一時間くらいかかった。ギルドの裏口まで運び、そこから容器を搬入する。重い...千世もナツも疲れきって汗だくだった。

 そこにお姉さんが姿を表す。


「...何やってんだお前ら」

「ふふ...良いものを手に入れましてね」

「これ、食虫植物の体液じゃねぇか! こんなに集めてきたのか!」

「明日には俺達は富豪になってるでしょうから、見ていてください」

「...台車なんてどっから持ってきたんだ」

「道中親切なお爺さんに会ったんで、その方に借りました。ここまで一緒に運んできたんですけど──って、あれ?」

「いねぇじゃん」

「どこにいったんだ。お礼もまだ言ってないのに...」


 不思議に思ったが、きっとかっこいい去り際を演出したかったのだろう。 礼なんていらねぇ、ワシは当たり前の事をしたまでだ、的な。

 台車はギルドに置いておくことにした。


「よし、これで全部だ」

「あー...疲れた。もう寝てきて良い?」

「ダメだ。一度俺に着いてくると誓ったのならば、今日一日はとことん手伝ってもらう。過去の自分を恨むんだな」

「まだ何かやる事あるわけ?」

「このまま売るわけにはいかないだろ? だからパッケージをしてそれっぽくする。お姉さんも手伝ってください」

「ははっ、あいにく私も暇じゃないんでな。ギルドのお姉さんとしての役割を果たさなきゃなんねぇんだよ」

「でも違う人がお姉さんの定位置に立ってますけど」

「へ? ちょっ、勝手になにやってんだ!」

「これでお姉さんも暇になりましたね。さぁ、手伝って下さい」

「しゃーねーな...」


 ということで、千世たちの泊まっているギルドの部屋に容器を運ぶ。紙とペンを用意して接着剤的なものをギルドの奥から引っ張り出してきて机の上に置く。


「パッケージなんて容器に直接書いて終わりでいいじゃねぇか」

「そんなんじゃ誰も買ってくれません。ただのお茶だって、聖水だのなんだのこじつけて美少女の絵を貼り付けるだけで売上が伸びるんですから」

「...何の話だ?」

「パッケージは重要だってことです。それじゃあそこんところ、ナツ。任せた」

「なんで私!?」

「偏見だけどなんかお前美術得意そうじゃん」

「...そう? ふふん、よく分かったわね。実は私は絵が上手いのよ!」

「怪しいもんだなぁ、オイ」

「な、なにをーっ! いいわよ、ここに描いてあげるわ!」


 ペンをガッと取り出し、ペン先が潰れる勢いで紙に絵を走り書く!

 さらさらっと滑らかな筆遣い。ものの20秒でコロナツインテ画伯の絵は完成に至った。


「これは?」

「見ての通りエレファントよ。象よ!」

「ぞ......う?」


 足が8本。鼻が2本。兎のような耳に犬のような尻尾。

 なんだこのクリーチャーは!?


「我ながら素晴らしい作品が出来てしまったわね...」

「バケモノじゃねぇか」

「うっ!!」


 お姉さんの正直すぎる感想にナツはうつろいだ。自分の作品に対する罵倒は受け入れられないようだった。


「そんな事言うならアンタが書きなさいよ!」

「象だろ? 簡単だよそんなの」


 すると、お姉さんは言葉遣いとは裏腹に丁寧な筆運びで紙に絵を描く。ナツとは比べ物にならない。落書きを描く手つきではなく、まるで1つの芸術作品を生みだそうとしているかのようだ。


「...こんなもんだろ」

「「すごい!」」


 とても一本のペンから書かれたものとは思えない。実物を目の前にそれを見ながらデッサンしたかのような精巧さ。白黒写真と言われ見せられたら疑わない。


「意外な才能だ...」

「さすがに負けを認めざるを得ないわね...」

「へへっ、そうか? 照れるな」

「じゃあジャケットはお姉さんに一任しようか」

「え、全部か!? だるっ」

「そうですね...デフォルメした魔獣の絵に襲われる女の子みたいな、イメージでお願いします」

「いや私人物はあまり得意じゃなくてな」

「安心して下さい。ここにモデルがいますから」

「私!?」

「分かった。挑戦してやるよ。嬢ちゃん、そこに立て」

「本気になるのが早いっ!」


 しばらくお姉さんは美術家モードだった。口数少なく、動きも小さく。ナツは決められたポーズでしばらくそのままで苦しそうだった。千世はそれを横で見てるだけ。

 なんとお姉さんは19枚、絵を描ききってしまった。──って、あれ?19枚?


