第一章 彼女が出来たとか思ったらハプニング、3人娘が襲来してきました
投稿し、一次だけ通過して落選した話です。せっかくだから読んでもらいたいと思ってアップしてみました。時間があったら読んでください。
「恋」というキーワードに、「女の子とイチャイチャしたい!」という願望を練り込んで書きました(つもり)基本的に投稿時と同じなんですが、まったく一緒というわけにはいかないので多少手を加えてます。後、原稿は長めなので何回かに分けてアップしようと思っています。
★キャスト
・中津井悠(主人公) 地味
・森尾拓夢(友人) 性格いいのか悪いのかよくわかんない系
・道化小春(女子大生)怒らせたくない系
・音川琴美(女子高生)ツボ付き系女子
・生野ほのか(女子中学生) 巨乳! キャピキャピ系女子
・海野まりん(女子高生) 長身。格好いい系女子?
・その他モロモロ
「きみが中津井くんね」
「そうです」
「私は道家小春、よろしく」
「よろしくお願いします」
言って年上女の向かいに座る。その緊張はグチャグチャな攪拌。軽快な頭痛もしてくる。もう始まったんだ、恋に向かってのトビラを押したんだ、そう言い聞かせる悠がいる。前の日に受け答えの練習もしたのだからと。
「きみ誘いにノッてあげようと思ってきたの」
「ほ、本当ですか?」
「私がウソを言うような女に見えると?」
「とんでもない、感謝です」
ペコリと頭をさげ、ホントに願望が叶ったのかと妙な意識を噛む。ヤラカシターに彼女募集とか捨て身で書き込んでみればメール。ホントなんだろうかと疑りながら喫茶店にくれば今がある。ユメのような現実にて、大学生の女となんのの話をすればいいのか悠の頭は回転不足。
音楽、映画、マンガ、アニメ、ネット、テレビ、などなど……クールに見える女との波調が噛み合ってないような気がするばかり。まったく落ち着かないのをガマン。商談に挑んでいるサラリーマンみたいに。
「ちょっと失礼」
「どうぞ」
悠は小春がトイレに入るのを見てくるしい胸を吐き出すように深呼吸。うまくいってるんだろうか、ホントに彼女をゲットした事になっているんだろうか、いろいろ考え戻ってきた女との会話にリトライ。
「きみ、いままで女にモテた方?」
「モテるんだったら彼女募集とかしません」
「それはそうなんだけど、大事なことがあるわけ」
「なんです?」
「浮気しやすい男か否かって事」
小春に見つめられると縄で首輪されるような気がした。浮気なんかしません、こう見えて一途な男ですと悠は言う。付き合ってくれるなら一人しか見ないのは当たり前ですと格好良い。ウソではないがやや過大。これこそ恋に特攻する男に必要だと、悠はネットで読んだ。
「そう、それを聞くと安心するわ」
「どこに?」
「トイレよ」
「また?」
というわけでまたしばし一人。よくトイレに行くなと思うことを何度か挟んで会話。趣味がどうとか、デートするのはどうとかそんな風に。
するとしばらくして悠のスマホに振動だ。
「いいわよ、待ってるから電話してきなさい」
小春のクールな雰囲気で言われると否定しにくい、それではと店の前にて友人の拓夢に応答。今はビジーだと言って切ろうとしたが、耳に聞こえた声に指の動きが止まる。
「悠、ヤラカシター見てないのか?」
「今は見てないんだけど」
「お前のところ荒れまくってるぞ」
「ウソ、なんで」
「いわゆる修羅場だな、おめでとう」
そこで電話を切られたら気になるわけで、早速スマホの小さい画面をネットに切り替え確認してみた。そこでやっと分かった、年上の女がやたらとトイレに行っていた理由が。
女子大生、道家小春。彼女は自分の所から近状報告を書き込んでいた。彼女になったとか、相手は浮気しない男の子らしいとか実況に近い。それが悠のアカウントと連動設定なモノだから悠のアカウント内に反映され誰もが見られる状態。
しかし。
彼女募集という呼びかけをはまだ切っていなかった。おかげで他の女の子というのが、人をその気にさせて捨てきる気かと悠のアカウントにメッセージを送り反映させている。
「うわぁ……他人が見たら最悪な人間にしか見えないよなこれ」
青ざめ。
道家小春が誘いに応じたのに彼女募集をすぐに切らなかったのは、他にも女の子が名乗りを上げたら安心だと下心を持ったせい。これは修羅場かな、昼間のドラマで、どうなるの? ってドキドキし始める辺りかな? と悠は頭を抱えたくなる。
「だ、だけど……」
同時にドキドキもする。他にも3人、3人も自分の誘いに乗った女の子がいる。それは胸がときめく事。頭を抱えながら、ちょっとクスっと微笑したくなるくすぐったさ。春かもしれない、心地よい春がやってきたって事かもしれない。
「仕方ない、正直に話をするか」
スマホを上着のポケットに入れ、店内へ戻って小春と向かい合い。何とも言い難い目で見つめられる中、ゆっくりおちついて切り出す。さっきからトイレに行ってたのはつぶやいていたんですねと。
「見たわけ?」
「見ました」
「別にいいでしょう、私だって女だし」
「そうなんですけど、ちょっと困った事になって」
「何?」
「実は……」
かくかく云々、事の成り行きと現状を説明。このまま荒れると人としてヤバい事になるので、家に帰って3人に事情を説明しますと悠が立ち上がる。女子大生に申し訳ないが半分、3人の女子にムフっとしたくなるが半分。合わせて「ごめんねムフラブ!」
「待ちなさい」
「なんです」
「座って、早く」
静かなる威圧に悠が腰をおろすと、火の付いた矢が飛んできた。私が誘いにノッた時点で募集を切らなかった事が許せないと小春の目と言葉。
さすが女子大生、怖い。チェーンを首にかけかれ引きずり回されるって絵が浮かんできた。テキトーな事を言ってごまかしたら殺されるかって気がする。。
「いや、だって」
「だって何よ」
「つまりその」
悠は潔く、小春と上手く行くかどうか分からないから募集は残しておいたんだと説明した。うまく行くとか思ったらすぐに切るつもりだったとも。やや肩身せまい感じながら、これは許してもらってもいいはずという気が小さく表情に浮かぶ。
「サイテーね、それって浮気と同じじゃん」
「これが浮気になるんですか?」
「顔見ればわかる」
「何をです?」
「3人もの女の子によろこんでいる心よ」
苦々しいつぶやきを落とし、一気にキモチちが冷めたとこぼす小春。高校1年生の誘いにノッた自分が恥ずかしいとイライラした様子で伝票を手にする。一瞬テーブルが蹴り飛ばされる絵を想像した悠。ビッと背筋を伸ばして緊張。
「支払いはしてあげる、手切れ金みたいなものよ」
「付き合ってくれるんじゃないんですか?」
「もう一回本気で、私の目を見ながら言える?」
「つ、付き合って……く、く」
「バーカ、死ねばいいのに」
死ねばいいのに……エコーがかかって悠の耳に入る。カラオケみたいだった。票片手にレジに向かう女子大生。保険とか思っていたのがいけなかったのかなぁと頭をかきながら、今は急いで家に帰るべしと外に出て自転車にまたがる。
軽快なチャリキの走る。春がくるんだとしたら、かわいい女の子とイチャイチャできるんだったら他に欲しいモノはない。信号で止まればイライラする。一方では、並んで歩く恋人を見ても心に余裕。摩訶不思議っぽい興奮。青春は爆発だ!
***
家に帰ると、慌てふためいて応接間にあるパソコンの前に着席。デカい画面でヤラカシターを見た。今まで適度にアホ扱いしていたヤラカシター、それに感謝するような気持ちで胸いっぱい。
「メール確認して?」
書かれている事を口にしながらフリーメールをチェック。すると知らない差出人からのメールが3通り、いずれも画像添付。見ないわけにはいかないと一つずつ開いて画像付きのメール本文と対面。それはバラ色のプレゼント箱を開くようなもの。「ありがとう!」とか笑顔見せながら包装を解くようなモノ。気分はエンジェルビート。
まず、音川琴美。
同い年の女の子。黒くきれいなロングヘアーに髪飾り。どちらかというと地味なんだろうが、何かツボを突いたような笑顔にひっぱられる。少し巨乳っぽい? なフォルムも交えて、ソフトな色気が浮かんでくるように見えた。そんな少女の生息地は悠の家から自転車で25分くらい。
つぎ、海野まりん
一つ上の高2。気風良さ気な表情に大物っぽい感じが見える。色気よりも、頼りになりそうって魅力が満載。生息地は悠の家から自転車で30分くらいの所。先日に会ってご破算となった道家小春と違った感じの年上だと悠は思った。
最後、生野ほのか
思わず後頭部をぶたれたような気がした。3人の中では唯一の中学生、2年生らしい。しかもピースやっているその写真を見て分かる。Tシャツが悩め香しい巨乳ぶりをうたっている、して生息地は3人の中で一番悠の家に近いらしい。
「私、学年で一番おっぱいが大きいんだよアハってか……」
完全に巨乳セクシーアイドル、まぶしいレインボーカラーやら甘い時空のイメージ。豊かでやわらかそうな胸と、愛と無邪気をブレンドしたような笑顔。エスカレートした想像により、その豊満がユッサユッサ揺れた。
悠は頭をかいて、どうしたものかとつぶやく。彼はヤラカシターを開き、彼女の募集は終わりましたと宣言。問題はこの次で、一人ずつ会うか、それとも3人同時に会うか。
3人同時に会う=俺さまハーレム。男子なら一度はユメに見る絵。そこに金銀財宝やらがあったらカンペキ、日常生活サヨウナラである。
「しかし、道家さんの事があるしな」