「なんかひとつ足りなくね?」

「も、もういいでしょ。20も19も変わんないわよ...」

「そうだな。じゃあ、あとはそれをボトルに貼るだけだ。二人とも頑張って──」


 千世がそう言い放った途端、お姉さんは肩をがっと掴む。


「ちょっと待て。お前何もしてねぇだろ」

「ぎくっ」

「私はもう腕が動きそうにねぇ。残りはお前がやれ」

「は、はい...」



「ふぅ...」


 千世はようやく作業を終えた。時刻は意外にもまだ昼の1時。見事に商品となった食虫植物の体液を街へと繰り出して売るには丁度良い時間だ。


「よっしゃ! 今から売りに行くぞ!」

「「ぐーぐー」」

「二人とも寝んな! 華が無いと客が寄ってきてくれないんだから!」


 二人を揺らして起こしていた、その時だった。


「ウオオッッッ!!!」


 何者かの叫び声が大きく響き渡る。地響き。地面が大きく揺れる。窓ガラスが震える。

 うるさい。耳が破裂しそうな轟音だ。


「なんだっ!?」


 お姉さんがカーテンを開き窓を勢いよく開ける。

 何かにたかる街の人々。その何かとは窓の外の光景を見ればすぐに分かった。

 二階建ての建物とほぼ同じ高さの怪物、昨日見たあの魔獣がそこにいた。街中にいた。

 しかし、その体はきつく縛られ固定されていて、身動きは取れないようだった。


 魔獣が街に降りてくる事は滅多に無いと聞く。人間が連れてこない限りあそこにいるのは有り得ない。誰だ。


「あっ、千世! 見て! あの人ってもしかして...」


 ナツは指を指す。視線の先にいたのは、黒い背広に黒のハットを被り、黒の杖をついて立っている、いかにも金持ちな風貌の老人。千世は、ナツは、彼の事を知っていた。


「台車のお爺さんじゃねぇか!」

「お前ら、まさか親切なお爺ちゃんってあいつの事を言ってたのか?」

「...そうですけど」

「あー...。やっちまったな。あいつは相当厄介だ。運が悪かったな」

「何者なんですかあの人」

「あいつは、この辺の大貴族のルーザーって野郎だ。しばしば人の技術を盗んで、さも自分のものかのように売りつけて、それで沢山儲けてやがる」


 千世はハッとした。容器が一つ足りなかったのはお爺さんが一つ盗んだからか。

 お爺さんの前には大量の容器が置かれていた。千世の手元にあるものと瓜二つだ。一つ違うのは容器には文字が彫られていた。

 

「ご覧下さい。この体液をこの魔獣にかけると...」


 スプーン1杯分の体液が魔獣の皮膚に付着する。


「グヴォォォァアアアアアッッッ!!!」


 たったあれだけの量なのに獣はあの時と同じように苦しむ。群衆はざわめく。大丈夫か、これ。こっちに倒れてきたら終わりだ。

 しかし、相当きつく縛っているのか、超強い素材で出来ているのか、どれだけ暴れようとしても魔獣の動きは封じられてしまう。

 やがて時間と共にその姿を消していった。

 まるでマジックのような光景に群衆は驚きと共に拍手喝采。


「これさえあれば森でこいつと遭遇しても怖くない! 登山の必需品! 一つ1000G、皆さん、いかがでしょう!」


 高額だが、群衆は寄ってたかって我先にと金を出す。実演販売ってやっぱ効果あるんだなー...。

 しかし技術を盗まれたのはどうも悔しい。


「...あれ、ナツがいない」


 隣にいたはずのナツが姿を消した。何処へ行った。

 と、見回している内に、千世は彼女の姿を見つける。お爺さんの前に──彼女は仁王立ちしていた。いつの間に。


「ちょっとあんた!」


 超アウェーの中、ナツは戦争をふっかける。「やめとけって...」なんて嘆くお姉さんの声もついに届かず、彼女は続ける。


「その退治方法は私達が最初に見つけたの! 我が物顔で売るな!」

「はっ、何を言ってるんだこのガキは。この先進的かつ画期的な技術は我々が長年の研究により発見したものだ」

「研究って、ほんの数時間前に知ったんでしょうが!」

「ちっ、うるせーな。良いじゃないか、君は人を蹴ったり罵ったりするだけで儲けられるんだから。何の苦労もなくて」

「なななっ、なんでそのことを...!」

「そりゃ、ワシも堪能させてもらったからな...ふひひ」

「...そういえばこんなお爺さんいたような」

「君はドS嬢として人間の下品な欲求を満たすのがお似合いだ。こんな高尚なビジネスに手を出すべきではない」

「人様の知恵を奪っておいて高尚だなんて笑わせるわね」

「──何とでも言えばいい。ここには君の味方はいない。これ以上騒ごうものなら、どうなるか分かっているな?」

「どうなるのよ?」

「それはだな──」


 ガシッ。後ろから誰かがナツをがっしりと掴む。

 お姉さんだった。


「嬢ちゃん、もうやめとけ」

「でも...!」

「ほら、帰るぞ!」


 お姉さんは片手でナツを持ち上げてギルドへと連れ戻す。群衆はひたすらに嘲笑っていた。頭のおかしいやつが現れたとでも思ってる様な眼差しで。


「なんで止めたのよ!」

「あそこで言い合っててどうにか出来たことじゃねぇだろーが。残念だが、今回は諦めろ」

「でも...」

「...あいつに目をつけられたら面倒な事になる。だから余計な事はしない方がいい。千世もよく覚えておけ」


 それを理解したものの、気持ちが抑えられなくなったナツは千世の胸に飛び込む。泣いている。


「くっ...! 絶対に復讐してやるんだから!」

「そうだな、悔しいな。よしよし」

「──ねぇ千世。私を『励まして』」

「ふふ...了解」


 ──『励ます』という言葉の意味は、千世とナツとの間では意味が変わってくることだろう。


「お姉さん。そういう事なんで、少し二人きりにさせてくれませんか」

「あ、あぁ」


 お姉さんが部屋の外に出ると、早速二人の儀式は始まった。


「こら。この変態。ドM変態女。ドMのくせにツンツンしてんじゃねぇよ。ホントはこうやって罵られたくてたまらないんだろ? 外では強がっちゃって。我慢しなくていいんだぞ? 公衆の面前で悦ぶ顔を晒しちゃってもいいんだぞ?」

「え、いいの...?」

「いいの、じゃねぇよ。なに期待してんだよ。ふつー躊躇うよな? ホント真性の変態だなお前。よくもまぁ躊躇いもなくそんな事言えるよな」

「ひゃっ、ひゃい!」


 千世の罵りも手馴れたものだ。ナツの満足のいく形に、どんどん言葉が削られていく。


「...あいつらどういう関係なんだ」


 サウンドオンリー。中の様子が見えないお姉さんは少しあの二人が怖くなった。

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