小春のあの表情が脳裏にチラッとリプレイされる。なんというか、ともかく緊張させられるって顔。考えた悠、ここは一つ正直に打ち明けようと結論。3人揃ってハーレムというのは、逆に言えば最低野郎って事である。そこで正直な男になろうってわけだった。
悠はタイピングして、3人に同内容のメールを送った。相手が激怒するかもしれないと思いつつ、4人で会いたいと入力。日時と喫茶店を書き込み、ドキドキしもって送信ボタンをクリック。まるで一仕事終えたようなモノ。お連れ様って誰かに言われたい感じ。
次の日の夕方6時になるまでに全員から返事が揃う。全員一緒に会う話で構わないと意見一致。ナレーションが「わぉ!」とか言うのかもしれない。ここで次の問題。男なら誰だって全員とつき合いたい。男なら3つのバラを手にしたい。愛しいバラが一つだけなんてロンリー。
「全員彼女になって欲しい……とかいうのはダメだよね、フツーはダメだよね」
腕組みをし、事情知らない人間が見たら考えに没頭して偉いとか思うかもしれない姿。でも頭の中は、やっぱり一人選ばなきゃいけないんだよなということ。結構、いやいや、相当にサイテーって女性から突っ込まれる事を考えていた。
部屋の中でジッと画面を見つめる。高望みしない代わりに全意と親しくなりたい、そんな願望に頭を抱える悠だった。
***
翌日、いよいよ明日3人に会うんだと朝からおち着かなかった。昼食の時間、友人の拓夢は悠の成り行き話を聞いてフラれるだろうと推測する。食堂の席でラーメンを啜りながら呆れた顔を隠さない。
「3人の女と同時に会うなんてクレイジー」
「その方がいいと思ったんだ」
「全員にフラれる可能性が高い」
「自分でもそう思う」
「でもまぁ俺はフラれて欲しいんだけどな」
こんなふざけた話が上手く行くなら誰も苦労しないとか、俺より先に悠が彼女を持つのは許せないとか口にする拓夢。どこかしらモテない方が悠に似合っていると言っているような感。というより事実だった。恋愛で友人に劣るというのは、男にとっては面白くないのだから。
「わかんないぞ、もしかしたら誰か一人と付き合えるかもしれないぞ」
「なら聞くがお前3人のうち誰がいいと思うんだ」
「そ、それは……」
「モテないくせに優柔不断、それで彼女ができたら笑うぜ」
ラーメンを食いながら悠をあざとい奴と言いながら、一方ではどんな女が来るのか教えてくれとか聞いたりする。お前だけシアワセやってんじぇねぇよと言ってるようで、それもまたあざとい雰囲気。
「拓夢にはカンケーない」
「友人に隠し事をするのはよくないぞ」
「フツーの子、格好良さ気な子、にぎやかそうな子、そういう感じかな」
かわいいとか巨乳とか刺激的な言葉は使わない。興味津々になられても困ると思っての事。案の定もっと詳しく語れと迫られたが却下。巨乳、ユッサユッサとか口にしたらこの場は着火ファイヤー。これは自分だけのモノ、拓夢は関係ないんだと悠。
「モテないくせに大胆な事をするよな」
「どうせ彼女が出来ないなら捨て身になってみようかと思ったんだ」
悠は自分をモテない星に生まれたと考えていて、モテない星から移住できないのだろうと思ったりもしている。でも人間いつかは年老いる。男はジジイになり女はババアになる。だったら枯れる前に青春する方がいい。不能になってから恋するより若いうちに勇気出すべき。
「当って砕けるのは今の内かと勇気を出したんだ」
「モテない奴ほど大胆ってことか」
食べ終え立ち上がったら、まぁがんばって砕けてこいとエールする拓夢。一応は応援してくれるのかと思ったら続きがあった。悠、ダメな時は代わりに俺を紹介しておけよと抜け目ないセリフ。自分が授かれるなら悠は不幸になれって目だ。
「あざといなぁ」
「お前に言う資格はない」
などと返され、それはそうかもと軽く胸にちくりと痛み走る。その日の夜、パソコンでヤラカシター。何かがあると急激に増えるフォロワーというウザい数字。何人かの奴がご丁寧にも悠のつぶやきに返信と称してメッセージを送ってきていた。
「彼女できた?」
「進展聞かせて!」
「出来ればムフフな話を語ってよぉ」
などなど。大方エロい事を想像しているんだろうなって感じ。そんな事しないよと口にして手をにぎる。見知らぬ他人のために青春があるんじゃない。恋とは己と相手のためにあるもの。ちょいと部屋の中で体操する悠。
おちつけ、おちつけと言い聞かせている。いまさら緊張するな、勇気あるのみだ。恋という文字が彫られているドアを押し開けるのだ。
つきあってもらってどうもです( ̄m ̄)
jun( ̄ー ̄)ノ(裏)とかいう名前での作品群もありますが、こちらはR-18でやってます。18歳以上の人だけ、よかったらお越しください。